赤ちゃんの予防接種はいつから始める?新生児も注射が必要?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

赤ちゃんの予防接種は、後遺症が残るような重症化しやすい病気の予防や、感染拡大を抑える役目があります。受けるスケジュールやワクチンの組み合わせは、国や医療機関で推奨されていますが、どのワクチンをいつ頃に接種すればいいのかわからないこともあり、不安に感じるママやパパは多いのではないでしょうか。そこで今回は、赤ちゃんの予防接種はいつから受ければいいのか、スケジュールに加え、ワクチンの種類や副反応についてご紹介します。

赤ちゃんの予防接種はいつから?新生児も受けるの?

予防接種 赤ちゃん 注射

赤ちゃんの予防接種は、基本的に生後2ヶ月頃からスタートします。ママがB型肝炎のキャリアの場合に限り、生後12時間以内に接種が必要なケースもあります。

赤ちゃんが予防接種を受ける場合、自治体から定期接種分の無料券や予診票が送られてきます。多くの場合、予防接種を行っている病院一覧なども同封されているので、近くで受けられる病院をみつけて、当日までに予診票を記入しておくとスムーズですよ。

病院によって予防接種を実施する曜日が決まっている場合や、ワクチンを準備するために予約が必要なことも多くあります。かかりつけの病院を決めたら、一度確認をしてみましょう。

BCGは自治体によっては保健センターで集団接種することもあるので、調べてみてくださいね。

赤ちゃんが予防接種を受けるときの持ち物

  • 母子手帳
  • 保険証・乳児医療証
  • 予診票
  • お出かけセット(おむつ・おしりふき・着替え・授乳ケープやミルクセット)
  • ガーゼ・タオル
  • ティッシュ・ウェットティッシュ
  • 抱っこ紐やベビーカー

赤ちゃんの予防接種の「定期」と「任意」ってなに?

予防接種 注射 ワクチン

予防接種には、「定期予防接種」と「任意予防接種」があります。

定期予防接種とは、厚生労働省が定めた予防接種法(※1)に基づき、各市区町村が公費で行う予防接種のことです。

任意予防接種は、希望者が自費で受ける予防接種のことですが、予防接種法で定めていないだけで、決して重要度が低いわけではありません。以前は任意予防接種だったワクチンでも、ここ数年で定期予防接種に変わったものもあります。

定期予防接種

ワクチン名 接種回数
ヒブ
(インフルエンザ菌b型)
4回
小児用肺炎球菌 4回
四種混合
(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)
4回
BCG 1回
MR(麻しん・風しん) 2回
水ぼうそう(水痘) 2回
日本脳炎1期 3回(2期1回)
B型肝炎 3回

任意予防接種

ワクチン名 接種回数
ロタウイルス 1価は2回
5価は3回
おたふくかぜ 2回
A型肝炎 3回
インフルエンザ 毎年秋頃に2回

赤ちゃんの予防接種のワクチンの種類は?

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予防接種のワクチンには、「生ワクチン」「不活化ワクチン」があります。生ワクチンと不活化ワクチンでは、次の接種までの間隔が異なり、生ワクチンの場合は4週間、不活化ワクチンは1週間あけないと、接種ができません(ワクチンによって異なる)。

保育園に入園を予定している場合、不特定多数の園児が通うため、様々な感染症が予想されます。任意接種も必要と判断している園もあるので、後々のために確認しておくと良いですね。

予防接種のワクチンの種類

生ワクチン

  • 生きている病原体の毒性を弱め、軽く病気にかかったような状態にして抗体を作る
  • 次の接種まで4週間あける必要がある(ワクチンによって異なる)

不活化ワクチン

  • 病原体は死んでいて、免疫成分のみを接種する
  • 次の接種まで1週間あける必要がある(ワクチンによって異なる)

赤ちゃんの予防接種のスケジュールは?同時接種できるの?

