お迎え棒とは?臨月の性行為は大丈夫?陣痛を促す効果があるの?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

「お迎え棒」という言葉をご存知ですか?臨月に性行為をすると陣痛が促されるというジンクスです。しかし、そもそも妊娠後期や臨月に性行為をしても大丈夫なのでしょうか?臨月に性行為をしてトラブルが起きてしまったらと不安にもなりますよね。そこで今回は、お迎え棒について、そもそも妊娠後期や臨月に性行為をしてもいいのか、本当に陣痛につながるのか、胎児への影響はないのかなど、気になるポイントをご紹介します。

そもそも妊娠中に性行為はできるの?妊娠後期や臨月は?

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妊娠の経過が順調で、お腹の張りや痛み、出血、切迫流産・早産などの兆候がなければ、妊娠中に性行為をしても問題はないといわれています。

ただし、妊娠中の性行為が原因で感染症にかかると、早産になる危険性があります(※1)。母子感染や前期破水を起こす恐れもあるため、妊娠中に性行為をするときは必ずコンドームを使用するようにしてください。

また、妊娠中に性行為を行うと、お腹が張ったり、出血したりしやすくなるので、少しでも体調に不安を感じるときは性行為以外のスキンシップを図るようにしましょう。

お迎え棒とは?臨月の性行為が陣痛を促すの?

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お迎え棒とは、妊娠後期の臨月に性行為を行うことをいいます。臨月の性行為により陣痛を促して、赤ちゃんが生まれるのをお迎えするというジンクスです。

しかし、お迎え棒に医学的な根拠はありません。予定日が近づいたり過ぎたりしても出産の兆候が現れないと不安になるため、陣痛を促す方法を探す中で生まれたのではないかと考えられます。

また、精液中には子宮収縮を促す「プロスタグランジン」というホルモンが含まれるので、子宮内に精子を出すことで陣痛が促されるという俗説から始まったともいわれています。

どちらにしても、妊娠後期や臨月の性行為が陣痛を促す効果に直接つながるわけではないので、スキンシップの一環として、またジンクスのひとつとして考えておきましょう。

しかし、臨月の出産予定日に近い時期に性行為をすると、その刺激をきっかけに陣痛が始まる可能性はあります。

ほかにも、オーガズムを感じたり乳首を刺激されたりすることで陣痛が促がされるいうジンクスもありますが、これらも医学的な根拠はありません。

乳頭を刺激するとオキシトシンというホルモンが分泌され、お腹が張りやすくなるため、気をつけましょう。

お迎え棒を控えたほうがいいのはどんなとき?

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お迎え棒として妊娠後期や臨月に性行為を行うことができるのは、前述のように、妊娠経過が順調な場合です。以下にあてはまる妊婦さんは、妊娠中の性行為やお迎え棒を試すことは控えてください。

  • 出血がある
  • 切迫早産の兆候がある
  • 破水している
  • 前置胎盤である
  • 多胎妊娠である
  • 妊娠合併症を併発している
  • 流産や早産の経験がある
  • 予定帝王切開術を控えている

現在の妊娠の経過が順調な場合でも、妊娠初期から今までの経験を踏まえて判断するようにしましょう。

また、上記にあてはまらなくても、ちょっとでも体調が悪いと感じたり、お腹の張りがあったりするときは、控えてください。

臨月のお迎え棒の注意点

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妊娠後期や臨月は、体力が落ちていたり疲れやすかったりするため、お迎え棒を行うときは、とにかく無理をしないことが大切です。万が一のことも考えて、以下のポイントを守ってくださいね。

避妊具を装着する

妊娠中は抵抗力が低下しています。お腹の中の赤ちゃんは羊水や粘液で守られているとはいえ性行為によって子宮内に細菌が入る可能性があるので、感染症を防ぐためにも避妊具としてコンドームは必ず装着してください。

また、性交前には必ず体を洗って清潔にしましょう。

刺激を与えすぎない

臨月に入ったばかりの妊娠36週は、まだ正期産の時期ではありません。正期産は妊娠後期の中でも37週0日〜41週6日までの間を指すので、妊娠36週で陣痛が促されて出産すると「早産」に当たります。

早産になると胎児にトラブルが起こる可能性を否定できません。妊娠後期に性行為をすること自体は問題ありませんが、過度に刺激することがないように注意してくださいね。

お腹が張ったら中断する

性行為をすることで、お腹が張る場合があります。もしお腹が張ったり体調が悪くなったりしたら、すぐに中断してください。しばらく横になってお腹の張りが治まるようなら心配はありません。

特に臨月はお腹が張りやすいので、張り方や腹痛の有無などに注意しましょう。

体を冷やさない

体を冷やすとお腹が張りやすくなり、切迫早産につながることもあります。性行為を行うときは部屋の中を暖め、長時間裸でいるのは控えましょう。

お腹や子宮を圧迫しない

妊娠後期の性行為では、大きくなったお腹や子宮を傷つけないように、男性側が注意する必要があります。できれば挿入はせず、スキンシップだけにとどめた方が安心です。

挿入する場合には、お腹を圧迫したり子宮口を直接刺激したりする体位は避け、浅い挿入になるようにしましょう。時間もできる限り短くすませることを心がけてくださいね。

臨月のお迎え棒で出血やお腹の張りが起きたときはどうする?

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妊娠後期の臨月にお迎え棒をして下記のような症状が現れたときは、落ち着いて対処するようにしましょう。

オーガズム後にお腹が張る

お腹が張ったら安静にして様子を見ましょう。子宮の血液量が増えたり、生殖器が充血したりしたことが原因だと考えられます。安静にしていてもお腹の張りが取れない場合は、すぐに病院を受診してください。

胎動がなくなる

性行為後に赤ちゃんの胎動がなくなって不安を感じる人もいると思います。胎動は赤ちゃんの生活サイクルに合わせて周期的に起こるものなので、胎動を感じなくなったと感じても慌てず、しばらく安静にしたあとに、胎動があるかどうかをもう一度チェックしてみてください。

安静にしていても2時間以上胎動が感じられないときは、かかりつけの産婦人科病院へ連絡をしてください。

出血がある

妊娠後期や臨月は内診後にも出血しやすいので、お迎え棒の後に少量の出血があっても過度に心配する必要はありません。しかし、出血とともにお腹の張りが続いている場合や出血量が多いときは、受診したり病院へ連絡したりしましょう。

また、性行為による出血ではなく、おしるしの可能性もあるので、おしるしと不正出血の違いも見分けられるようにしておくと安心です。

臨月のお迎え棒は互いをいたわる気持ちを大切に

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妊娠後期や臨月のお迎え棒をはじめ、妊娠中の性行為は夫婦の大切なコミュニケーションの機会でもありますが、お互いをいたわりあいながら楽しむようにしましょう。二人の絆を確かめ合いながら、新しい家族について語り合う大切な時間になるといいですね。

妊娠経過が順調で、もうすぐ出産が近づいているからといって、無理は禁物です。お迎え棒によって少しでも気になる症状が現れたときはすぐに止めて安静にしてくださいね。

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