赤ちゃんが吐く!吐き戻しの原因や対処法は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

赤ちゃんが突然吐くと、ママやパパはびっくりしてしまいますよね。赤ちゃんの体は未発達で、吐くこと自体はあまり珍しくありません。しかし、吐いたものや吐くときの状態によっては、病気の可能性もあります。そこで今回は、赤ちゃんの嘔吐・吐き戻しの原因や対処法などについてご紹介します。

新生児・赤ちゃんが吐く原因は?病気との見分け方は?

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新生児から生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんが吐きやすい理由は、胃がフタのない「とっくり」のような形をしていて、入り口を締める筋肉が弱いからです。そのため、ちょっとしたことでも胃の中のものが逆流しやすく、ゲップと一緒に吐いたり、口から溢れるように吐いたりします。

赤ちゃんが「吐く」といっても、ミルクや母乳を飲んですぐに吐く「吐き戻し」はある程度自然なことですが、内臓に入った内容物を吐く「嘔吐」は病気の可能性があるので注意が必要です。

吐き戻しの場合

先述のように、月齢が低い赤ちゃんは胃が十分に発達していないことから、母乳やミルクの飲み過ぎると口元からタラリと垂れるように吐き戻したり、ゲップにつられて吐いたりすることは日常茶飯事。ゴボッと一気に吐いても、そのあと機嫌が良ければ問題はありません。

病気の場合

嘔吐物の色が緑色である場合は「小腸閉鎖症」などの腸閉塞の可能性があります。また、ミルクや母乳を飲んだ後に必ず嘔吐し、毎回噴水のように吐く場合は、「幽門狭窄症」の可能性もあります(※1)。この場合には早めに小児科を受診してください。

ぐったりとして意識が朦朧としている場合や、発熱がある場合、意識が悪い状態の場合、イチゴジャムの様な血便がある場合は、夜間でも救急に連絡してください。吐いたものが胃液の酸っぱい匂いをしていたときは要注意です。

赤ちゃんの母乳やミルクの吐き戻しはいつまで?

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赤ちゃんが母乳やミルクを吐き戻すのは、おおよそ生後3ヶ月頃までが一般的です。首がすわってくる時期を目安に落ち着いてくることが多いようです。なかには、生後6ヶ月や1歳くらいまで吐き戻す子もいますが、吐く量や回数は少しずつ減っていきますよ。

赤ちゃんが吐き戻しをしやすいと不安になることもありますが、徐々に少なくなっていくので焦らずに見守ってあげてくださいね。

赤ちゃんが吐く!下痢を伴うときの原因は?

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赤ちゃんが吐いたときに、下痢をともなっている場合は、急性胃腸炎の可能性があります。主に乳児にみられる「ロタウイルス」や、流行性の「ノロウイルス」が代表的です。

特徴

ロタウイルスの場合、白く濁った水様便が長引くのが特徴です。予防接種を受けていれば軽度で終わることもありますが、下痢・嘔吐が続き脱水などになる場合もあるので注意しましょう。ノロウイルスによる胃腸炎は、水のような下痢が出る傾向があります(※2)。

対処法

いずれも嘔吐と下痢が主な症状ですが、特効薬はなく、嘔吐や下痢でウイルスを出し切ることが有効です。

脱水症にならないように、吐いたあとは1時間様子をみて、スプーン1杯程度から、5~10分おきに少しずつ水分補給してあげてください。

吐いた直後に無理に母乳やミルクを飲ませると、また吐いてしまい、逆に赤ちゃんの体力を奪ってしまうこともあるので注意しましょう。

赤ちゃんが嘔吐しても熱がなければ問題ないの?

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ごくまれなケースですが、熱や風邪などの症状がなく吐いた場合、頭蓋内出血や脳腫瘍の可能性もあります。嘔吐が続く、目つきがおかしい、顔色が悪いなどの症状があれば早めに病院を受診しましょう。

頭を打っていなくても、意識障害がある場合や、吐いた後にひどくグッタリしているような場合も、早めに病院を受診してください。

頭を強く打った心当たりがなく、吐いた後も元気で、それ以降吐くことがなく、気になる点がなければ、少し様子をみましょう。

赤ちゃんは母乳やミルクを吐きやすいものなので、食欲もあって機嫌が良ければ、過度に心配しないでくださいね。

子供がなる「アセトン血性嘔吐症」とは?

