妊娠3週目!赤ちゃんの成長や妊婦さんの症状、生活の注意点は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠3週目は受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立する時期です。着床後は体内のホルモンバランスが急速に変化し、早い人では妊娠兆候が現れるかもしれませんよ。

今回は、妊娠3週目の妊婦さんの体と赤ちゃんの状態についてご説明します。

妊娠3週目の妊婦さんの状態は?基礎体温は?

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妊娠3週目は生理が終わって2週間ほどが経過した頃です。排卵日に受精が成立していれば、受精卵は妊娠3週目に子宮内膜へと潜り込んでいきます(※1)。

受精卵が子宮内膜に埋もれて着床することでようやく妊娠が成立するので、妊娠3週目は妊娠が成立するかどうかが決まる大切な時期といえます。

基礎体温は、妊娠2週目に起こる排卵の前後から高温期に入っており、妊娠3週目も高温期が続いています。

妊娠していなければこのあと低温期に戻りますが、妊娠しているとこのまま高温期が続きます。

妊娠3週目が終わったあとに高温期が継続するかどうかも、妊娠の判断基準のひとつになりますよ。

妊娠3週目に妊娠初期症状は起こるの?

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受精卵は着床した子宮内膜に、「絨毛(じゅうもう)」と呼ばれる組織を根のように張り巡らせ、その外側にできる細胞から妊娠を維持するための「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」と呼ばれるホルモンが分泌されます。

hCGが分泌され始めると体内のホルモンバランスが急激に変化して、早い人では妊娠3週目頃から次のような妊娠初期症状が現れます。

妊娠初期症状の例

● 微量の出血
● 胸が張る、痛くなる
● 体がだるい、眠い
● 腰が痛くなる
● おりものの量や質が変化する
● 腹痛、下腹部痛が現れる
● 頭痛がする
● 胃が痛くなる
● 気持ちが悪くなる、吐き気がする
● 頻尿、便秘、下痢になる
● 味覚、嗅覚が変わる
● 基礎体温が高い状態が続く
● 肌が荒れる
● 涙もろくなる

この中でも、特に妊娠3週目に起こりやすい妊娠超初期症状として、特徴的なものに「着床出血」と「着床痛」があります。

着床出血

着床出血は微量の出血のことで、受精卵が子宮内膜に潜りこむ際に子宮壁を傷つけることで起こります。

おりもののような質感で、薄い茶色や薄いピンク色をしており、生理に比べると出血量が少なく、ほとんどが数日以内に終わります。

着床痛

着床痛は受精卵が着床するタイミングに起こる痛みのことです。

妊娠3週目の着床時期に腹痛があったという体験談をよく聞きますが、着床痛は医学的に証明されておらず、排卵によって生じる痛みの「排卵痛」と勘違いしているのではないかという説もあります。

ただし、「着床出血」や「着床痛」には個人差があり、全く起こらない人もいるので、起きていないから妊娠していないかも…と心配することはありませんよ。

妊娠3週目で妊娠検査薬は反応するの?

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妊娠3週目で着床が起こるなら、「妊娠検査薬で妊娠判定ができるのでは?」と思う人がいるかもしれません。しかし、この段階ではまだ、妊娠検査薬での妊娠判定はできません。

市販の妊娠検査薬は、受精卵が着床してから分泌されるhCGに反応します。

hCGが尿で検出できるようになるのは妊娠4週目頃です(※1)。妊娠3週目の時点では、まだ十分にhCGホルモンが分泌されていないため、正しい結果は判定できません。

また、hCGは妊娠4週目頃から尿中に検出できるようになりますが、一般的な妊娠検査薬で正確に妊娠判定ができるのは、生理予定日の約1週間後、つまり妊娠5週目以降です。正確な判定のために、妊娠5週目に入るのを待ちましょう。

妊娠3週目の赤ちゃんの状態は?

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妊娠3週目では、まだ赤ちゃんの姿を見ることはできません。赤ちゃんの元になる細胞は「胚」と呼ばれる状態で、子宮内膜の中にあります。細胞の大きさも非常に小さく、まだ超音波検査などでも確認できません。

しばらくの間は子宮内膜のなかで成長を続けますが、妊娠5週目頃になると「胎芽」と呼ばれるようになり、はっきりした形を見せてくれるようになります。そこからは10ヶ月ほどかけて、どんどん成長していきますよ。

妊娠3週目の生活の注意点や気をつけることは?

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妊娠3週目は着床が起こる大事な時期ですが、普段どおりの生活を続けても、妊娠に影響を及ぼすことはほとんどありません。

ただし、あまり無理をしすぎず、規則正しい生活を心がけましょう。

また、妊娠中に飲酒や喫煙を行うと、子宮内の血行不良を引き起こして、流産や早産などにつながる可能性があります。

喫煙していると、低出生体重児となる頻度が約2倍、自然流産の発生率が約2倍、早産率は約1.5倍になります(※2)。

自分自身の喫煙だけでなく、受動喫煙でも悪影響があるため、少しでも妊娠している可能性がある人は、早い段階から禁煙を心がけ、パートナーにも配慮してもらいましょう。

また飲酒をしていると、赤ちゃんが知能障害や発育障害を伴う「胎児性アルコール症候群」にかかる可能性があります。妊娠を望んでいる人は、お酒を控えるようにしましょう。

妊娠3週目はこれから始まる妊娠の準備期間!

妊娠3週目は、赤ちゃんの細胞がママの体と結びつき、お腹の中で育つ準備を始めています。妊娠を意識するようになったら、体調や健康管理を心がけていきましょう。

また、これからどのような変化が自分の体に起こるのか、少しずつ確認しておくと安心です。特に初めての妊娠は戸惑うことも多いので、知識を身につけておくことで安心して過ごせるようになりますよ。

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