陣痛がこない!予定日超過の原因は?実践したい7個の対策!

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

出産予定日が近づいても陣痛がこないと、「病院に行かなくていいの?」「お腹の赤ちゃんは大丈夫なの?」と、心配になりますよね。陣痛がくるまでの間、何か特別な対策をした方がいいのか気になる人もいると思います。今回は、出産予定日を過ぎても陣痛がこない原因と、陣痛がこないときの対策などについてご説明します。

そもそも、陣痛とは?

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出産時は赤ちゃんを押し出そうとして子宮が収縮しますが、そのときに感じる痛みが陣痛です。

陣痛は、出産の準備段階として不規則な痛みが現れる「前駆陣痛」と、いよいよお産のときが近づき、痛みが規則的になる「本陣痛」の二段階に分けられます。

本陣痛が始まると自分の意志で痛みをコントロールできず、どんどん間隔が短くなり、痛みが強くなっていくのが特徴です。

出産予定日に陣痛がこないこともある?

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「陣痛は出産予定日にくるもの」と考えがちですが、出産予定日に陣痛が現れるケースは稀です。というのも、出産予定日は胎児の大きさなどから割り出された「予測日」でしかないからです。

妊娠週数は、最後に生理が始まった日を妊娠0週0日として計算し、そこから数えて280日(40週0日)を出産予定日としています(※1)。しかし、この日ぴったりに赤ちゃんが生まれるとは限りません。

実際には、妊娠37週0日~41週6日の期間に出産することを「正期産」といい、この間に生まれれば特に問題はないとされます。

そのため、予定日に陣痛がこないからといって、心配しすぎる必要はありません。しばらくは自然に陣痛が起こるのを待ちましょう。

予定日超過でも陣痛がこない原因は?

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出産予定日ぴったりに陣痛がこなくても問題ないとはいえ、予定日を過ぎても陣痛の気配がないとそわそわしてしまいますよね。

陣痛は、赤ちゃんを生み出すための子宮収縮による痛みで、赤ちゃんがお腹のなかで十分に発育し、外に出てこられるようになってはじめて起こる仕組みになっています。

ただし、陣痛がくるまでには、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロン、子宮収縮を促すオキシトシン、胎盤などでつくられる副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンなど、複数の物質が関係していると考えられており、そのメカニズムが完全に解明されているわけではありません(※1)。

そのため、赤ちゃんが十分に発育していたとしても、何らかの原因で陣痛が遅れることもあります。予定日を過ぎて陣痛がこなくても、お腹の赤ちゃんは元気であることも多いので、リラックスして過ごしてくださいね。

陣痛がこないのは微弱陣痛のせい?

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予定日間際になりお腹がよく張ったり、ときどき軽い生理痛のようなものはあるけれど、それが規則的な陣痛にならないといったことがあります。この場合、「陣痛がこないのは、弱くて気づいていないだけなのかも?」と思う人もいるかもしれませんね。

陣痛の異常の一つとして、「微弱陣痛」というものがあります。これはその名の通り弱い陣痛のことで、陣痛がこないと、自分の陣痛が微弱陣痛なのではと考える人もいると思います。

しかし、微弱陣痛とは、医学的には、陣痛が始まったあとに、母体の体力消耗などが原因で陣痛が弱まってお産が進まなくなることをいいます。そのため、まだ本陣痛が始まっていない状況では微弱陣痛といいません。

予定日間際に感じる張りや、軽い痛みは前駆陣痛で、微弱陣痛とは区別されています(※1)。

なお、陣痛が始まってから本当の微弱陣痛が続くと、子宮口があまり開かず、赤ちゃんがなかなか生み出されないことで、胎児機能不全に陥ってしまうリスクもあります。

そのため、胎児の心拍などを注意深くチェックしながら、必要に応じて子宮収縮薬を投与するなどの対応を行います。

予定日を過ぎても陣痛がこない…胎児は大丈夫なの?

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出産予定日を過ぎて陣痛がこないからといって、すぐに赤ちゃんに悪影響をおよぼすわけではありません。

しかし、母体と胎児の健康状態を慎重にチェックするため、出産予定日を過ぎた妊娠41週以降は、妊婦健診の回数が増え、1週間に2回以上行うことが推奨されています(※2)。

妊娠41週以降の妊婦健診では、ノンストレステスト(NST)などで胎児の状態の確認(we-being評価)を行い、これまで以上に赤ちゃんの心音や動き、羊水の量や胎盤の機能をこまめにチェックすることになります。

医師から特別な指示がなければ自然に陣痛がくるまで待っていてかまいませんが、妊婦健診の結果によっては入院して様子を見ることもあります。いつでも対応できるよう、入院の準備をしておくと安心ですよ。

陣痛がこないと「過期妊娠」になるの?

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出産予定日から2週間が経ち、妊娠42週に入っても陣痛がこず、分娩に至らない場合、「過期妊娠」と診断されます(※1)。

過期妊娠になると、胎児の合併症が起こる可能性が高くなるので、慎重に経過観察をします。

たとえば、羊水が少なくなり、臍帯(へその緒)が圧迫されることで胎児機能不全に陥ったり、胎児が排出した便により羊水が濁り、その羊水を赤ちゃんが飲みこむことで「胎便吸引症候群」を引き起こしたりするリスクが高まります。

また、赤ちゃんがお腹のなかにいる期間が長くなると、大きく育ちすぎてしまい、難産の原因になることもあります。

母体と胎児の状態によっては、陣痛促進剤やバルーンなどによる誘発分娩、卵膜剥離などを行うこともありますが、どんな対応になったとしても、できるだけリラックスしてお産に臨みましょう。

陣痛がこないときに実践したい7個の対策!

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基本的には、陣痛がこない間も自然に任せて落ち着いて過ごすことが大切ですが、陣痛を起こす方法があるならやってみたいと考える人もいますよね。

以下は、陣痛を促す方法として知られているものの一部です。体調を最優先に、医師と相談しながら実践してみるのもいいかもしれませんね。

● 階段の上り下りを繰り返す
● スクワットをする
● 陣痛を促すとされているツボを押す
● ウォーキングをする
● おっぱいマッサージをする
● お灸をする
● 入浴する(体を温める)

ただし、これらの効果には個人差があるため、実践したからといって必ずしも陣痛がくるわけではありません。また、陣痛がこないとはいえ出産を控えていることは間違いないので、無理のない範囲で行うようにしてくださいね。

陣痛がこないときも焦らず待ちましょう

なかなか陣痛がこないと、心配になってしまいますよね。しかし、今はまだ、赤ちゃんの準備が整っていないだけかもしれません。

定期的に妊婦健診を受け、赤ちゃんの様子や自分の体調に気をつけながら、もう少しだけ待ってみましょう。いざ陣痛が始まったらいつでも病院へ行けるよう、出産に向けた準備だけは万全にしておいてくださいね。

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