妊婦は湿布を貼っていい?妊娠中にサロンパスは使える?

監修専門家 看護師・助産師 岡 美雪
岡 美雪 看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。日... 監修記事一覧へ

妊娠中に慢性的に感じる肩こりや腰痛には、湿布やテープ、ゲル、ローションなどの市販の外用消炎鎮痛剤の力を借りたくなりますよね。ただ、使用上の注意に「妊娠又は妊娠していると思われる人は使用しないこと」と記載されている製品もあるので、不安に思う方も多いのではないでしょうか?今回は妊娠中に使用する湿布薬の選び方や、湿布薬に含まれる危険な成分と副作用についてまとめました。

湿布などの外用消炎鎮痛剤とは?

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もともと肩が凝りやすい体質だったり、腰痛持ちだったりすると湿布薬に頼りたくなりますよね。そもそも湿布などの外用消炎鎮痛剤とは、いくつか組み合わされた成分によって、肩こりや腰痛、筋肉などの痛みや炎症を軽減する薬です。

皮膚を通して成分を吸収し、血行をよくして凝りを解消したり、軽い知覚麻痺を起こして痛みを抑える効果が期待できます。

妊婦は湿布や塗り薬を使ってもいいの?

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販売されている外用消炎剤によっては、強力な消炎作用があり、皮膚からの吸収率が高く、湿布特有の匂いがない高性能なものもあります。

これらには、痛みの元となる炎症が周囲に広がらないように、血管を収縮させ、炎症物質を閉じ込める働きがあるのですが、この作用が動脈管という胎児に栄養を運ぶ血管を収縮させてしまい、胎児が血流障害を引き起こす可能性があります。

ただ、全ての外用消炎剤に危険な成分が含まれているわけではないので、成分に注意しながら湿布薬を選びましょう。

妊婦の湿布で避けたい成分と副作用は?妊娠初期ならいい?

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市販薬を選ぶときにも、妊婦に使用してはいけない成分もたくさんあるので、必ず薬剤師や事前に産婦人科医に相談の上、処方してもらうようにしてください。

特にNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は胎児が尿をつくる力を抑制し、胎児の腎障害や羊水過少を引き起こし、動脈管の早期閉塞のリスクも高めてしまうので、湿布薬や塗り薬を購入の際は確認が必要です。具体的には次のような成分については、副作用についても理解しておきましょう。

ボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)

炎症、腫れ、筋肉や関節の痛みを軽減し、熱を下げる効果のある成分です。妊娠中に投与すると、動脈管収縮・閉鎖、徐脈(不整脈の一種)、羊水過少が起き、胎児へのリスクが高まります。

また、分娩に近い時期に投与すると、胎児循環持続(PFC)、動脈管開存症、新生児肺高血圧症、乏尿が起きるリスクがあり、新生児が死亡する例も報告されています。

インドメタシン

熱を下げ、痛みを鎮め、炎症を抑える効果のある強力な成分です。妊娠後期の投与で胎児循環持続症(PFC)、胎児の動脈管収縮、動脈管開存症、胎児腎不全、胎児腸穿孔、羊水過少症が起きたとの報告もあります。

また、早期出産した新生児に壊死性腸炎の発生率が高く、消化管穿孔、頭蓋内出血が起きる可能性もあります。

ケトプロフェン

鎮痛作用と解熱作用のある成分で、主にテープ剤に使用されています。妊娠中期の投与で羊水過少症、妊娠後期の投与で胎児動脈管収縮や新生児肺高血圧症が起きるリスクがあるため、妊娠後期の妊婦さんへの使用は禁止されています。

妊娠後期の使用は特に胎児に影響が出やすいので、注意するようにしてください。ただし、妊娠初期ならいいというわけではなく、自己判断せず、かかりつけのお医者さんに相談して、湿布薬など治療法を指定してもらうと安心です。

妊婦が湿布や塗り薬を選ぶときの選び方は?

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妊婦にとって危険な成分があるとわかると、なかなか気軽に湿布薬を使えなくなってしまいますよね。ただ、すべての湿布薬に危険な成分が入っているわけではないので、成分表示を確認して選んでください。簡単な湿布薬の絞り方としては、以下の区分を参考にするといいでしょう。

● 第1類医薬品:妊娠中に使えない
● 第2類医薬品:使用上の注意があり、産婦人科医や薬剤師に相談が必要
● 第3類医薬品:基本的には使用してもよい湿布薬

第3類医薬品でも絶対に安全というわけではないため、可能であれば産婦人科医や薬剤師に相談してから購入・使用をしましょう。次からは、具体的な商品名をまとめたので、参考にしてください。

第1類医薬品の湿布

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第1類医薬品には血管を収縮させる作用のあるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)としてボルタレンやインドメタシンが多く含まれていることがあり、妊婦は避ける必要があります。

しかし2013年には該当していたボルタレンACやジクロテクト、フェイタスZなどが第2類医薬品に移行され、市販の湿布薬としてはほとんど見られなくなりました。

第2類医薬品の湿布:バンテリンパップなど

腰

第2類医薬品では、第1類よりは強い成分が控えられた薬で、医師や薬剤師による説明が努力義務として必要な薬品を指します。第2類医薬品の湿布は妊婦が避けるべき成分量が製品によって異なるため、医師や薬剤師に相談のうえ、問題がないかを確認して使用するようにしてくださいね。

● ボルタレンAC
● ジクロテクトPRO
● フェイタスZ
● サロンパスEX
● バンテリンパップ
● アンメルシン1%ヨコヨコ など

ボルタレン、ジクロテクト、フェイタスZなどは2013年までは第1類医薬品だったこともあるので、薬剤師や医師に確認してから、より体調に注意して利用を検討しましょう。

第3類医薬品の湿布:サロンパスAなど

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第3類医薬品では妊婦が避けるべき成分が入っていないものが多く、湿布薬の説明書にも妊婦の使用に関する注意書きがないことがほとんどです。妊娠中でも基本的には利用しても問題ないといえますね。

● サロンパス
● サロンパスローション
● アンメルツヨコヨコ
● パテックスうすぴたシップ
● 腰痛パテックス

妊娠中は湿布薬への頼りすぎに注意

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妊娠中は身重で体を動かしにくく、腰痛や肩こりといったトラブルに悩まされやすい期間です。だからといって湿布薬に頼りすぎるのも避けたいところ。

無理のないペースで、マタニティヨガやマタニティスイミングなど体を動かす習慣を日常的に取り入れて、腰痛や肩こりを予防していきたいですね。また、腰痛の場合には、湿布ではなくカイロで患部を暖めて体を休ませるのも効果的です。

妊娠期間が経過すればするほど、動くのがおっくうになってしまいますが、できるだけ薬に頼らずに過ごした方が、ママも心配事が減って安心ですよ。

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