69%の赤ちゃんが1歳までに感染!新生児でも注意すべきRSウイルスとは

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

「RSウイルス感染症」は、2歳までにほぼ100%の子どもがかかるといわれていますが、低月齢の赤ちゃんや心疾患がある子どもが感染すると重症化することも。今回は、RSウイルス感染症の症状や治療法、予防法などを詳しくご紹介します。

RSウイルス感染症とは?

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RSウイルス感染症(respiratory syncytial virus infection)は、RSウイルスによる呼吸器系の感染症で、感染すると咳や鼻水、発熱などを引き起こします。

近年は冬だけでなく夏から秋にも感染者が多く、季節性はなくなりつつあります。

幼児や大人がRSウイルスに感染した場合は、鼻水や微熱など軽い風邪のような症状で治まることが多いものの、1歳以下でRSウイルスに初めて感染した際は、細気管支炎や肺炎といった重い症状になることもあるので注意が必要です。

RSウイルス感染症は新生児や生後1・2ヶ月でもかかるの?

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RSウイルスは、69%もの赤ちゃんが1歳までに感染するといわれています(※1)。

赤ちゃんは生後6ヶ月までは胎盤を通じてママからもらった抗体によって体が守られていますが、ママからもらった抗体のみではRSウイルスの感染を防ぐことができません(※2)。

そのため生後1・2ヶ月の赤ちゃんもRSウイルスに感染することがあり、確率は低いですが新生児もRSウイルスにかかることがあります。

RSウイルス感染症に新生児や生後1・2ヶ月でかかったときの症状は?

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RSウイルスに感染すると、2〜8日の潜伏期間を経て、鼻水や38〜39度の発熱、咳などの症状が出現し、数日続きます(※2)。

症状が悪化すると、咳がひどくなったり、喘鳴(呼吸時にゼイゼイと音がすること)が起こったり、場合によっては細気管支炎や肺炎などを引き起こしたりすることも。

鼻水や咳などの症状のみがあらわれ、数日のうちに快復することが多いですが、1歳以下で初めてRSウイルスに感染した赤ちゃんの1/3は肺炎や細気管支炎を引き起こすとされていて、月齢が低くなるほど重症化する傾向にあります(※1)。

また新生児がRSウイルスに感染した場合、突然死につながる無呼吸発作を引き起こすこともあるので、新生児は特に注意が必要なのです(※2)。

RSウイルス感染症に新生児や生後1・2ヶ月でかかったときの治療法は?入院は必要?

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RSウイルス感染症には、残念ながら特効薬がありません。もし新生児や生後1・2ヶ月の赤ちゃんがRSウイルス感染症になってしまったら、気管支拡張薬の吸入や去痰剤の服用など対症療法で治療を行うことになります。

RSウイルスに感染した場合、病院では下記のような薬が処方されることがあります。

  • ● 発熱に対して解熱剤
  • ● 咳に対して咳止めや去痰剤、気管支拡張薬、器官の炎症を抑える薬

対症療法を行うことでほとんどの赤ちゃんは発症してから1週間程度で症状が軽くなりますが、先述のようにRSウイルス感染症は月齢が低いほど重症化する傾向があるため、新生児~生後6ヶ月未満の赤ちゃんは入院が必要になる可能性があります(※3)。

新生児や生後1・2ヶ月の赤ちゃんがRSウイルスに感染するのを予防するためには?

手洗い

RSウイルス感染症には予防接種がないため、日常生活のなかで予防するしかありません。

RSウイルスは大人でも感染しますが、風邪のような症状のため、RSウイルスに感染していることに気づかず新生児や生後1・2ヶ月の赤ちゃんにうつしてしまう可能性があります。

RSウイルスの感染経路は、咳やくしゃみの飛沫を浴びる飛沫感染や、ウイルスがついている部分に接触後鼻や口を触ってしまう接触感染です。

家族に「風邪かな?」という症状がある場合は、以下のような対策をしましょう。

  • ● 新生児や生後1・2ヶ月の赤ちゃんとできるだけ接触しない
  • ● 咳が出ている場合はマスクをする
  • ● こまめに手洗い・消毒をする

RSウイルス感染症は、新生児や生後1・2ヶ月の赤ちゃんがいる家庭は特に気をつけよう

RSウイルス感染症は新生児や生後1・2ヶ月の赤ちゃんが感染すると、入院が必要なほど重症化してしまう可能性もあります。

RSウイルスへの感染を防ぐには、家にウイルスを持ちこまないこと、そして感染者が赤ちゃんに接触しないことが重要です。

もし家族に風邪と思われる症状があらわれたら、今回ご紹介した対策を行い、低月齢の赤ちゃんへの感染を防ぎましょう。

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