赤ちゃんが舌を出す理由は?障害や病気の可能性も?新生児も出す?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんは、何気なく開けた口から舌を出すことがあります。赤ちゃんにはよく見られる仕草の一つですが、赤ちゃんが頻繁に舌を出したり動かしたりしていると、何か不快なのか、病気があるのではないかと不安になるママやパパは多いようです。そこで今回は、赤ちゃんが舌を出す理由、新生児や生後1・2・3ヶ月で舌を出すことはあるのか、病気や障害の可能性などについてご説明します。

赤ちゃんが舌を出す理由とは?

赤ちゃん 舌 616388_m

赤ちゃんは、成長過程で舌を出す仕草をすることがあります。

生まれてからしばらくは舌を上手に動かすことができませんが、成長とともに徐々に赤ちゃんは舌を動かせるようになります。すると舌を動かすのが楽しくなるので、頻繁に舌を出します。

また、赤ちゃんの舌は大人の舌と大きさがあまり変わらないため、小さな口から舌がはみ出てしまうともいわれています。

赤ちゃんの舌が大きいのは、ママのおっぱいや哺乳瓶の乳首をしっかり吸うためです。

他にも、以下のような理由で赤ちゃんが舌を出すことがあります。

赤ちゃんが舌を出す理由

● 乳歯の生え始めで歯茎がむずがゆく、違和感を取り除こうとしている
● 舌が動くことや舌に触れる物の感触を楽しんでいる
● お腹がすいて、母乳やミルクが飲みたい(吸啜反射)
● 大人の真似をしている

いずれにしても、成長のなかの自然な仕草なので、焦らず様子をみましょう。

赤ちゃんはいつから舌を出す?新生児や生後1・2・3ヶ月に見られる?

新生児 赤ちゃん 笑顔

赤ちゃんが舌を出すようになる時期や頻度には個人差があります。

生後3・4・5ヶ月頃に舌を出す仕草を始める赤ちゃんが多いようですが、早いと新生児期の終わり頃や生後1~2ヶ月頃から舌を出す赤ちゃんもいます。

赤ちゃんが舌を出すときはやめさせた方がいい?

画像の取得に失敗しました。画像IDを確認してください。

赤ちゃんが舌を出していても、いつも元気で健康に問題がなさそうなら、無理にやめさせる必要はありません。

赤ちゃんが舌を出してばかりいると「ウイルスや細菌が口に入らないかな?」と不安を感じるママやパパもいるかもしれません。

しかし口の中では、殺菌作用を持つ唾液が分泌されています。ある程度の雑菌に触れることは、赤ちゃんの免疫力を高めるためにも必要なことです。神経質にならず、成長とともに赤ちゃんが舌を出すのをやめるのを待ちましょう。

ただ、電気のコード、タバコや電池など、赤ちゃんが舐めると危険なものは身の回りに置かないように注意してください。

赤ちゃんがよく舐めるおもちゃなどは、適度な消毒と洗濯で清潔に保っておいてあげると安心ですね。

赤ちゃんが舌を出すのは病気や障害と関係がある?

グッズ ルーペ 調べる 発見

赤ちゃんが頻繁に舌を出していても、病気や障害があることはほとんどありません。

ただし、赤ちゃんが四六時中ずっと舌を出しているような場合は、少し様子を見る必要があります。

赤ちゃんが舌を出してばかりいると、自閉症の特徴の一つとして心配するママやパパもいるかもしれません。

自閉症は、舌をペロペロと出すことの他に、目を合わさない、抱っこをしても落ち着かない、言葉の発達が遅いなどの様子が見られるので、赤ちゃんの様子を観察してみましょう。

赤ちゃんが舌を出しているからといって、神経質になりすぎる必要はありませんが、どうしても気になるときは、乳児健診などで相談してみると良いですね。

その他、赤ちゃんが舌を出していて病気や風邪が疑われる症状をご紹介します。

鼻風邪や鼻の疾患などで口呼吸になっている

鼻水や鼻づまり、鼻の疾患などでうまく鼻呼吸ができない場合に、赤ちゃんは口呼吸になってしまうことがあります。

赤ちゃんが口呼吸になると、頻繁に舌を出してしまうこともあります。

赤ちゃんがよく舌を出していて、さらに、おっぱいやミルクを飲むときに頻繁に口を離して口呼吸をしている、おっぱいやミルクをあまり飲まないようであれば、耳鼻科を受診しましょう。

クレチン症の症状で舌が口に収まらない

別名「甲状腺機能低下症」という、甲状腺ホルモンが分泌されずに起こる先天性の病気があります。

症状の一つとして、舌が極端に大きく、舌が口からはみ出てしまうこともあります。

その他に、おっぱいやミルクをあまり飲まない、活気がない、体重が増えないなどの症状が見られます。

現在は新生児スクリーニングで生後間もなく発見されることがほとんどで、発症するのは0.05%程度の割合とごく稀です。

気になることがあれば、小児科医に相談してみましょう。

赤ちゃんが舌を出すのは今だけの特有の動き

赤ちゃんが舌を出すのは、この時期だけの特有なものです。

舌で色々なものに触れて感じるのも、赤ちゃんの成長には大切なのことなので、舌を出すのを無理にやめさせる必要はありません。

赤ちゃんが舌を出している理由がわかれば、舌を出している赤ちゃんの姿を「舌を出して楽しいのね」「舌を出していてかわいいな」と感じることができますよね。

赤ちゃんが舌を出していても心配しすぎず、今だけの表情をたくさん写真に撮ってあげましょう。

赤ちゃんが舌を出していてどうしても不安が拭えない、何か異変を感じるという場合は、乳児健診やかかりつけの小児科などで一度相談しておくと安心ですよ。

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう