出産後すぐに始まる新生児へのミルクや授乳。慣れない手つきでなんとか飲ませても、赤ちゃんのゲップがなかなか出ないと悩むママは多いようです。ゲップがいつまでも出ないと、赤ちゃんが苦しいのではないかと慌ててしてしまいますよね。そこで今回は、新生児の赤ちゃんにゲップをさせるコツや、いつまでゲップをさせる必要があるのか、出ないときの対処法などをまとめました。
なぜ新生児や赤ちゃんにゲップが必要なの?

赤ちゃんにゲップをさせる理由は、ミルクや母乳と一緒に飲み込んでしまった余計な空気を胃から出してあげるためです。
赤ちゃんはのどの構造が大人と異なり、特に新生児は基本的に鼻から息をしているので、息継ぎをしなくてもミルクや母乳を飲み続けることができます。しかし、同時に空気も一緒に飲み込んでしまい、うまく出すことができないのです。
ゲップが出ないと、空気と一緒にミルクや母乳を吐き出して、栄養が足りなくなったり、吐いたものが戻って、気道が詰まってしまったりする可能性もあります。
ゲップをさせることは赤ちゃんの身体にとってとても大切なことです。初めからうまくはできないので、少しずつ慣れていきましょう。
新生児・赤ちゃんにゲップをさせるコツは?

赤ちゃんにゲップをさせるといっても、特に新生児で初めてのことだと簡単ではありません。ここでは、赤ちゃんにゲップをさせるコツをご紹介します。慣れるまではパパの助けを借りたりしながら、自分に合った方法を見つけてくださいね。
縦抱きで背中をトントンする
赤ちゃんの頭を支えて胸、または肩まで抱き上げ、背中を優しくトントンと叩いてあげます。背中を強く叩くと赤ちゃんの負担になるので、軽く叩いてあげることが大切です。
背中を丸めて下から上にさする
赤ちゃんのお尻を腕に乗せて、背中を少し丸めるような体勢で縦抱きをします。ゆっくりと胃から首の後ろあたりまで、手のひら全体で下から上にさすってあげましょう。空気を上げるような気持ちで優しくさすってあげるのがポイント。
うつぶせ抱きで背中をトントンする
赤ちゃんを膝のうえに乗せて、赤ちゃんの前側に腕をまわし、うつぶせのようなかたちで抱っこします。このとき赤ちゃんの口と鼻がふさがらないように注意しながら、背中を優しくトントンと叩いてあげましょう。
新生児・赤ちゃんのゲップで注意することは?

新生児や赤ちゃんにゲップをさせるときに注意することは、ゲップが出ないからといって、強く叩いたり揺すったりしないこと。強く刺激すれば出るというものではなく、慣れてコツを掴むことが大切です。出ないときはいつもと違う角度からトントンしてみるなどの工夫をしてみましょう。
また、ゲップと一緒にミルクが出ることもあります。ママやパパの胸元や肩にタオルやガーゼを乗せて、その上に赤ちゃんを抱いてあげると良いですよ。
赤ちゃんにゲップをさせるのはいつまで?新生児期だけでいい?

赤ちゃんのゲップは新生児から必要で、止められるのは早くても生後3~4ヶ月頃。平均的な時期は生後5~6ヶ月頃です。
首がすわりだしたり、寝返りができるようなったりすると、空気を飲まずにミルクや母乳を飲む方法や、ゲップをするコツを体が覚え、自然と出てくるように。縦抱っこしても何も出てこないことが増えたら、ゲップをさせるのを止めても良いでしょう。
ゲップが出なくて苦しそうにしている場合や、不快な様子が見られる場合は、時期に関係なくゲップをさせてあげます。生後8ヶ月頃までゲップの補助が必要な赤ちゃんも少なくありませんよ。
新生児や赤ちゃんのゲップが出ないときの対処法は?

新生児や赤ちゃんのゲップが出ないこともよくあるので、無理やり出させようと強くトントンしたり、出るまでトントンし続けることはしないでくださいね。
うまく母乳やミルクを飲めて、空気が入っていないことがあります。また、知らぬ間に出ていることや、抱っこの体勢を変えた途端に、自然に出てくることも。苦しそうにしていなければ、一度様子を見てください。
様子を見るときは、体の右側を下にして、背中に丸めたバスタオルを挟んで寝かせてあげましょう。腸につながる胃の出口が右側にあるので、右側を下にして寝かすと消化がしやすくなります。余分な空気はおならで出てくることもあるので、いつもよりおならが出ていれば問題ないこともありますよ。
ゲップがうまくできるかどうかは、赤ちゃんの体質など個人差があります。寝ているときに母乳やミルクを吐いてしまった場合、のどに詰まってしまう恐れがあるので、顔と身体を横に向けて寝かせるのを忘れないでくださいね。また、背中の下にタオルや枕を当てておきましょう。
新生児がゲップする前に吐くときはどうすればいい?

新生児や赤ちゃんの胃は大人と違い、蓋がないとっくりのような形をしています。入り口を締める筋肉が十分に発達していないので、ちょっとした体の動きでも吐きやすくなっているのが特徴です。しかし、なかには病気などの可能性もあるので、以下の状況に注意してください。
飲み過ぎや急な体勢の変化が原因の場合
口から垂れるようにミルクを吐くときや、少し勢い良く吐いても、その後に不快な様子が見られず顔色が良い場合は様子をみましょう。飲み過ぎや体勢の変化で気持ち悪くなっていると考えられます。
ミルクや母乳をしっかり拭き取り、しばらく縦抱きにして落ち着かせてあげましょう。新生児の一ヶ月検診で体重が増えているのなら、しっかり飲めている証拠です。
病気の可能性がある場合
ミルクや母乳を噴水のように勢いよく吐くことが続く場合、「幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)」の可能性があります。
胃の出口(幽門)が狭くミルクが詰まってしまい、悪化すると血が混ざっていることや、胆汁が混ざって緑色っぽくなることがあります。顔色も悪く、体重もあまり増えません。いつもと違う様子が見られたら、病院を受診しましょう。
新生児や赤ちゃんのゲップは焦らず様子を見て対応しよう
新生児や赤ちゃんのゲップが出ないと、ミルクや母乳のたびにイライラしてしまうこともありますが、自分や赤ちゃんを責めずに、様子を見ながら対応しましょう。新生児のうちは難しいかもしれませんが、何度か繰り返していくうちに、ママやパパ、赤ちゃんもコツをつかんできます。
ゲップをあまりしないなど、赤ちゃんの体質や個性もわかってくるので、それまでは必要以上に焦らず、リラックスした気持ちで接してあげられるといいですね。