新生児のへその緒、消毒方法は?おへそから出血しているときは?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠中からママと赤ちゃんを繋いでいた「へその緒」。分娩時にすぐに切断されてしまいますが、産後少しの間は赤ちゃんのおへそに残っています。へその緒が取れるまでは、沐浴や体の手入れを慎重にしてあげなければいけませんが、大事なのは、それまでのへその緒のお手入れです。今回は新生児のへその緒について、取れる前と取れた後の消毒方法、いつまで消毒が必要なのか、出血があった場合の対処法などをまとめました。

新生児のへその緒とは?いつ取れるの?

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へその緒とは、赤ちゃんが胎内にいるときに、ママの胎盤から酸素や栄養が送られてくる大切なもの。臍帯(さいたい)とも呼ばれています。動脈2本と静脈1本が通っていて、分娩時に赤ちゃんと一緒に出てきますが、出産が終わるとすぐに医師や助産師によって専用のハサミで切り離されます。

切断後は、止血や感染の防止のために、クリップで1~2日とめておかれ、病院によっては、消毒や臍結紮(へその緒を縛ること)が行われます。退院頃までにはある程度乾燥し、その後2~3週間で沐浴や着替えの最中にコロッと知らぬ間に取れていることも。なかには、なかなか乾燥しないケースもあるので、毎日沐浴後などに消毒をしてあげることが大切です。


新生児のへその緒の消毒方法は?いつまですればいいの?

へその緒

へその緒の消毒は、病院や状態によって、出産後から毎日必要な場合と、自然乾燥を推奨している場合があります。最近は様々な方法がとられているので、退院前に医師に確認しておきましょう。

ここでは、消毒するケースについて、へその緒が取れるまでと、取れた後の消毒方法をご紹介します。へその緒が取れた後の消毒をやめる目安としては、おへそが完全に乾燥し、「グシュグシュ」「じくじく」していないかどうかです。不安な人は1ヶ月健診のときに確認してみましょう。

へその緒が取れるまでの消毒方法

お腹の皮膚がふやけて汚れが取れやすくなる沐浴後に行いましょう。

綿棒に消毒用アルコールをつけ、へその緒の付け根をやさしくなでて消毒します。消毒後はなるべく自然乾燥させてください。ガーゼやおむつで覆ってしまうと乾燥しにくいので、少しの間、待ちましょう。

消毒は最低1日1回、多くても1日3回です。消毒しすぎるのも炎症の元になるので、あまり神経質にならないようにしましょう。

へその緒が取れた後の消毒方法

基本的には取れる前と同じですが、へその緒が取れた後は、へその奥で隠れている部分に汚れがある場合があります。取れるまでと同じ沐浴後などに、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、ママの人差し指と中指で赤ちゃんのおへそをゆっくり広げます。水をつけた綿棒でなでて汚れを取ってから、消毒用アルコールを付けた綿棒で消毒をしましょう。

新生児のへその緒はどうして消毒が必要なの?

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へその緒の消毒が必要な理由は、細菌が入って炎症しないためです。へその緒はいわば傷口のようなもの。根元は肌の奥に引っ込んでいて、乾燥しにくい状態になっています。その部分にばい菌がつくと、炎症を起こしたり、痛みや痒みが出たりすることも。しっかり乾燥させると同時に消毒してあげることが必要ですよ。

特に、へその緒が取れた後の乾燥や消毒を怠ると、以下のような炎症が起きる可能性が高くなるので気をつけましょう。

臍炎(さいえん)

赤みや黄色い膿が出たり、鼻につくレベルの強い匂いを感じたりしたら、臍炎になっている可能性があります。へその緒があった場所、特に根元に垢や汚れがたまると炎症が起き、おへそとその周りが赤く腫れるのが特徴です。炎症が起きると、おへそを通してお腹の中にばい菌が入って危険な状態になってしまうことも。主に抗生物質や内服薬で治療することが多いようです。

臍肉芽種(さいにくげしゅ)

へその緒の一部が中に残り、イボやしこりのような赤い塊ができてしまうことがあります。おへそやその周りの皮膚がじくじくとして、軽く出血します。軽度なものであれば糸で縛って自然に切れるのを待つか、薬で溶かして取りますが、おへその中いっぱいに肉芽組織が広がる重度の場合は、切除術が必要になることもあります。

新生児のへその緒から血が出ていたら?

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新生児のへその緒から血が出ていたら、少量であればあまり気にする必要はありませんが、しばらく経っても血が止まらない場合は出産した病院か小児科に連絡をしましょう。へその緒には、切断した後もまだおへそ部分に血管があります。うんちをしたときや大泣きをしたときなど、腹筋を使うような行動をすると、その部分に負担がかかり、出血してしまうケースも珍しくありません。

しかし、あまり続く場合は、へその緒がの一部が細菌感染していることもあるので、一度診察してもらうのがおすすめです。

新生児のへその緒の状態を毎日観察しましょう

産まれたばかりの赤ちゃんの肌はとてもデリケートです。外部の刺激で様々な影響を受けるため、普段から沐浴や着替え、おむつ替えのタイミングで、体をチェックする習慣をつけておくと良いですね。

特にへその緒は、傷口が見えてしまっている状態。落ち着くまでは変化に気づけるよう毎日気をつけて見るようにしましょう。消毒をし過ぎても悪影響になるので、正しい消毒方法で、赤ちゃんのおへそを健康で清潔な状態に保ってあげてくださいね。

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