新生児や赤ちゃんが「反り返り」などのいつもと違う様子や仕草をすると、「何かの病気や障害があるのでは?」と不安になってしまうママやパパもいるかと思います。そこで今回は、新生児や赤ちゃんの反り返りについて、原因や対処法、病気・障害との関連性などをご紹介します。
新生児・赤ちゃんの反り返りはよくあること?
赤ちゃんは、頭から足の先までピーンと伸ばして背中を反らすことがあります。一般的に、この反り返りは横になっているときでも、抱っこされているときでも起こります。
反り返りは、多くの赤ちゃんに見られる症状で、珍しいことではありません。なかには、生まれたばかりの新生児期から反り返りが見られる赤ちゃんもいますよ。
新生児・赤ちゃんが反り返る原因は?
新生児や赤ちゃんは、何かしらの不快感があるときに反り返ります。しかし、不快感を引き起こす原因が見当たらないのに赤ちゃんが反り返りをしていると、ママやパパは「病気なのかな」と心配になるかもしれませんね。
実は、新生児や赤ちゃんが反り返りをする原因については諸説あり、まだはっきりとしていません。
たとえば、ママのお腹から外に出ると姿勢をまっすぐに保つ力がつきますが、新生児はその力をうまく加減できないため、背中側の力が強くかかって、反り返りが見られるようになるという説があります。
また、新生児や赤ちゃんは、寝かせたときや抱っこしたときに体が刺激を受け、反射として反り返るとも考えられています。このような反り返りは多くの赤ちゃんに見られるので、反り返りは生理現象ともいえます。
新生児・赤ちゃんの反り返りはいつまで?
反り返りには個人差があるため、新生児・赤ちゃんがいつまで反り返りをするのかは決まっていません。
生後2~3ヶ月を過ぎても、赤ちゃんが反り返るのは珍しいことではないとされています。一般的には、首や上体のコントロールができはじめる生後5~6ヶ月頃から反り返りが減っていき、1歳くらいまでには治まることが多いようです。
新生児・赤ちゃんの反り返りの対処法は?
反り返りをしているだけであれば、特別な対処が必要なわけではありません。ただ、新生児・赤ちゃんが何かしらの不快感を覚えて反り返りをしている場合、不快感を取り除くと反り返りが治まることはあります。
反り返ったときに、不機嫌そうにしてグズり泣きをしていたら、不快感となっている原因を見つけ、取り除いてあげてください。
抱っこをしているときの反り返り
新生児・赤ちゃんを抱っこしているときに反り返るのは、抱かれ心地が悪いと感じているからかもしれません。
横抱き・縦抱きや、胎児のように背中を丸くして抱く方法など、抱っこの仕方を変えると反り返りが治まることがあります。
仰向けで寝ているときの反り返り
新生児・赤ちゃんが仰向けで寝ているときに反り返りをしていたら、背中に汗をかいて気持ち悪いと感じている可能性があります。
背中を触ったり見たりして、汗をかいていないか確認してください。汗をかいていたらタオルで拭いてあげたり、服を着替えさせたりしてあげましょう。
新生児・赤ちゃんの反り返りは脳性麻痺や自閉症のサイン?
「新生児や赤ちゃんの反り返りは、脳性麻痺や自閉症の可能性がある」と聞いたことがあるかもしれませんね。確かに脳性麻痺や自閉症の症状として反り返りが現れることがありますが、その場合、反り返り以外に以下のような症状も見られます(※1,2)。
脳性麻痺の可能性がある症状
- ・ 首がなかなかすわらない
- ・ ミルクや母乳が上手に飲めない
- ・ お座りやハイハイ、つかまり立ちなどができず、運動発達が遅れている
- ・ 手足が動きにくく、関節が固い
- ・ 生後6ヶ月を過ぎても、赤ちゃんのような原始反射(モロー反射など)が残っている
- ・ 生後6ヶ月を超えて、寝ていても反り返りがある
自閉症の可能性がある症状
- ・ あやしても笑わない
- ・ 目を合わせない
- ・ 抱っこを嫌がる
- ・ 抱っこをしても反り返りが続く
- ・ 親や他人に興味がない
ただし、これらの症状が見られたら、必ず脳性麻痺や自閉症であるというわけではありません。脳性麻痺や自閉症の可能性があるときは、自己判断せず、医師に診てもらうようにしましょう。
新生児・赤ちゃんの反り返りは心配しすぎないで
新生児や赤ちゃんの反り返りがひどいと、抱っこがしにくくて困ってしまうかもしれませんね。しかし、多くの反り返りは1歳くらいまでには自然と治まるものです。
反り返りがあると脳性麻痺や自閉症の可能性があるという話を聞くと、不安になってしまうかもしれませんが、他の症状が出ていなければ、過度に心配する必要はありません。
どうしても不安であれば、普段から新生児・赤ちゃんの反り返りの様子を観察して、乳児健診時や小児科で医師に相談してください。育児の不安は1人で抱え込まず、専門家の力を借りながら一つひとつ乗り越えていきましょう。