0歳 予防接種スケジュール オリジナル

赤ちゃんの予防接種は、特に1歳~1歳半になるまでは種類が多いため、ワクチンの組み合わせによって同時接種が推奨されているものもあります。医師と確認して予防接種のスケジュールを決めていきましょう。

予定していた接種日に赤ちゃんが熱を出したり都合があわなくなったりしてスケジュールからずれた場合、期間内であれば日程を調整することもできますが、ワクチンの組み合わせが変わることもあります。

たとえば任意のロタウイルスの場合、生後15週を過ぎると腸重積のリスクが高まる可能性があるため、接種ができないこともあるので気をつけましょう。

以下に、0歳の予防接種の基本的なスケジュールの例を定期と任意含めてご紹介します。上記のスケジュール表とあわせて参考にしながら、医師と相談して決めてくださいね。

生後2ヶ月:同時接種

定期

  • ヒブ(不活化ワクチン)1回目
  • 小児用肺炎球菌(不活化ワクチン)1回目
  • B型肝炎(不活化ワクチン)1回目

任意

  • ロタウイルス(生ワクチン)1回目

生後3ヶ月:同時接種

※前回の接種から4週間以上あける

定期

  • ヒブ(不活化ワクチン)2回目
  • 小児用肺炎球菌(不活化ワクチン)2回目
  • B型肝炎(不活化ワクチン)2回目
  • 四種混合(不活化ワクチン)1回目

任意

  • ロタウイルス(生ワクチン)2回目※1価の場合は2回で終了

生後4ヶ月:同時接種

※前回の接種から4週間以上あける

定期

  • ヒブ(不活化ワクチン)3回目
  • 小児用肺炎球菌(不活化ワクチン)3回目
  • 四種混合(不活化ワクチン)2回目

任意

  • ロタウイルス(生ワクチン)3回目 ※5価の場合は3回まで

生後5ヶ月

定期

  • 四種混合(不活化ワクチン)3回目
  • BCG(生ワクチン)1回

生後6ヶ月以降

定期

  • B型肝炎(不活化ワクチン)3回目 ※初回から20週(約5ヶ月)あけて

任意

  • インフルエンザ(不活化ワクチン) ※10〜11月頃に2~4週あけて2回

1歳以降の予防接種のスケジュールは?

1歳以降 予防接種スケジュール オリジナル

1歳を過ぎると、0歳の頃に比べて予防接種の種類や回数は減りますが、そのぶん予定を立て忘れてしまいがちです。スケジュール表や以下の接種例を参考にワクチンの種類や接種時期をしっかりチェックしておきましょう。

1歳の誕生日が来たらすぐ:同時接種

定期

  • ヒブワクチン(不活化ワクチン)4回目
  • 小児肺炎球菌(不活化ワクチン)4回目
  • 四種混合(不活化ワクチン)4回目
  • MR(麻しん風しん混合/生ワクチン)1回目
  • 水ぼうそう(生ワクチン)1回目 ※3ヶ月後、2歳までに2回目

任意

  • おたふくかぜ(生ワクチン)1回目

1歳以降

定期

  • 水ぼうそう(生ワクチン) 2回目 ※1回目の接種から3ヶ月以降、2歳までに2回目

任意

  • A型肝炎(不活化ワクチン)1回目 ※2~4週間後に2回目接種、その約半年後に3回目接種

3歳以降

定期

  • 日本脳炎(不活化ワクチン)1回目(6~28日後に2回目)
  • 日本脳炎(不活化ワクチン)2回目 ※1回目の接種から6~28日後に2回目

任意

  • おたふくかぜ(生ワクチン)2回目

4歳以降

定期

  • 日本脳炎(不活化ワクチン)3回目

5歳以上7歳未満(小学校就学前の1年間)

定期

  • MR(麻しん風しん/生ワクチン)2回目

9歳以降

定期

  • 日本脳炎(不活化ワクチン)4回目 ※追加接種

11~12歳

定期

  • 二種混合(ジフテリアと破傷風)1回

赤ちゃんの任意の予防接種の費用はどれくらい?

