妊活中の人は、生理前にいつもと違う体調の変化を感じると「もしかして妊娠!?」とうれしくなりますよね。妊娠超初期症状は、「体がだるい」「頭痛や吐き気がする」などさまざまですが、腹痛もその一つです。今回は、生理前の腹痛が妊娠超初期症状かどうか見分けるポイントや、子宮や下腹部などに痛みがあったときの対処法などをご説明します。
生理前の腹痛の原因は?妊娠超初期症状との違いは?
生理前にある腹痛の原因
生理予定日の3~10日前にチクチクとしたお腹の痛みがある場合、「月経前症候群(PMS)」と考えられます。PMSの症状として、腹痛以外に胸の張りや片頭痛、イライラなどがある人も。
PMSには黄体ホルモン(プロゲステロン)が関係しているといわれており、ホルモンバランスの乱れなども含めたさまざまな原因が考えられていますが、まだはっきりとした原因はわかっていません(※1)。
妊娠超初期症状の腹痛の原因
妊娠超初期に見られる腹痛の原因として、ホルモンバランスの変化が考えられます。
妊娠が成立すると、「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンの分泌が始まったり、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増えたりと、妊娠前とはホルモンバランスが大きく変わります。
特にプロゲステロンには、胃腸の筋肉をゆるめる作用があるため、便秘になりやすくなることで腹痛を起こすことがあります(※2)。
また、医学的な裏付けはありませんが、受精卵が着床したときに生じる「着床痛」を感じた、という人もいます。
生理1週間前の腹痛は妊娠超初期症状?
妊娠が成立して間もない時期の腹痛であれば、生理予定日の1週間くらい前から感じる人もいます。基礎体温をつけている人であれば、高温期に入ってから1週間後あたりです。
痛みの感じ方には個人差があり、子宮あたりにチクチクする痛みを感じる人もいれば、お腹全体に鈍痛を感じる人もいます。
先述の「着床痛」は、受精卵が子宮内膜に着床したときに起きるものと考えられています。着床が完了するのは生理予定日のだいたい1週間前なので、この時期にある下腹部の痛みを着床痛と捉える人もいます。
また、着床痛のあとに「着床出血」と思われる不正出血があったという人もいますが、着床出血も妊娠超初期症状の一つです。
生理前の腹痛と妊娠超初期の腹痛は痛みが似ている?
妊娠超初期に起こる腹痛の症状や程度は、人によって異なりますが、主に以下のような特徴があります。
● 子宮のあたりにチクチクとした痛みや鈍痛がある
● 下腹部がきゅっと引っ張られるような痛みがある
● 子宮のあたりにむずむずとした違和感がある
● 恥骨あたりがズキズキと痛い
症状を感じる期間も個人差が大きく、1日中痛みを感じる人もいれば、痛みが断続的に起こる人もいます。
生理前の腹痛によく似ているので、痛みの症状だけでは妊娠超初期症状の腹痛かどうかはわからないことも多いようです。
生理前の腹痛と妊娠超初期の腹痛を見分けるポイントは?
生理前に起こるPMSの痛みなのか、それとも妊娠超初期症状の腹痛なのか、時期や痛みの感じ方だけでは見分けるのは難しいもの。
腹痛以外に「体がだるい」「吐き気がする」「胸が張る」「おりものの量や状態がいつもと違う」といった状態が見られる場合、妊娠兆候かもしれません。
また、「生理予定日を過ぎても基礎体温が高い」というのも、妊娠初期症状の一つ。ただし、それらの兆候だけでは判断することは難しいので、妊娠検査薬で確かめてみてくださいね。
生理前の腹痛が妊娠超初期症状であれば、薬には注意!
腹痛をやわらげるために薬を飲む習慣がある人もいるかもしれませんが、妊娠している可能性がある場合は、自己判断で市販薬に頼らない方が良いでしょう。
日本産科婦人科学会の産科ガイドラインによると、受精から2週間(妊娠3週末)までは、ごく少数の薬を除いて、服用してもお腹の赤ちゃんに奇形などの悪影響はないとされています(※3)。
しかし、妊娠4週以降になると赤ちゃんの器官形成などに影響を与える恐れがあるため、慎重に判断する必要があります。
基本的に、着床前の段階であれば薬による影響はないと考えられますが、生理周期がずれていたり、生理予定日を勘違いしていたりする可能性もあるので、自己判断で薬を服用しないようにしましょう。
どうしても腹痛がつらいときは、医師や薬剤師に確認のうえ、妊娠中でも比較的安全に飲める薬を使うと安心です。
妊娠中は、普段の薬を飲めない、喫煙・飲酒ができないなど、日常生活での制限が増えるので、妊活中の人はそれに慣れる第一歩として考えてみてくださいね。
生理前の腹痛が妊娠超初期症状かも…薬以外の対処法は?
生理前の腹痛が妊娠超初期症状である可能性がある場合、薬以外に試したい対処法をご紹介します。
冷えを防ぐ
痛みを少しでもやわらげるために、足湯や入浴をする、腹巻きなどでお腹を温める、温かい飲み物や食べ物を摂取するなどの方法で冷えを防ぐのがおすすめです。
便秘を解消する
生理前も妊娠後も便秘になりやすくなるので、納豆や海藻類、根菜類などからバランス良く食物繊維を摂りましょう(※4)。また、こまめな水分補給も忘れずに。
お腹に負荷をかけない
腹痛の悪化を避けるために、お腹に力が入るような姿勢・行動はできるだけ避けましょう。
具体的には、長時間での立ち仕事を控える、重い荷物を持たない、長時間の自転車・車の運転は控える方が、お腹に負荷がかからず体が楽になります。また、ヒールの高い靴を履くとお腹に力が入ってしまうため、スニーカーなど平らな靴を履く方が良いですよ。
生理前の腹痛は妊娠超初期症状の可能性も
普段からPMSがある人は、「いつもの腹痛だ」と思うかもしれませんが、もしかすると生理前のお腹の痛みは妊娠超初期症状かもしれません。症状に大きな違いがないのですぐに見分けるのは難しいですが、基礎体温やおりもの、その他の体調の変化が見られる場合、妊娠している可能性を考えて薬の服用は避ける方が安心です。
妊娠を待ち望んでいる人は、早く確かめたいと気が焦るかもしれませんが、ゆったりとした気持ちで落ち着いて経過を見ましょう。生理予定日から1週間を過ぎたら、妊娠検査薬を使って確かめることができます。もし陽性反応が出たら、産婦人科を受診してくださいね。