初めてのお産は不安や心配になることがたくさんありますよね。胎動について、「お産が近づくと胎動が少なくなる」や「陣痛が始まっても胎動があって痛かった」といった情報を聞いて、実際にはどうなんだろうと思っている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
今回は、陣痛中にも胎動はあるのか、胎動が激しいときでも出産できるのか、陣痛と胎動の感じ方の違いをご紹介します。
出産までの流れは?
陣痛と胎動の関係を考える上で、陣痛から出産までの流れを確認しておきましょう。
前駆陣痛
まず、本格的な陣痛がはじまる前に前駆陣痛(偽陣痛)があらわれます。前駆陣痛は赤ちゃんの通り道である子宮の出口を開いたり、赤ちゃんが産道を通りやすくしたりするために起こります。
本陣痛に比べると痛みは強くなく、規則的でもありません。また、前駆陣痛の後にすぐ本陣痛が起こることもあれば、数日後に起こるという人も。前駆陣痛は出産が近づいていることを意味します(※1)。
本陣痛
本陣痛では子宮口が広がり子宮が強く収縮するため、痛みをともないます。それまでのお腹の張りや前駆陣痛とは異なり、規則的な痛みを感じ、痛みも強くなって、どんどん間隔が短くなっていきます。
ただし、本陣痛と前駆陣痛の違いを判断することは難しいかもしれません。痛みを感じたら産院へ連絡しましょう。
痛みの間隔が医師や助産師に指示された陣痛間隔になったら、産婦人科に向かいます。本陣痛を迎えると子宮口が開き始め、開き具合に応じて出産へと流れが進んでいきます。
陣痛中に胎動はある?激しくても出産できる?
胎動は赤ちゃんが生まれるまで続くので、陣痛中にも胎動はあります。
一般的には、お産が近づくと赤ちゃんの頭はどんどん下へおりてきて骨盤に固定されるため、胎動は減少するといわれています(※2, 3)。
しかし、胎動の感じ方は赤ちゃんの大きさやママの体型などによって個人差が大きく、ママが感じる胎動が減るとは限りません。
人によっては、陣痛の痛みで胎動を感じる余裕がないかもしれませんが、陣痛中に胎動が激しくても特に問題ありませんよ。
陣痛中に胎動を感じなくなったら危険なの?
前述の通り、胎動は出産するときまで続きます。陣痛中でも痛みがおさまっている間には胎動を感じやすいでしょう。
ただし、胎動が全く感じられなくなって、お腹の痛みが続く、陣痛とは違う痛みがある、出血している、といった場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があるため、早急な対応が必要です。
例えば、胎動を感じられず、お腹がずっと痛かったり硬く張ったりしている場合に疑われるのが「常位胎盤早期剥離」です。
胎児がまだ子宮内にいるうちに、胎盤が子宮の壁から剥がれてしまう状態で、全妊婦さんの0.5%に起こるといわれています(※1)。子宮内で大出血する可能性もあり、重症化すると母子ともに命の危険が及びます。
常位胎盤早期剥離では、強い下腹部痛とお腹の張りが続きます。少しでも心配なことがあれば自分で判断せず、速やかにかかりつけの産婦人科へ連絡しましょう。
陣痛と胎動の違いは?
陣痛中にも胎動を感じることで、赤ちゃんが元気であるかどうか把握することができます。しかし、特に初産の妊婦さんは、「陣痛中は胎動に気づけないかも」「陣痛と胎動の違いが分からなくなりそう」と心配になることもありますよね。
陣痛と胎動の感じ方の違いは、陣痛は強い痛みが規則的に起こるのに対し、胎動は不規則で痛くても我慢できるレベルです。
ただし、本陣痛が始まると痛みに耐えることに精一杯で、胎動があっても気づけなくなることも多いようです。陣痛中に胎動を感じるかよりも、陣痛の痛みが治まったときに胎動を感じるか、ということを意識しておくといいですね。
胎動の感じ方は個人差があることを知っておこう
お腹の中の赤ちゃんは生まれてくる直前まで動き続けているので、お産のときに胎動があることは不思議ではありません。
出産中にも胎動を感じていたという人もいますし、陣痛の痛みで胎動を感じる余裕がなかったという人もいます。胎動の感じ方には個人差があるため、他の人と比べる必要はありませんが、赤ちゃんからの声を見逃さないように普段から胎動をチェックしておくといいですね