初めての妊娠が判明すると、嬉しい反面、毎日どんなふうに過ごせばいいのかわかりませんよね。気をつけることがある反面、積極的に取り入れたいことや意識しておきたいことも増えてきます。そこで今回は、妊娠初期の過ごし方として、特に日常生活や仕事をしている場合に意識しておきたいこと、つわりが重いときの過ごし方についてご紹介します。
妊娠初期に過ごし方のペースを掴もう
妊娠初期とは、妊娠4ヶ月(妊娠15週)までの時期をいいます。妊娠1ヶ月の最初の2週間は実際に妊娠している状態ではないので、「妊娠初期」に含むこともあれば「妊娠超初期」と分けて表すこともありますよ。
この時期は、頻尿、便秘、熱っぽい、眠い、だるいといった体の変化が目立ちはじめ、つわりもでてきます。不快な状態が続くこともありますが、見た目があまり変わらないことから、パートナーは妊娠による体調の変化に気づきにくいかもしれません。
生活リズムや食生活を見直しつつ、パートナーにも体調を素直に伝えて、休めるときは休むようにしましょう。つわりのタイプにも個人差があるので、自分なりのペースを掴んでいってくださいね。
妊娠初期の生活で意識することは?
妊娠をすると、これまでと同じような生活を送りたくても、体調が整わず、なかなか思うように行かないことも増えてきます。
ここでは、特に妊娠初期の生活について、意識しておくとよいことをまとめました。体調によっては安静が必要なこともあるので、妊婦健診時にも生活の注意点を確認しましょう。
無理をしない程度に普段の生活をおくる
妊娠初期は何をするにも慎重になりがちですが、つわりが比較的軽い場合や、体調が良いときは、普段通りの生活を送りましょう。
ただし、高いところにあるものを取ったり、急いで走ったりするときは、どんな状態でも注意が必要です。転倒や転落のリスクがある行動は控え、人に頼ることや、時間に余裕のある行動を意識してください。
体に負担をかけない服装や靴を選ぶ
少しお腹が膨らんできたら、お腹周りを締めつけないよう、マタニティ用のパンツやスカートを購入するのがおすすめ。バランスを取りやすいよう、ペタンコ靴やスニーカーを選ぶと良いですね。
また、妊婦さんに体の冷えは禁物です。冬場や、夏の冷房がきいた部屋では、羽織るものを常備し、タイツやレッグウォーマーを履くなど工夫しましょう。
生活習慣を見直す
タバコやアルコールは、胎児の発育や母体の健康リスクを高める原因になるので、妊娠が分かった時点で禁煙・禁酒をしてください。タバコは胎盤の働きに悪影響を与えて早産や低出生体重児などにつながる恐れがあり、アルコールは胎児の中枢神経障害を引き起こすリスクが高まります。
内閣府の食品安全委員会によると、カフェインを妊娠中に、過剰に摂取し続けると胎児の発育を阻害する可能性があると発表しています(※1)。できればノンカフェインやデカフェといった、カフェインの入っていないもの、限りなく少ないもので楽しむようにしましょう。
食生活・生活リズムを整える
鉄分やカルシウム、ビタミンなど、妊娠中に不足しがちな栄養は積極的に摂るようにしましょう。特にビタミンの一種である葉酸は、厚生労働省から1日400㎍の摂取が推奨されています(※2)。妊娠初期から起こりやすいお通じの悩みには、食物繊維が多い食べものや発酵食品もおすすめ。
また、早寝早起きとともに、朝ごはんを食べることも大切です。妊娠初期は、体の変化に慣れないだけでなく、ホルモンバランスの変化でイライラすることも増えます。影響を最小限にするために、できる範囲で見直してみましょう。
妊娠初期に仕事をしてもいいの?過ごし方の注意点は?
妊娠初期に仕事をしている場合は、まずは妊娠したことを直属の上司に報告をして、産休や退職など、今後の意向に合った仕事の仕方を相談しましょう。妊娠初期で見た目や体調に大きな変化がない場合、報告を後回しにしてしまうことも多いですが、無理は禁物です。
上司に妊娠報告をするときは、つわりなど体調不良のときに休みをとる可能性があることを伝え、できれば通勤時間をずらすなど、環境を整えてもらいましょう。
また、医師に相談するのもおすすめです。「母性健康管理指導事項連絡カード」を発行してもらうことで、事業主に医師からの指導を的確に伝えることができます。
妊娠初期でつわりが重いときの過ごし方は?
多くの人は、妊娠初期につわりのピークを迎え、中期に入る頃に落ち着きますが、つわりの時期や程度は人それぞれ。匂いつわり、吐きつわり、食べつわりが基本ですが、いくつか同時にみられることも。
人によって軽く終わることもあれば、長引くこともあります。つわりが重く、長引くようであれば、無理せず体を休めましょう。
この時期は、栄養を気にせず食べられるものを食べられるだけで構いません。換気をするなど、自分が少しでも心地良いと思う環境作りをしましょう。
職場やパートナーに状況を伝え、つわりの期間の対処法を相談しておくと良いですね。また、水さえ全く受けつけず、医師から妊娠悪阻と診断された場合は病気になりますので、会社を休んでも健康保険から傷病手当金をもらうことができます。
妊娠初期の過ごし方は無理をしないで
妊娠初期は、妊婦さん自身もどんな変化が起こるのかわからないもの。2人目だとしても、上の子とまったく同じ状況とは限りません。
この時期は、まず無理をしないようにすることが一番大切です。できる限りの範囲で自分の状況を整理し、体を休める体制を整えましょう。
妊娠すると、様々なことが制限され、イライラして落ち込むこともありますが、自分を責めないでくださいね。母体と胎児の健康を最優先に考え、パートナーや家族、周囲の人に協力を得ながら、心地よいマタニティライフを送りましょう。