妊娠前に準備すべき6つのこと!子作り前にしておきたいこととは?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

いざ妊娠や出産をした後に、「妊娠前にもっと◯◯しておけばよかった」と思い返すママも多いようです。一体どのようなことをしておくといいのでしょうか。

今回は、妊娠前に準備しておきたいこと、やっておくといいことをご紹介します。

妊娠前に準備しておきたいことって?

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妊娠中や出産後は、母体や赤ちゃんへの影響を考えて制限したほうがいいとされることがたくさんあります。

大きく分けると、食べ物や飲み物などの飲食関係と、病気や風邪などの予防や治療関係です。

また、日常生活に伴う行動の制限などもあります。

食べ物・飲み物や治療法が制限される理由

妊娠中は、ママが飲んだものや食べたものがお腹の赤ちゃんに影響してしまうことがあります。

具体的には、アルコール類やカフェインを含む飲み物、生肉やナチュラルチーズなどです。また、薬も服用できる種類が限られます。

さらに、出産後に母乳を与える場合は、ママの体に入る食べ物や飲み物、薬に気をつかわなくてはいけません。

アルコールやカフェインは母乳を通じて赤ちゃんの体内に入るので、禁酒したりコーヒーやお茶の摂取量を控えたりする必要があります。

行動が制限される理由

妊娠初期には、つわりの症状が出て日常生活を送るのが難しくなる人もいます。

また、妊娠後期に入ってお腹が大きくなると、しゃがむ、寝返りをする、靴下を履くなどの日常的な動きが難しくなります。

さらに、動悸や息切れ、腰痛といったマイナートラブルが起こることも多いです。

出産後は、お産でダメージを受けたママの体を回復させるために、少なくとも産後1ヶ月は外出や運動なども基本的に控えたほうがいいとされています。

赤ちゃん中心の生活になり、特に新生児期は四六時中おむつ替えや授乳に追われ、自分一人の時間をゆっくりとることは難しくなったという声も多いです。

このように、妊娠中や出産後は生活が大きく変わるため、今のうちから準備できることはやっておきたいですよね。

次からは、妊娠前の準備として子作り前にしておきたい6つのことを、治療系、飲食系、美容・レジャー系にわけてご紹介します。

妊娠前の準備:治療に関係すること

日本人 女性 歯医者 歯科

妊娠中にはできない治療や飲めない薬もあるので、下記の2つのことについては妊娠前にしっかりとケアしておきましょう。

1. 歯の治療を受けておく

歯の治療は妊娠前に済ませておくのがおすすめです。妊娠中は慣れない体の変化で生活リズムや食生活が崩れるほか、ホルモンバランスの影響もあり、虫歯になりやすくなります。

一般的な歯科治療であれば妊娠してからでも行うことはできますが、過度な緊張を伴ったり時間がかかったりすることもあるため、妊娠中はなるべく避けたいところです。

また、おおがかりな麻酔が必要な治療は、時期によっては控えたほうがいい場合もあります。

出産後は赤ちゃんのお世話に追われたり体が回復しなかったりしてなかなか歯科へ行けず、いつの間にか虫歯を悪化させてしまうことも少なくありません。治せるものは妊娠前にしっかりケアしておきましょう。

2. 予防接種をしておく

妊娠中は受けられない予防接種、または、妊娠中にかかると危険な病気の予防接種は、妊娠前に済ませておきましょう。

なかでも気をつけなくてはいけないのは、風疹の予防接種です。

妊娠中に風疹に感染するとお腹の赤ちゃんに影響を及ぼすことがあるため、妊娠前に予防接種を受ける人も多いですが、妊娠2ヶ月前から妊娠中は接種を控えなくてはいけません。風疹の抗体がない人は、早めに受けておきましょう。

妊娠前の準備:飲食に関係すること

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妊娠中や授乳中にママが口にしたものは、赤ちゃんの体に影響を及ぼすこともあります。

特にアルコールとカフェインを含む飲み物については、妊娠前から意識しておくようにしましょう。

3. お酒を飲む量や回数を減らしておく

妊娠中に飲酒をすると、流産や死産、早産や妊娠高血圧症候群などのリスクが高まります(※1)。

さらに、お腹の赤ちゃんの体にアルコールが入り、低体重児や脳や脊髄の障害といった先天性異常がみられる「胎児性アルコール症候群」を引き起こすリスクがあります(※2,3)。

妊娠中は飲酒をやめる必要があるため、普段からお酒をよく飲む人は妊娠前から少しずつ回数や量を減らして慣らしておきましょう。

4. カフェインを含む飲み物を減らしていく

妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、赤ちゃんが低体重で生まれたり、流産リスクが高まったりする可能性があると指摘されています(※4)。

そのため内閣府は、妊娠中のカフェイン摂取量をゼロにする必要はないものの、カフェインの摂り過ぎに気をつけるように注意喚起をしています。

日本ではカフェインの1日に摂取許容量は設定されていませんが、妊娠中のカフェイン摂取はどこまでが安全でどこからが危険なのかがはっきりとしていないため、摂り過ぎには注意をするに越したことはないでしょう。

妊娠前から少しずつカフェインを含む飲み物を控えたり、カフェインレスの飲み物に慣れるようにしたりするといいですね。

妊娠前の準備:美容やレジャーに関すること

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時間やお金さえあればできていたことも、妊娠中や育児中はそう簡単にはできなくなります。妊娠前にしっかりと楽しんでおきましょう。

5. ヘアサロン・マッサージ・エステに行く

美容系のサロンは気分転換の一つという人も多いかもしれません。

ヘアサロンの場合、カラー剤やパーマ液がお腹の赤ちゃんに影響することはほとんどないとされていますが、妊娠中に長時間同じ姿勢で座り続けるのはつらく、妊娠による体の変化で美容剤が肌にしみて痛いと感じる場合もあります。

マッサージは、血行を促進することで肩や体の凝りを和らげたり、むくみをケアしたりできますが、妊娠中には控えたほうがいい施術もあります。

レーザーによる脱毛やフェイシャルエステなども、妊娠中は肌が敏感になっているので控えましょう。

出産後しばらくすれば行くことができますが、育児中はなかなか時間が取れないので、妊娠前に優先順位をつけて済ませておくといいですね。

6. 遠出や海外旅行

海外や国内の観光地など、行きたいと思っている場所があれば、妊娠前に行っておくといいでしょう。

妊娠中、海外旅行に行ってはいけないという決まりはありませんが、フライト中の気圧の変化や大きな揺れ、渡航先の時差や気候の違いなどは妊婦さんの体に大きな負担がかかるため、妊娠全期を通しておすすめできません。

出産後も赤ちゃんがある程度大きくなるまでは、遠出や旅行は気軽にできなくなるので、妊娠前に満喫しておきましょう。

妊娠前の心構えと思って準備しよう

妊娠は、いつそのタイミングがくるかわからないもの。赤ちゃんが欲しいと思ったら、今回ご紹介した妊娠前の準備を参考にして、できることから準備をしていきましょう。

「妊娠したらこんなに我慢や制限しなくてはいけないものがあるの?」と不安になるかもしれませんが、すべて母体と赤ちゃんの健康や安全のために必要なことです。

あまり考えすぎてストレスを溜めてしまっては逆効果ですが、少しずつ心と体の準備を整えていけるといいですね。

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