赤ちゃんのおならが臭い・多い!新生児もおならをするの?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

何をしていてもかわいい赤ちゃん。しかし、時々びっくりするほど臭いおならをして驚かされることもあります。ママやパパの中には、「赤ちゃんってこんなに臭いおならをするの?しかも回数が多い気がする…」と、気になってしまう人もいるでしょう。そこで今回は、赤ちゃんのおならについて、臭いとき、多いときの原因と対策、病院に行くべきかどうかについてご紹介します。

赤ちゃんはおならの回数が多い?新生児も?

カウンター

赤ちゃんも大人と同じようにおならをします。1日の回数でいえば、大人とそれほど変わらないくらいです。

新生児は大人と違って、食事中に体に入ってしまった空気を、げっぷなどで上手に外に出すことができません。そのため、体内に溜まったガスが肛門を通って、おならとなって体外に放出されます。

また、おならの成分の大部分は空気だとされていて、空気を体内に取り込む回数が多くなればなるほど、おならの回数は増えると考えられます。

赤ちゃんは最初の頃は授乳がうまくなく、空気も一緒に飲み込んでしまうことが多々あります。そのため、ママやパパからすると、大人よりもおならが多いと感じるようです。

さらに、大人はトイレで排便と同時にガスを排出することもありますが、赤ちゃんはトイレに行きません。そのせいで、赤ちゃんのおならを聞く回数が多いということも理由として挙げられます。

自分のおならにびっくりしている赤ちゃんを見ると、微笑ましくなりますよね。

赤ちゃんのおならは臭い?においは?

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新生児のころは、基本的にそれほどにおいの強いおならをしません。赤ちゃんが飲む母乳やミルクはとても消化がいいので、飲むたびにすぐうんちが出ます。母乳やミルクが腸に滞在する時間が少なく、発酵する前に外に出るため、おならもうんちもにおいが少ないのです。

うんちの回数が1日2~4回くらいに減り、胃や腸が成長してくると、早い赤ちゃんだと、生後2~3ヶ月頃から臭いおならをするようになります。臭いおならが出るようになるのは、成長の証です。離乳食が始まれば、もっとたくさん臭いおならが出てくるようになりますよ。

赤ちゃんのおならが臭い原因は?

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赤ちゃんのおならが、「いつもよりやたら臭い!」と感じる場合は、便秘が原因かもしれません。

母乳だけの赤ちゃんが便秘をする場合、ママの食事内容も関係してきます。ママが揚げ物やスイーツ、肉・魚などカロリーが高く消化が悪いものをたくさん食べると、母乳に影響が出て、赤ちゃんの消化が悪くなって便秘を引き起こすことも考えられます。

便秘になると、腸の中で便が発酵し、臭いの元となる物質を作り出すことがあります。そのため、便秘だと臭いおならが出やすくなるとされています。

赤ちゃんのおならが臭いときの対策は?

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赤ちゃんのおならがあまりに臭い場合、便秘の可能性があるので、ここ数日のうんちの頻度や赤ちゃんの様子などを確認しましょう。もし赤ちゃんが便秘だったとしたら、解消してあげましょう。丸1日うんちが出ていなかったら、綿棒でオイルマッサージをするのが効果的です。

大人サイズの綿棒にベビーオイルなどをたっぷりつけます。そして綿棒の先端から2cmくらいまでを目安に、赤ちゃんの肛門へ入れます。綿棒の綿の部分が全部隠れるくらいが適度です。あとは、そのまま2~3周ほどくるくる回し、お腹を軽くマッサージしてあげます。

この方法なら、赤ちゃんへ負担をかけることなく、おならとともにうんちが出て来ることが多いです。それほど強い刺激ではないので、早め早めに出してあげましょうね。

それでもうんちが出ないのに加えて、お腹の張りが強い、母乳の飲みが悪いといったときは、小児科を受診しましょう。

また、完全母乳の生後2~3ヶ月の赤ちゃんがあまりにも臭いおならをする場合は、ママが前日や前々日に食べたものを思い返してみてください。脂っこいものを食べ過ぎてはいませんか?

授乳中の食事では、栄養バランスに気をつけて、野菜・海藻類をたっぷり食べましょう。和食メインの食生活にするのがおすすめですよ。

赤ちゃんのおならを理由に病院に行ってもいい?症状の目安は?

聴診器 診察

赤ちゃんのおならが臭かったり、回数が多かったりするくらいで病院に行く必要はありませんが、気をつけておくべきケースもあります。たとえば、長期間の便秘になっている、おなかがいつも張っている、げっぷが出にくい、母乳・ミルクを吐く、1日中おならをしている場合などです。

特に新生児が気をつけたい病気に、胃軸捻転があります(※1)。胃軸捻転とは、胃の上部がねじれて食道が圧迫された状態になり、げっぷが出せない、お腹が張る、ミルクを吐く、腹痛を示す、といった症状が現れる病気です。

重症化すると胃が壊死したり、穴が開いてショック症状を示したりすることもあります。

ただし、ほとんどの場合は重症化することはなく、ミルクをちゃんと飲めて体重が増えていれば心配はいりませんよ。1歳くらいになると胃が固定されて、自然に治るとされています。

胃軸捻転の赤ちゃんは、上向きに寝かせると苦しくて機嫌が悪くなることが多いようです。また、1日中おならが止まらなくなり、さらに、げっぷを出そうとして母乳・ミルクを吐くこともあります。疑わしい症状がみられるようなら小児科を受診しましょう。

赤ちゃんのおならを日々チェックしてみよう

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赤ちゃんがおならを出すのは自然なことなので、それ自体は心配ありません。赤ちゃんが機嫌よく、おっぱいやミルクをよく飲んでいるようならそのまま様子を見ましょう。

おならやうんちの状態を日頃から把握していれば、ぐずりの原因がわかったり、病気の早期発見にもつながったりするかもしれません。おならは、まだ話すことができない赤ちゃんからの大切なメッセージと考えましょう。

日々、おならをチェックしていけるようになるといいですね。

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