妊娠後期の腰痛はどう対策すればいい?運動/グッズ/マッサージなどまとめ

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠後期に入って、「腰痛」に悩まされていませんか。これまでは腰痛に無縁だったという人も、妊娠週数が進むに連れて腰痛が出てくることもあります。

そこで今回は妊娠後期の腰痛の原因と、痛みを和らげるための対策についてご説明します。

妊娠後期に腰痛が出やすい理由は?

妊婦 腰痛 5024692

妊娠後期に腰痛が出やすい主な理由は、以下の2つです。

ホルモンバランスの変化

妊娠すると体内のホルモンバランスが変化します。妊娠によって分泌されるホルモンによって骨盤まわりの靭帯や関節がゆるみ、腰に負担がかかるため腰痛が起こりやすくなります。

お腹が大きくなること

妊娠後期に入るとお腹が大きく重くなるため、お腹を支えるために体を反らせる姿勢をとりがちです。

反り腰になると腰まわりの筋肉に負担がかかるので、腰痛があらわれたり悪化したりします。

姿勢の変化は腰以外にも、背中や足の付け根、お尻、太ももなどにも痛みを引き起こすことがあります。

妊娠後期の腰痛対策は?

マタニティ ヨガ

妊娠後期の腰痛は生理現象に近いので根本的に解消することは難しいですが、少しでも痛みを和らげるために対策を取りたいですよね。

ここでは、妊娠後期の体に負担をかけずにできる対策方法をご紹介します。

軽い運動で筋力をつける

妊娠後期はお腹が大きくなって体を動かしにくくなりますが、無理のない範囲でできるだけ体を動かすようにしましょう。

特におすすめなのが、いつでも手軽にできるストレッチです。ウォーキングも比較的負荷が小さい運動なので、体調が良いときは意識的に歩くように心がけてくださいね。

ただし、少しでもお腹の張りや不調を感じたら中断して休むようにしてください。

また、マタニティヨガやマタニティスイミング、マタニティビクスなど、妊娠後期の妊婦さん向けの教室もあるので、体調を見ながらチャレンジしてみましょう。

無理のない範囲で取り組めば、筋肉がついてきて腰痛も和らいできますよ。

腰痛対策グッズを使う

運動をしていてもすぐに筋肉がつくわけではないので、腰痛対策グッズもあわせて使うといいでしょう。

骨盤まわりをサポートしてくれる妊娠用ベルトや、お腹を包み込むようにサポートしてくれるマタニティガードルなどがあります。

特に妊娠用ベルトのひとつ「トコちゃんベルト2」は産院で勧められるほど人気で、多くの妊婦さんに利用されており、妊娠初期から産後まで使えますよ。

寝るときの姿勢に気をつける

腰痛のときにおすすめの寝方は、「横向き」です。痛みがあるほうを上にして、できるだけ患部に負担をかけないように寝ましょう。

ただし、お腹が大きくなる妊娠後期に体の右側を下にして寝ると、血管が圧迫されて寝苦しくなることがあるので注意してください。

寝苦しさを感じるときには、体の左側を下に上半身はうつぶせ気味にして、上にくる膝を曲げる「シムス体位」がおすすめです。腰への負担も少なく、お腹の圧迫も軽減されますよ。

横向きの姿勢が取りづらいときは抱きまくらやクッションを使って調節してみてくださいね。

妊娠後期の腰痛はマッサージで和らぐ?

オリジナル 日本人 妊婦 パパ マッサージ

腰に痛みがあるときは、マッサージをするのも効果的です。腰を軽く押してもらうだけでも痛みは和らぎます。自分でやるのは難しいので、パートナーや家族に協力してもらいましょう。

妊娠中にマッサージをしてもらうときは、力加減に注意してもらうことがポイントです。

妊娠中は刺激に敏感になりがちなので、ちょっとした刺激で痛いと感じることも。最初はさする程度で優しくマッサージして、少しずつ力を入れて適度な加減をつかんでもらいましょう。

妊娠後期の腰痛は病院に相談したほうがいいの?

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妊娠後期に入って腰痛がつらいときは我慢せず、かかりつけの産婦人科に相談してください。悪化する前にできるだけ早い段階で相談することが大切です。

痛みがつらい場合は、妊娠中でも使える痛み止めを処方してもらえることもありますよ。

妊娠後期の腰痛は早めに対策をしよう

妊娠後期は腰痛のほかにもマイナートラブルが起きやすいので、気分がすっきりしなかったり早く出産して不快症状から解消されたいと思ったりするかもしれません。

今回ご紹介した方法を参考にできるだけ早めに腰痛対策に取り組んで、少しでも痛みを軽減できるといいですね。

痛みがひどかったり悪化したりしているときは無理をせず、かかりつけの産婦人科に相談するようにしましょう。

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