妊娠中でも、緑茶やコーヒーなどの好きな飲み物でホッと一息つきたいときもありますよね。しかし、「妊婦さんはカフェインを控えた方がいい」といわれているため、妊娠中に緑茶を飲んでもいいのか迷うこともあるのではないでしょうか。
今回は、妊娠中に緑茶は何杯まで飲んでいいのかをご説明します。
妊婦は緑茶を飲んでもいいの?
妊娠中に緑茶を飲むことは問題ありませんが、緑茶にはカフェインが含まれているので、飲む量には注意が必要です。
まだはっきりとした結論は出ていませんが、いくつかの研究結果から、妊娠中にカフェインを過剰摂取することで、自然流産や胎児の発育に悪影響を及ぼすのリスクがあがる可能性があるのではないかと懸念されているのです(※1,2)。
特に妊娠初期は胎盤や赤ちゃんの重要な器官をつくる大切な時期なので、カフェインの摂取量には特に注意が必要です。
ちなみに緑茶は、チャノキの葉っぱを発酵させずに作った日本茶全般のことを指し、煎茶、玉露、抹茶、番茶、玄米茶、ほうじ茶なども緑茶に含まれます。
緑茶には、胎児の細胞分裂を助けたり、順調な妊娠をサポートしたりする葉酸が含まれています。また、虫歯予防や腸内環境を整える効能があるカテキンや、体の免疫力を高めるビタミンCも含まれています(※3)。
妊娠中は緑茶を1日何杯まで飲んでいい?
日本では妊娠中のカフェイン摂取量についての明確な基準がありません。しかし、イギリスでは1日200mgまで、カナダ・オーストリアでは1日300mgまでとされている点や、子供のカフェイン推奨量が体重を基準にされていることを踏まえると(※1)、日本人の妊婦さんが1日に摂取していいカフェイン量は100~200mgほどだと考えられます。
緑茶のカフェイン含有量は下記のとおりです(※4)。
緑茶の種類別カフェイン含有量(100mlあたり)
煎茶 | 20mg |
玉露 | 160mg |
抹茶 | 3200mg |
ほうじ茶 | 20mg |
番茶 | 10mg |
玄米茶 | 10mg |
このカフェイン量と妊娠中のカフェイン摂取量は1日に100~200mgほどという数字をみると、妊娠中でも煎茶を1日5杯くらいまで飲んでもいいのではと思うかもしれません。
しかし私たちの身の回りには、コーヒーや紅茶をはじめ、チョコレートやココアなどカフェインを含んだ飲食物がたくさんあり、思っているよりカフェインを摂取していることもあります。
そのため、妊娠中は緑茶だけでなく、他の飲み物や食品のカフェイン量もチェックして、1日のカフェイン摂取量の合計値が高くなりすぎないように気をつけましょう。緑茶は1日1〜2杯にしておくと安心かもしれません。
貧血気味の妊婦さんは緑茶に注意!
妊娠中は貧血の症状が出やすくなるため、鉄分を多く含む食材を食べたり、鉄剤を処方されたりする妊婦さんも多いですよね。
緑茶にはタンニンという成分が含まれています。タンニンは、鉄分の吸収を阻害することが指摘されています(※5)。
そのため、貧血気味で鉄分を摂取している妊婦さんは、緑茶の飲み過ぎに注意しましょう。
妊娠中に緑茶を飲むときはカフェイン量に注意して!
一口に緑茶といっても、種類によってカフェイン含有量や成分、効能は様々です。できるだけカフェイン含有量の少ない茶葉を選んだり、1回あたりの飲む量を少なめにしたりと工夫をして、妊娠中も緑茶を楽しめるといいですね。
最近では、カフェインフリーのペットボトル緑茶やブレンド茶も出ているので、緑茶好きの妊婦さんはぜひ試してみてくださいね。