妊娠を希望している夫婦にとって、妊娠したかどうか早く知りたいですよね。受精卵が着床して妊娠すると、妊娠超初期症状として女性の体には様々な変化が起こります。そこで今回は、妊娠したことに早く気づけるように、妊娠に向けた受精から着床までの時期に、どんな症状が現れるのかをご説明します。
着床とは?
「着床」とは、卵子と精子が受精し、受精卵となった状態で子宮内膜にしっかり根を張った状態を指します。
卵子と精子が受精した瞬間を妊娠と勘違いしている人も多いのですが、実際には受精卵が着床してはじめて妊娠が成立します。
ただし、産婦人科では、胎嚢や心拍が確認できるようになって初めて「妊娠」の確定診断をするので、それは着床から2~4週間ほど先になります。
また、妊娠週数を数えるときは、最後の生理が始まった日を「妊娠0週0日目」として考えます。一般的には、生理期間が終わった頃が妊娠1週になり、妊娠2週に入るタイミングで排卵・受精が起こり、妊娠3週に着床が起こる、という計算になります。
妊娠が成立していない段階も妊娠期間として数えられることを覚えておいてくださいね。
着床の時期は?受精から着床までの流れは?
受精卵は4~6日かけて細胞分裂を繰り返し、卵管から子宮内へと移動します。
そして、受精卵が発生して6~7日頃から着床を始め、子宮内膜にくっついて埋もれていき、5日間ほどで着床を完了します(※1)。
こうした受精から着床までの流れを踏まえると、排卵日の前後に性交渉を行った場合、それから約12日経った頃が着床の完了時期といえますね。
着床後に妊娠初期症状が現れる?受精後に体調変化は?
一般的に、着床することで体内のホルモンバランスが変化するため、着床後に妊娠初期症状が現れ始める人もいます。
なお、受精した段階では大きくホルモンバランスが変わらないので、妊娠3週より前に体調変化が起きることはありません。
妊娠超初期は、まだ妊娠検査薬が反応しない時期なので、少しでも妊娠のサインが現れるならキャッチしたいですよね。次の章で、一つひとつ見ていきましょう。
着床時期に見られる症状とは?
個人差はありますが、着床後には以下のような症状が現れることがあります。
症状1. 少量の出血(着床出血)
着床後に「着床出血」が見られることがあります。これは、受精卵が子宮内膜にもぐりこんで着床するときに子宮内膜を少し傷つけることで起こると考えられています。
出血量はわずかで、おりものに混じって出てくるので、少し茶色っぽいおりものになるのが特徴です。
ほとんどの場合、着床出血は1日程度でおさまりますが、ときには数日以上続くこともあるので生理と区別がつきにくいこともあります。
生理予定日よりも少し早いタイミングで出血が見られるようなら、着床出血の可能性もあるかもしれません。
症状2. 下腹部の痛み(着床痛)
医学的な根拠ははっきりしていませんが、受精卵が子宮内膜に着床するときに下腹部に痛みを感じる、という人もいます。これを「着床痛」といいます。
着床痛を感じる場所には個人差があり、下腹部だけでなく足の付け根やお腹全体、片方の卵巣のあたりに、チクチクするような痛みを感じることもあるようです。
ただし、着床痛を感じない人のほうが多いので、痛みを感じないからといって「妊娠していないのでは」と心配しすぎないでくださいね。
症状3. おりものの変化
着床の前後で、「おりものが増えた」「サラサラした状態になった」といった変化を感じる人もいます。
理由として、着床によって女性ホルモンの「プロゲステロン(黄体ホルモン)」や「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌量が増えることが関係していると考えられますが、おりものの変化についても個人差があります。
症状4. 風邪のような症状
着床後の妊娠初期症状として、風邪のような症状が現れることもあります。これは妊娠することで基礎体温が下がらず、高温期が続くことで、体が熱っぽくなることが原因です。
熱っぽさに加えて、だるさや眠気、鼻水、寒気なども現れてくることもあり、風邪のように体調が優れないと感じる人もいるかもしれません。
妊娠していないと、生理がくる前に基礎体温が下がりますが、高温期が17日間以上続くようなら妊娠している可能性が高いですよ(※2)。
症状5. 胸の張り・チクチクする痛み
妊娠するとホルモンバランスが変化し、出産後の授乳に備えて少しずつ乳管が増殖していきます(※1)。
人によっては、着床直後から胸の張りやチクチクする痛みを感じることがあります。
症状6. 吐き気や好みの変化(つわり)
着床時期の妊娠初期症状でも「つわり」に似た変化を感じることがあります。
胃がムカムカして吐き気をもよおしたり、今まで好きだった食べ物が苦手になったり、嫌いだった食べ物を好きになったり…と、その変化は様々です。
また、匂いにも敏感になり、何か特定の匂いをかぐと気持ち悪くなる、という人もいます。
症状7. 精神的に不安定になる
着床後の症状では、ホルモンバランスが変わることで精神的な変化も見られることもあります。
人によっては、着床前からイライラしたり、わけもなく憂うつになったりといった症状が現れます。
ただし、妊娠していなくても生理前は精神的に不安定になりやすいので、妊娠初期症状なのかどうか見分けにくいのも事実です。他の妊娠初期症状が現れていないか、あわせてチェックしてみましょう。
着床後、いつ妊娠検査薬を使うといいの?
「妊娠初期症状かも?」と思われる体調の変化があったとしても、それだけでは着床が成立しているかどうか判断できません。
産婦人科を受診する前に、生理開始予定日から1週間を過ぎた頃に妊娠検査薬を使ってみましょう。それより早い時期に検査薬を使ったとしても、正しい反応が出ない可能性もあるので、注意してくださいね。
生理開始予定日の数日前から使うこともできる、と謳われている「早期妊娠検査薬」も販売されていますが、精度はまちまちなので、参考程度に使うようにしましょう。
着床後の症状はあくまでも参考に
着床後に感じる体調の変化は個人差が大きいもので、まったく何も感じない人もいます。妊娠初期症状は参考程度に考え、着床時期に何も症状が現れなかったとしても心配しすぎないでくださいね。
生理が遅れていて妊娠の心当たりがあるときには、妊娠検査薬を使って調べるようにしましょう。妊娠検査薬で陽性反応が出たら、すぐに産婦人科を受診し、妊娠の確定診断をしてもらいましょう。