臨月に体がだるい…どう対処すればいいの?熱っぽい理由は?

監修専門家 看護師・助産師 岡 美雪
岡 美雪 看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。日... 監修記事一覧へ

「もうすぐ赤ちゃんに会える!」と幸せいっぱいだけど、出産が少し不安な臨月。この時期になると、多くの妊婦さんがだるさや熱っぽさを感じます。いったい妊婦さんの体に、どんな変化が起きているのでしょうか?今回は、臨月に感じる体のだるさと熱っぽさについて、原因や対処法をご説明します。

臨月に体がだるい・熱っぽいのはなぜ?

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臨月に入ると、妊娠初期のようなだるさ、熱っぽさを感じる妊婦さんがいますが、主な原因は次に挙げるような臨月の母体の変化にあります。

疲れやすくなっている

臨月に入っても、胎児はまだまだ大きく成長し、妊婦さんのお腹は大きくなっていきます。それに伴って心臓や肺への負担が増し、体が疲れやすい状態になるのです。

疲れがたまると、だるさや熱っぽさを感じることが多くなります。少し動いただけで動悸や息苦しさを感じる妊婦さんも多くいます。

睡眠不足になりがち

妊娠後期にさしかかると、赤ちゃんの成長につれてお腹が大きくなり、うつ伏せはもちろん、仰向けでも寝苦しくなります。寝返りがうまく打てなくなるため、なかなか熟睡できないこともあります。

また、臨月は睡眠を抑制するエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増える時期でもあります。エストロゲンが多く分泌されると、夜の寝つきが悪くなります。

このような原因で睡眠不足になると、日中に眠気に襲われるようになり、だるさや熱っぽさを感じることが増えます。

貧血気味になっている

妊娠週数が進むにつれて、妊婦さんの体内では血液量が増えていきます。しかし、血液中の液体成分である血漿に比べて、赤血球があまり増えないため、血液が薄まった状態になり、妊婦さんは貧血になりやすくなります(※1)。

臨月にだるさや熱っぽさを感じるのは、貧血による症状の可能性もあります。

臨月に体がだるいときの対処法は?

妊婦 食事

体がずっとだるいと、思うように動くことができずつらいですよね。妊娠に伴う生理的な症状なので、出産後には解消することが多いですが、できればすぐに改善したいところです。

臨月のだるさに悩まされているときは、以下の方法を試してみてください。

適度に体を動かす

臨月に体がだるいときは、座った状態でもいいので、ゆっくりストレッチをするのが効果的です。軽く体を動かすことで血行が良くなり、だるさが解消されることもあります。体が疲れると、眠りも深くなりますよ。

特に、股関節まわりの筋肉をやわらかくしておくと、子宮口が開きやすくなり、安産につながる効果もあります。

また、体調が良いときにおすすめなのが、散歩やスクワットです。特にスクワットは、自宅で気軽にできるので、家事の合間や寝る前などにやってみてくださいね。

ただし、めまいが起きたり、余計にだるくなったりしたときは無理せず、横になって休みましょう。

栄養バランスのとれた食事をする

ビタミンやミネラル、たんぱく質など、体に必要な栄養素が不足してしまうと、だるさを感じやすくなります。特に、ビタミンB6やB12、葉酸が不足すると、貧血の原因になります(※2)。

快適な妊娠生活を送るために、様々な食品や栄養素をバランスよく摂るよう心がけてくださいね。

だるさや熱っぽさがあると、なかなか箸が進まないかもしれませんが、食べられるときに栄養のあるものを食べて、出産に向けた体力をつけていきましょう。

安眠できる生活習慣作り

臨月のだるさ対策には、質の良い睡眠をとることも効果的です。夜、いつもはまだ起きている時間でも、眠たくなったら我慢せずに、部屋を暗くして布団に入りましょう。

寝る前の1時間は、携帯やパソコン、テレビを見ずに気持ちを落ち着けて、安眠できる環境を作るように心がけたいですね。

日中にあまりにもだるく、昼寝したいと思うこともあるかもしれませんが、昼寝の時間が長すぎると、夜に寝つけなくなり、疲れが取れないという悪循環に陥ることも。日中の昼寝は長くても30分ほどにして、適度に休むようにしましょう。

臨月にだるいのは病気のサインかも?

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臨月にだるくなったり、熱っぽくなったりするのは、よくあることです。ただし、場合によっては何らかの病気が原因のこともあるので、注意が必要です。

たとえば、だるさに加え、頭痛や手足のむくみがある場合、「妊娠高血圧症候群」の症状である可能性があります(※3)。お腹の赤ちゃんの発育に関わる恐れもあるので、気になる症状があればすぐにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。

また、熱っぽいときに、咳やのどの痛み、鼻づまりがあったら、風邪を引いているのかもしれません。そのときは、自己判断で市販の風邪薬を飲んだりせず、かかりつけの医師に相談してください。

妊娠中は自分ひとりの体ではないので、体に少しでも異変を感じたら、早め早めの対処をとることが肝心ですよ。

臨月に体がだるいのは出産が近い証

臨月に入った妊婦さんは、「とにかく疲れる…」と感じる人が多いようです。いつもの階段を上り下りするだけで息が切れたり、キッチンに立って料理を作っているだけで足がだるくなったり、真夜中に何度も目が覚めたりと、少しつらい時期かもしれませんね。

ただし、臨月に起こる体の不調は、ほとんどの場合、妊娠にともなう生理的なものです。体がだるいのは可愛い赤ちゃんにもうすぐ会える証だと前向きに考えて、あまり無理をせず、リラックスして過ごすようにしましょう。

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