生まれたばかりの赤ちゃんがゴクゴクとおいしそうにミルクを飲む姿を見ていると、幸せな気持ちになりますよね。でも、ママになったばかりだと、「もしかして、ミルクの量が多すぎたかも…」と心配になることも多いようです。そこで今回は、新生児に与える適切なミルクの量と回数、ミルクの量が多すぎてしまったときの対処法についてご紹介します。
新生児に与えるミルクの回数の目安は?

新生児期(生後0日から28日未満)は、生後経過日数に応じて目安とする1回分のミルクの量が段階的に変化します。
それぞれの段階で、3時間おきに1回分の目安量を与えるのがミルクの適正量です。
新生児にミルクを与える回数は、1日8回が目安です。
ミルクは母乳に比べて腹持ちが良く、間隔を空けずに与えてしまうと赤ちゃんのお腹がミルクでいっぱいになってしまいます。
なかにはミルクを吐いてしまう赤ちゃんもいるので、注意してくださいね。
続いて、段階ごとのミルクの量の目安をご紹介します。
生後1・2・3・4週間、生後10・20日のミルクの量の目安は?

新生児に与えるミルクの量は、生後の経過日数に応じて異なります。
以下を参考に、赤ちゃんの様子を見ながら適正なミルクの量を与えてくださいね。
生後1週間のミルクの量の目安
生後0日~7日の1回分のミルクの量の目安は、下記の計算式で求められます。まだ産院にいる頃なので助産師さんに相談しながら進めていきましょう。
10ml+生後日数×10ml
例)生後5日目の場合、10ml+(5×10ml)=60ml
生後10日〜2週間頃のミルクの量の目安
生後2週間目になると、退院して初めての自宅での育児になります。
ミルクの量は緩やかに落ち着き、1回分のミルクの量は80ml~100mlになります。
生後20日〜3・4週間頃のミルクの量の目安
生後3・4週間になると、赤ちゃんもママもミルク育児に慣れてきた頃でしょうか。1回のミルクの量の目安は100ml~120mlになります。
今回紹介したミルクの量はあくまでも目安です。この通りの量でなくても、赤ちゃんに変わった様子がなくご機嫌であれば、多少、ミルクの量が多かったり少なかったりしても問題ありませんよ。
混合育児の場合、新生児のミルクの目安量・回数は?

前述したミルクの量や回数の目安は、ミルクだけで育てる場合です。
母乳とミルクを混合にする場合は、赤ちゃんの様子を見ながらミルクの量を調整する必要があります。
混合育児の場合のミルクの量は、母乳の出によって変わります。赤ちゃんの体重を計って、ミルクの量の目安を決めると良いでしょう。
個人差はありますが、新生児期〜生後2ヶ月ごろまでは、1日あたり25〜40g程度体重が増加するのが一般的です。
新生児の体重を計るには、ベビースケール(赤ちゃん用の体重計)を使うのが一番です。ベビースケールがない場合はママが抱っこして体重計に乗り、ママの体重を引いて算出するのもいいですね。
また、混合育児で母乳やミルクの量が不足しているかどうか心配な場合は、おしっこやうんちの回数が一つの指標になります。
新生児の場合、色の薄いおしっこを24時間で6回以上していて、うんちを24時間で3~8回しているようであれば、母乳やミルクの量が十分に足りていると判断して良いでしょう(※1)。
新生児の赤ちゃんのミルク飲みすぎサインは?

赤ちゃんの体の大きさや消化器の発達具合は、個人差が大きいものです。
そのため、一般的には適正なミルクの量であっても、その赤ちゃんにとってはミルクの量が多すぎるという場合もあります。
ミルクの量が多すぎていないか気になる場合は、以下の点がないかどうか赤ちゃんの様子を確認してください。
- 1日数回少しずつミルクを吐く
- ダラダラと口の端からミルクをこぼす
- お腹がパンパンに膨れて苦しそうに泣いている
- 便秘や下痢になっている
- 機嫌が悪い
こうしたサインがある場合は、赤ちゃんに与えるミルクの量が多すぎる可能性があります。
一度ミルクの量を減らして、様子を見ましょう。
逆をいえば、上記のようなサインがなければ、赤ちゃんに与えるミルクの量が多すぎるということはないので安心してくださいね。
新生児の赤ちゃんがミルクをたくさん欲しがるときは?

赤ちゃんが哺乳瓶を離さない、あるいは口をちゅぱちゅぱさせている姿を見ると、「ミルクの量が足りていないのかしら?」と思うママもいるのではないでしょうか。
また、そのような様子を見ると、ミルクを欲しがるだけあげたいと思ってしまうかもしれませんね
こうした仕草は、口に入ってきたものを無意識に吸ってしまう赤ちゃんの原始反射「吸啜反射」かもしれません。
また、お腹が減っているわけではなく、ただ単に口が寂しいだけということもあります。
赤ちゃんが口をちゅぱちゅぱさせていて、「ミルクの量が足りていないのかしら?」と思っても、おしゃぶりを吸わせると落ち着く場合もありますよ。ただし、専門家の間ではおしゃぶりに対する意見はわかれているようです。
そのほか、歩きながら抱っこであやしたり、おくるみなどで赤ちゃんを「おひな巻き」にして胎内環境に近い姿勢にしたりすると、落ち着く場合もあります。
赤ちゃんが目安以上のミルクを欲しがっても、適正体重から大きく外れていなければ、それほど心配する必要はありませんよ。
新生児の赤ちゃんが泣く原因は、ミルク以外のことも?

赤ちゃんにミルクを飲ませすぎてしまう原因の一つに、「泣き止ませるため」というものもあると思います。
赤ちゃんが泣くと、ついお腹が空いたんだなと思ってしまいがちですよね。しかし、新生児の赤ちゃんが泣く原因は、他にもたくさん考えられます。
もし、赤ちゃんがミルクを飲んだばかりなのに泣いてしまったら、以下のようなことがないか、確認してみましょう。
- 眠い
- 抱っこしてほしい
- おむつが濡れて不快
- 暑い、寒い
- お腹が張ってげっぷがしたい
- 肌がかゆい
- さみしい、不安を感じている
新生児のミルクの量は適切に調整しましょう
初めての育児はわからないことだらけですが、2人目以降でも上の子との違いに戸惑うものです。
特に新生児は意思表示もほとんどできないので、「これでいいのかな?」とママやパパは不安になりますよね。
ミルクの量は目安を把握したうえで、赤ちゃんの様子をしっかりと観察しながら対応するようにしましょう。
ミルクの量や体重の増えかたには個人差が大きいものです。ミルクの量も、その日によって異なることもあります。あまり神経質にならずにミルク育児に取り組んでくださいね。
体重の増え方やミルクの量、赤ちゃんの様子などに不安がある場合は、産院の母乳外来や小児科医に相談してくださいね。