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子供の嘔吐の状態で熱をともなわない病気のひとつに、「アセトン血性嘔吐症」と呼ばれる「自家中毒」があります。主に2~10歳くらいにみられる病気で、赤ちゃんがなることはほとんどありませんが、子供を持つ親として調べたことがあるママやパパは多いかもしれませんね。

アセトン血性嘔吐症は、少し酸っぱい口臭がして、顔色も悪く、何度も嘔吐を繰り返します。体をたくさん動かして疲れている場合や、ストレスがかかる、過度に緊張することがあった場合で、疲れて食事をとっていない時間が長く、体に糖が足りなくなったときに症状が出ることが多いものです。

栄養源として糖分より脂肪の分解が優位となり、血液が酸性寄りになることで、吐き気や腹痛などの症状が出るのが原因といわれてます。感染症や寝不足、ストレスから誘引されることもあります(※1)。

症状は良くなっても、すぐに治るわけではないので、今後思い当たる症状がみられた場合は、小児科に相談しましょう。

赤ちゃんが大量に吐く場合の対処法は?

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赤ちゃんが大量に吐いてしまった場合、以下のような対処をしましょう。

赤ちゃんが大量に吐いたときの対処

● 顔周りの汚れをガーゼで優しく拭き取る
● 上体を少し起こして寝かせる
● 水分は1時間後に一口ずつ、少量から飲ませる
● 吐いたものはできるだけ早く片づける
● 吐いたものを片づけるときは、感染を考慮してビニールの手袋・エプロンを着用する
● 吐いたものに触れたら石鹸でよく洗い、できれば除菌スプレーなどで除菌する

嘔吐が続いたときは、脱水症状になる恐れがあるので注意が必要です。母乳やミルクを飲まないときは、白湯や麦茶などを試してみてください。

嘔吐物がミルクそのままの色であればあまり心配はいりませんが、黄色や緑色だったり、噴水のように勢いよく吐いたりする場合は、症状が治まるまで無理に動かさず、落ち着いてから病院を受診しましょう。

赤ちゃんの吐き戻し対策は?

赤ちゃん ママ 母親 授乳中

赤ちゃんが母乳やミルクを吐くのはある程度仕方のないことですが、少しでも赤ちゃんの吐き戻しを減らしてあげたいですよね。ここでは、赤ちゃんの吐き戻し対策をご紹介します。

ゆっくり飲ませる

赤ちゃんの胃の内容量は少ないため、母乳やミルクを一度に大量に飲んだ場合に吐き戻しが起きやすくなります。

赤ちゃんに母乳やミルクを飲ませるときは、休憩を挟みながら時間をかけてゆっくり飲ませましょう。一口、数秒程度からはじめてください。

飲ませた後は縦抱きにする

赤ちゃんに母乳やミルクを飲ませたあとすぐには横に寝かせず、ゆっくりと赤ちゃんを縦抱きにしてあげましょう。

げっぷを出してあげる

赤ちゃんは、母乳やミルクと一緒に空気も吸っています。胃の中に空気が溜まると吐き戻しやすいので、母乳やミルクを飲ませたあとは、ほどよい力で背中をポンポンと叩いてげっぷを出してあげましょう。

このとき、げっぷが出ないからと焦って何度も背中を叩かないようにしてくださいね。

赤ちゃんがよく吐く場合は日頃の体重変化を把握しておこう

赤ちゃん 体重計 ベビースケール

赤ちゃんが吐くと、その後元気であっても不安になりますよね。そんなときのために、日頃の体重変化を把握しておくことも大切です。

赤ちゃんの体重の増加量は、0~3ヶ月が1日25~30g(1ヶ月に750~900g程度)、3~6ヶ月が15~20g(1ヶ月に450~600g程度)、6~12ヶ月が10~15g(一ヶ月に300~450g程度)が理想的とされています(※3)。

特に問題のない吐き戻しであれば、何度か吐いていても体重は増えていきますが、体重が増えていなかったり減少しているようであれば、表面では見えない心疾患などの病気が潜んでいる可能性もあるので、病院に相談してください。

特定の時間に体重を図る習慣をつけると、少しの変化に気づくきっかけにもなりますし、成長の把握にもつながります。体重と同時に、体調のチェックもしておくようにしましょう。

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