【赤ちゃんのアトピー】原因や症状は?いつからなるの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

赤ちゃんの肌はとてもデリケートなので、肌トラブルがよく起こります。特に「アトピー性皮膚炎」になると、見た目の湿疹もひどく、心配になりますよね。乳児湿疹であれば多くは1歳頃にはよくなりますが、アトピー性皮膚炎の場合はいくつか注意点があります。今回は赤ちゃんのアトピー性皮膚炎について、症状や乳児湿疹との違い、治療法、家庭でのケアをご紹介します。

赤ちゃんのアトピーとは?アトピー性皮膚炎のこと?

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アトピーとは、「アトピー性皮膚炎」のことで、皮膚にアレルギー反応による炎症が現れます。原因は、特定のアレルギー物質のみならず、寒暖差などによる汗のかきやすさによって起こることもあります。

主な症状は、頭部や首、顔、耳のうしろ、ひじ、ひざの裏などの関節部分に強いかゆみを伴い、ときには皮膚が切れることもあります。慢性的な湿疹で、よくなったり悪くなったりを繰り返す特徴があります。

赤ちゃんのアトピーと間違えやすい「乳児湿疹」とは?

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乳児湿疹とは、乳児期に起こる湿疹の総称です。乳児湿疹という病気があるわけではなく、様々な原因で起こる湿疹をまとめて「乳児湿疹」と呼びます。

乳児湿疹の主な原因として、ホルモンバランスの変調により生後3ヶ月頃までは皮脂が詰まることがあげられ、それ以降は乾燥によって起こることがほとんどです。

多くの場合、肌が赤くなる・小さい水ぶくれができる・うろこ状のかさぶたができるなどの症状が現れます。

乾燥する湿疹のタイプもあれば、じくじく湿ったタイプもあります。頬やおでこなど顔に現れやすく、お腹や背中など全身に広がることもあります。乳児湿疹は生後2週間を過ぎた頃から現れ始め、1歳を迎える頃には治まることがほとんどです。

赤ちゃんのアトピーの特徴は?

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前述の通り、アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の原因は異なりますが、症状は似ているため、医師でも見分けることが難しいといわれます。素人目では症状だけを見ていても、それがアトピー性皮膚炎なのか、乳児湿疹なのかを特定することはできません。

アトピー性皮膚炎は慢性的な湿疹でよくなったり悪くなったりを繰り返す特徴があります。日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版」によれば、次の症状を見てアトピー性皮膚炎と診断します(※1)。

アトピー性皮膚炎の主な診断基準

  • ● かゆみがある
  • ● 赤ちゃんの発疹は、頭、顔にはじまって、体幹や四肢に下降してくる
  • ● 乳児期では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上湿疹が続いている

新生児もアトピーになるの?

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前述の通り、アトピーと診断するためには、乳児期の場合、症状が2ヶ月以上続いていることが基準となります。生後28日未満の新生児に乳児湿疹がみられたとしても、それがアトピーなのかどうか診断することはできません。

新生児期の乳児湿疹が気になる場合は、新生児訪問や1ヶ月健診のときに相談してみましょう。

赤ちゃんのアトピーの治療法は?

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赤ちゃんに湿疹が現れて乳児湿疹と診断されたら、まず乳児湿疹のケアを行います。しかし、ケアをしていても症状がよくならなかったり、悪化したりする場合には、アトピー性皮膚炎の可能性が考えられます。

そのときは、小児科か皮膚科のどちらでもかまいませんので受診しましょう。アレルギー科があるクリニックでは、アトピー性皮膚炎の診断・治療に関してより的確に対処してもらえますよ。

アトピー性皮膚炎と診断されたら、アレルギー物質と考えられるものを取り除いたうえで、できるだけ症状を悪化させないように、病院から処方された薬を使って治療を続けることになります。自宅での保湿剤などのスキンケアが重要です。

赤ちゃんのアトピーにステロイドは使ってもいいの?