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赤ちゃんの任意の予防接種は、前述の通り基本的に自費で接種します。厚生労働省が予防接種の見直しなどを行っており、年々、任意から定期に変更されている予防接種も増えてきているので、自治体のホームページや予防接種を受ける病院などで、接種前に確認しておきましょう。

以下に、2018年7月現在の任意予防接種費用の目安をご紹介します。

病院によっては、ワクチンの仕入れ数などによって金額も変わってくるので、不安な場合は金額を問い合わせて準備しておきましょう。

任意予防接種 費用の目安

  • ロタウイルス 1価(全2回)…1回 12,000~15,000円
  • ロタウイルス 5価(全3回)…1回 8,000~9,000円
  • おたふくかぜ(全2回)…1回 6,000~7,000円
  • A型肝炎(全3回)…1回 8,000~9,000円
  • インフルエンザ(毎年秋頃2回)…1回 3,000~4,000円

赤ちゃんの予防接種を受けるときの注意点は?

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予防接種を受けるときは、接種前と接種後に、赤ちゃんの体調をチェックしてあげることが大切です。以下に、予防接種を受けるときの注意点をご紹介するので参考にしてくださいね。

赤ちゃん予防接種が受けられない可能性が高い状態

  • 当日の体温が37.5度以上(平熱が高い赤ちゃんは相談)
  • 風邪や病気にかかっている
  • 1ヶ月以内に伝染性感染症にかかった
  • 予防接種でアナフィラキシー・ショックを起こしたことがある
  • 熱はないが機嫌が悪く、いつもと様子が違う

赤ちゃんの予防接種後の副作用は?

女性 メモ カレンダー

赤ちゃんの予防接種後に心配なのが副作用ですよね。正確には「副反応」といい、影響や支障がない範囲でほとんどの子に何かしらの副反応が起きます。

予防接種後にわずかに赤く腫れる状態も、副反応のひとつです。軽い発熱や発疹が出るケースもありますが、赤ちゃんが苦しくないようであれば様子を見ましょう。

BCGや四種混合を受けたときは、特にしこりが残りやすかったり、表面が荒れたりすることもありますが、1ヶ月程で引いていくことがほとんどですよ。

ただし、気をつけなければいけないのは、「アナフィラキシー・ショック」です。アナフィラキシー・ショックは、ワクチンが体質に合わなかったときのアレルギー反応で、重症な場合は、呼吸困難・意識障害などが起きることもあります。

また、BCGは接種してから3〜5日後に接種部分が赤くなり膿がでる「コッホ現象」に注意が必要です。症状が現れたら、予防接種を受けた病院を受診しましょう。

上記の内容含め、予防接種を受けた後は、以下のことに気をつけましょう。

赤ちゃんが予防接種を受けた後に気をつけること

  • 予防接種を受けてすぐに外出しない(遊びや激しい運動)
  • 副反応をみるため病院で5分以上の待機(または自宅で様子をみる)
  • お風呂は入っても良いが、熱い湯船に長く浸かったり、接種部分をこすったりしない

赤ちゃんの予防接種後の反応で受診が必要な状態

  • 腫れが接種部分周辺だけでなく、肘を超えて広がっている(二の腕部分に接種した場合)
  • BCGを受けた後、翌日~3日ですぐに赤く腫れた場合(コッホ現象)
  • アナフィラキシー・ショックを起こした場合

※症状によっては救急車を呼びましょう。

赤ちゃんが予防接種を受けられないときは医師とスケジュールを再確認しよう

受診 ママ 赤ちゃん 子供 病院 診察

赤ちゃんの予防接種は、「1つずれると後のスケジュールが大変」などと、先輩ママから聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

完了する時期は多少遅れますが、予防接種のスケジュールはピンポイントではなく、ワクチンによって受けられる期間に幅があるので、医師と相談して再度組み直しましょう。

最近は、赤ちゃんの誕生日を入れるだけで、予防接種のおすすめの日程、順番を一覧表示してくれるアプリもあります。ワクチンの接種の予定日が決まったら、日付を入力して管理することもできるのでおすすめですよ。

赤ちゃんを大きな病気や感染症から守るために、必要な予防接種をしっかり受けさせてあげてくださいね。

※ 予防接種スケジュールの例は、2018年4月現在の情報をもとに作成しています。

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