「新生児は泣くのが仕事」といいますが、いつまでも泣き止まないと心配になってしまいますよね。終わりがないようにも思える新生児の泣き声に「なんで泣き止んでくれないのだろう…」と、落ち込んでしまうしまうこともあるかもしれません。今回は、新生児が泣き止まない原因と対処法、病気の可能性があるかどうかについてご説明します。
新生児が泣き止まない原因は?なぜ泣く?
生まれたばかりの新生児は、自分がしてほしいことを言葉や態度で表現することができません。そのため、泣くことで周囲に対して自分の欲求や不快感を伝えます。
新生児期の赤ちゃんが泣き止まない原因には、次のようなものがあります。赤ちゃんが泣き止まないときのために、知っておくといいですよ。
身体的・生理的な原因
新生児が思いきり大声で泣く場合は、空腹や眠気など身体的・生理的な理由があると考えられます。この場合、パパやママが抱っこしてあやしても泣き止むことはなく、原因が取り除かれるまで泣き続けます。
お腹が空いている
産院などでは一般的に、3時間おきの授乳をすすめられますが、赤ちゃんの体調や機嫌によって、授乳サイクルは変化します。新生児期はおっぱいやミルクを上手に飲めないため、ママは授乳したつもりでも、実はあまり飲めていなかった…ということもあります。
特に母乳の場合は、1回の授乳で赤ちゃんがどのくらい飲めたかどうかが計りにくいですよね。一度に飲む量が少なかった場合、新生児は1~2時間おきの授乳になることも珍しくない、ということを認識しておきましょう。
おしっこ、うんちをして気持ち悪い
ただでさえ、おむつの中は湿気がこもりがちなうえに、おしっこやうんちをするとさらに湿気が増します。すると、新生児は不快になって泣き止まないことがあります。
特に赤ちゃんの肌はデリケートで、バリア機能も未熟なため、おむつかぶれがかゆくて泣き止まない可能性がありますよ。
うまく眠れない
新生児期の赤ちゃんは睡眠のサイクルが整っていないため、上手に眠れないことで泣き止まないことがあります。また、寝るときの姿勢が安定しなかったり、眠りが浅かったりすることで、なかなか泣き止まないことも珍しくありません。
赤ちゃんがぐずぐずと泣き続けながら、布団や抱っこしているママの胸などに顔をこすりつける動作をしはじめたら、眠い証拠です。
暑くて汗をかいている
新生児期の赤ちゃんは体温調節機能が未熟です。部屋の温度が高すぎて暑いと、汗ばんで不快感を抱き、泣き止まないことがあります。
お腹が張って気持ち悪い
新生児は、自分でげっぷやおならを上手に出すことができません。授乳後に毎回げっぷをさせているつもりでも、うまく出ていないことはよくあることです。腸の動きもまだ弱いので、ガスがお腹にたまって張ってしまい、気持ち悪くなって泣き止まないのかもしれません。
精神的な原因(不安・寂しい)
新生児期の赤ちゃんは精神的な原因で泣くこともあります。
赤ちゃんは10ヶ月間、暗くて静かなママのお腹の中でママの心音を聞きながら、羊水に包まれてゆらゆらと過ごしていました。そんな赤ちゃんが胎外に出ると、今までの環境との違いに戸惑ってしまい、不安に感じることがあります。
そのため、新生児はお腹が空いていなくても、おむつが汚れていなくても、不安や寂しさから泣き止まないことがあります。
抱っこしたら泣き止み、機嫌が良くなったり眠ったりする場合は、精神的な原因で泣いていると考えられます。
新生児が泣き止まないときの6つの対処法とは?
それでは、新生児が泣き止まないとき、具体的にどのような対処法をすればいいのでしょうか?