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アトピー性皮膚炎でよく利用されるステロイドですが、ホルモン剤ということもあって、赤ちゃんに使ってもいいのか、心配に思うママやパパも多いですよね。ステロイドはアトピー性皮膚炎の治療に有効で、適切な量や使用法であれば副作用も抑えることができます。

ステロイドの副作用には、ニキビや水虫による肌荒れ、肌が赤く腫れる、黒ずむといった症状が見られることがありますが、いずれも使用を一時的に控えることで症状を抑えることができます。

赤ちゃんの肌の様子に合わせて、医師に相談のうえで適切なレベルの薬の使用を調節していきましょう。

赤ちゃんのアトピーは、家庭でどうケアするの?

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赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の治療では、普段から肌を清潔に保ち、保湿を心がけるといった、家庭での肌のケアを怠らないようにしましょう。下記に、赤ちゃんのアトピーのケアのポイントをご紹介します。

シャンプーや石鹸のすすぎ残しを避ける

アトピーのケアには、赤ちゃんの体を清潔にすることが大切です。シャンプーや石鹸のすすぎ残しや過度な使用があると、刺激によって皮膚炎を誘発することがあります。使用するシャンプーや石鹸自体も低刺激なものに変えるといった対処をしてあげましょう。

乳児湿疹もアトピー性皮膚炎も、清潔を保つ方法は同じです。関連記事に詳しくご紹介しているので、あわせて参考にしてください。。

入浴後は特に保湿を入念に

お風呂あがりは汗をかき、その後は乾燥しやすくなるので、低刺激のベビー用ローションや保湿クリームで保湿をしてあげましょう。肌に水分が残っているうちにコーティングしてあげると、より保湿に効果が期待できますよ。

唾液や汗の刺激を軽減する

赤ちゃんの唾液や汗が肌に接触すると、それが刺激となってアトピー性皮膚炎が悪化することがあります。汗はシャワーでも十分に流れ落ちるため、お風呂に入れないときでも、さっと浴びさせてあげましょう。濡らした柔らかいガーゼで拭き取ってあげるものいいですね。

柔らかい素材の衣類に変える

衣類が肌に触れることも刺激になるため、肌気は柔らかい素材のものに変更してあげましょう。洗濯をするときは洗剤が残らないよう、洗剤を少なめにしてあげることも大切です。

赤ちゃんのアトピーではアレルギー物質を避けるべき?

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赤ちゃんのアトピーの原因として、食べ物やダニ、ほこりといったものがアレルギー物質となって、症状を悪化させていることがあります。

しかし、たとえば食べ物が原因と疑われる場合、無理にアレルゲン除去食を取り入れると、赤ちゃんの発育に影響が出るといった心配な点もあります。また、必ずしも食べ物が原因でないアトピー性皮膚炎に除去食取り入れるのは有効ではありません(※1)。

まずは適切なスキンケアを行うことが大切です。医師と相談のうえ、治療法や日々の食事を検討するようにしてくださいね。

同様に、環境要因としてのアレルゲンを除去しても、完全には治療できません。ただし、症状の緩和には効果が見られるので、ダニやほこり、花粉、ペットの毛などを避けるように部屋を清潔に保ってあげましょう。

赤ちゃんのアトピーは治るの?

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赤ちゃんがアトピー性皮膚炎と診断されると、治らないものと考えてしまうかもしれません。しかし、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、成長して年齢が高くなるにつれて、症状が良くなる割合が高いとされています。

例えば、生後4ヶ月の赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の約70%は1歳6ヶ月には治り、1歳6ヶ月児の約50%が3歳には治癒したという報告があります(※1)。

ただ、症状の強さによっても治癒する時期は異なるため、年齢が上がってもママやパパがしっかり赤ちゃんの肌の状態を見て、適切なケアをしてあげることが大切です。

赤ちゃんのアトピーはストレスの解消も大切

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赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になって肌の状態が悪化すると、ママやパパの心配が大きくなることもあります。ただし、赤ちゃんのアトピーはストレスで症状が悪化することもよく知られていて、ママやパパが不安に思うことが赤ちゃんに伝わってアトピーに影響する可能性もあります。

赤ちゃんは成長するにつれて免疫力が強くなり、皮膚も丈夫になって自己治癒力で肌も治せるように成長していきます。赤ちゃんのアトピーはいずれ治まるものだと思って、あまり神経質になりすぎず、時間をかけて治療に向き合っていけるといいですね。

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