微弱陣痛とは?原因や対処法は?前駆陣痛との違いは?

記事監修 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 続きを読む

臨月に入り、出産予定日が近くなってくると、赤ちゃんに会えるワクワク感が高まる一方、何事もなく出産できるか心配になることもありますよね。スムーズな分娩のためには、適度な強さの陣痛が必要ですが、「微弱陣痛」になるとお産がうまく進まないことも。今回は、微弱陣痛の原因や対処法、予防法などをご説明します。

そもそも陣痛とは?

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出産が近づくと、赤ちゃんを押し出すために子宮収縮が起こります。予行練習のような形で、妊娠36週ころから感じる不規則な痛みを「前駆陣痛」、分娩が近づくにつれて規則的で徐々に強くなる痛みを「分娩陣痛(本陣痛)」といいます。一般的に「陣痛」と呼ばれるのは、分娩陣痛のことです。

病院によっても異なりますが、目安として陣痛の間隔が10〜15分程度になった頃に病院へ移動します。

陣痛は、強すぎず弱すぎず、適度な痛みであることがお産にとって大切ですが、陣痛に異常があるケースもあり、適切に対応する必要があります。

微弱陣痛とは?

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微弱陣痛とは、「陣痛は始まったものの、分娩が進まない」という陣痛異常の一つで、次の3つの条件のうち1つでも当てはまれば「微弱陣痛」と診断されます(※1,2)。

● 子宮内圧が低い(子宮収縮の強さが不足)
● 陣痛の間隔が長い
● 陣痛の続く時間が短い

微弱陣痛ではなかなかお産が進まないので、妊婦さんが疲れてしまったり、赤ちゃんの健康状態が悪くなったりすることもあります。

ただし、陣痛が始まったばかりのときの「微弱陣痛」は、いわばお産に向けた準備体操のようなもの。「陣痛が弱すぎるのでは?」と心配しすぎず、痛みが強くなり、間隔が短くなるまで落ち着いて待ちましょう。

微弱陣痛の原因は?

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微弱陣痛が起きる原因として、主に次のものが挙げられます。

ただし、陣痛のメカニズムについてはまだ解明されていない部分も多く、原因不明のことも多くあります(※1~3)。

母体側の原因

● 子宮筋腫や子宮奇形などがある
● 多胎妊娠(双子など)や羊水過多などで、子宮筋が伸びすぎている
● 過去の帝王切開により、子宮筋が薄くなっている
● 産道の伸びが良くない(軟産道強靭)
● 長引くお産により、体力が低下している
● 分娩に対する恐怖や不安が強すぎる

胎児側の原因

● 巨大児、または水頭症である
● 妊婦の骨盤に対して、頭が大きい(児頭骨盤不均衡)
● 逆子などの胎位異常がある

微弱陣痛には種類があるの?

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微弱陣痛は、陣痛が弱まった時期によって「原発性微弱陣痛」と「続発性微弱陣痛」の2種類に分けられます。

原発性微弱陣痛

原発性微弱陣痛とは、お産の最初から陣痛が弱く、分娩が進んでいないか、時間が長くかかっているケースを指します。

続発性微弱陣痛

続発性微弱陣痛とは、お産が始まった当初は陣痛が正常で、分娩が進んでいたものの、途中で陣痛が弱まってしまったものを指します。

微弱陣痛は、前駆陣痛とどう違う?

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本陣痛が来る前に起きる前駆陣痛と勘違いしないように、その違いを知っておくことは大切ですが、時期だけで判別することは難しいものです。

特徴的な違いを挙げると、前駆陣痛は痛みの強さや長さ、間隔がバラバラです。一方、間隔がある程度一定なのに痛みが弱い場合、微弱陣痛の可能性があります。

ただし、自分で判断できず迷ったときは、かかりつけの産婦人科に電話して相談しましょう。

前駆陣痛

前駆陣痛は、赤ちゃんの通り道を柔らかくしておくための痛みです。

● 痛みの間隔が不規則
● 痛みの強さ・長さが不安定
● 痛みがあまりなく、圧迫感や張りだけの場合もある
● 安静にしたり、姿勢を変えるとおさまる

本陣痛(分娩陣痛)

本陣痛の段階になると、子宮口が広がり、子宮が強く収縮するため激しい痛みをともないます。

● 痛みが規則的で、どんどん間隔が短くなる
● 痛みもお腹の張りも強くなる
● 姿勢を変えても痛みは変わらない

微弱陣痛の対処法は?

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陣痛が弱すぎてお産が長引くと、ママだけでなく赤ちゃんにも負担がかかることもあります。そのため、微弱陣痛が疑われるときには、赤ちゃんの心音も時々確認しながら対処していきます。

基本的な対処法として、ママが脱水症状にならないよう、水分をしっかり摂りながら体力を回復させます。脱水状態になると血栓症などを引き起こす恐れがあるので、水分補給が大切です(※4)。

陣痛の痛みによって、なかなか飲み物が摂れないこともあると思いますが、ストローマグなどを用意しておくと、少量ずつお茶などを飲むことができるのでおすすめです。

また、途中で子宮口があまり開かなくなってきたとき、その原因が微弱陣痛である場合は、子宮収縮剤(陣痛促進剤)を投与することがあります。

赤ちゃんの心音が弱まってきたり、なかなか子宮内で下りてこなかったりするときは、分娩をなるべく早く終わらせるために吸引分娩や鉗子分娩を行うこともあります。また、一刻を争う場合には緊急帝王切開に切り替えることがあります。

微弱陣痛を予防する方法はある?

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臨月に入ると、お腹が大きくなってくるので、どうしても運動量は減ってしまいがちです。しかし、出産は体力勝負です。妊婦さんが疲れてくると、陣痛も弱まってしまいやすいので、普段からウォーキングなどで体を動かし、体力をつけておきましょう。

いざ陣痛が来ても痛みが強くならない、間隔が短くならないなど、分娩前に微弱陣痛であることがわかったときは、無理のない範囲で体を動かしてみてください。階段をゆっくり上り下りしたり、スクワットをしたり、ウォーキングをするのもいいですね。

また、前述のとおり、お産に対する過度な不安も、微弱陣痛の一因と考えられているので、「緊張しているな」と自分で感じたら、足湯で体を温めるなどしてリラックスを心がけましょう。

微弱陣痛でも焦らず出産に臨みましょう

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「陣痛はどのくらい痛いのだろう」「微弱陣痛になってしまったらどうしよう」など、出産前の不安は尽きないものです。

しかし、あまり緊張しすぎず、リラックスしておくことがスムーズなお産につながります。不安があれば、医師や助産師とも相談しながらお産に向き合っていきましょう。

大きなお腹を抱えて過ごすのも、あとわずか。赤ちゃんと会えるのを楽しみに、落ち着いて残りのマタニティライフを楽しんでくださいね。

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