赤ちゃんの様子を観察してみて、前述のような原因が考えられる場合、それぞれに合った対処法を試してみましょう。
1. お腹が空いているとき
赤ちゃんが泣き止まないとき、唇に指を軽く当ててみると吸いついてきたり、おっぱいを飲んでいるようなもぐもぐとした口の動きをしたりする場合は授乳のサインです。
この状態で新生児が泣き止まないときは、まず声をかけてから抱っこし、おっぱいやミルクを飲ませてあげてくださいね。
2. おしっこ、うんちをして気持ち悪いとき
長時間使用できるタイプのおむつだからといっておむつが濡れたままの状態にしておくと、新生児のお尻は蒸れて、おむつかぶれの原因になってしまいます。
おむつは、「汚れたら替える」のが基本です。おむつにおしっこサインが出ているかこまめにチェックして、早めに交換してあげましょう。ただし、うんちの場合はおしっこサインが出ないこともあるので注意してください。
最初のうちは、泣く泣かないに関わらず、授乳のたびにおむつの状態を確認してもいいですね。
3. うまく眠れないとき
新生児が泣き止まない理由が、うまく眠れないことによるものだった場合、部屋を暗くする、ゆったりとした音楽をかける、抱っこをしながら優しくトントンするなどの対処をしてみましょう。新生児が安心して眠れる環境を整えてあげてくださいね。
4. 暑くて汗をかいているとき
暑くて汗をかいているために新生児が泣き止まない場合、すぐに着替えさせてあげましょう。赤ちゃんの服装は、基本的には大人と同じか、それよりも1枚薄着にするイメージでよいでしょう。
新生児の場合は、季節に合わせた肌着と、その上に着るウエアの2枚がベースです。夏の暑い日は1枚だけ、冬の寒い日はもう1枚肌着を追加する(短肌着+長肌着)など、工夫してあげてください。
ただし、これはあくまで目安なので、赤ちゃんの背中が少し汗ばんでいるようであれば薄手のものを着せたり、掛け布団で調節したりしてあげてくださいね。
新生児が快適に過ごせる室温は、夏は25~27度、冬は20~23度程度が目安だとされているので、状況に応じて調節しましょう。
5. お腹が張って気持ち悪いとき
新生児が、お腹が張って気持ち悪くて泣き止まない場合は、授乳前や入浴後に、赤ちゃんのお腹に「の」の字を書くようにマッサージをしたり、足首を握ってお腹にひざを引き寄せる要領で曲げ伸ばしをしてあげたりしましょう。
お腹に溜まったガスが出てスッキリすることがありますよ。
6. 不安、寂しいとき
新生児期の赤ちゃんが不安や寂しさを感じて泣き止まないときは、ママやパパが抱っこしてあげると、安心して泣き止むこともよくあります。すぐに抱っこできないときも、「ここにいるから大丈夫だよ」と優しく声を掛けてあげてくださいね。
おくるみでくるんで両腕を固定してあげると、胎内にいたときのような安心感を覚えて泣き止むこともありますよ。
新生児が泣き止まないのは病気の可能性もある?
上記のような方法を試しても新生児期の赤ちゃんが激しく泣き続け、泣き止まない場合には、何らかの体の異変を訴えている可能性があります。
そのような場合には、以下の症状が出ていないか赤ちゃんの様子を観察し、少しでも気になることがあれば小児科で診察してもらいましょう。
・ 38度以上の発熱
・ 咳で眠れない、横になれない
・ 鼻づまり
・ 嘔吐をくり返す
・ 顔色や唇の色がいつもと違う
・ ずっと機嫌が悪い
・ 泣きながら耳を触る
・ 血が混じったうんちが出る
・ 呼吸が早い
新生児が泣き止まないときは落ち着いて対処しよう
新生児にとっては、ママやパパが頼りです。「赤ちゃんは泣くという行為でしか自分の欲求を伝えられないもの」と認識して、赤ちゃんが泣き止まないときにも自分を責めずに、落ち着いて対処しましょう。ママやパパが落ち着いていると赤ちゃんも安心してくれますよ。
また、いつも一緒にいるパパやママだからこそ、「いつもと様子が違うな」とピンと来ることもあるかもしれません。赤ちゃんからの様々なサインを見逃さないように、普段からしっかりと様子を見ていてあげてくださいね。