妊活中にお酒を飲んでもいいの?アルコールの影響はある?

監修医師 産婦人科医 城 伶史
城 伶史 日本産婦人科専門医。2008年東北大学医学部卒。初期臨床研修を終了後は、東北地方の中核病院で産婦人科専門研修を積み、専門医の取得後は大学病院で婦人科腫瘍部門での臨床試験に参加した経験もあります。現在は... 監修記事一覧へ

赤ちゃんを授かりたい女性のなかには、「妊活中も、アルコールを控えるべきなの?」と疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。特にお酒が好きな人は、どれぐらい我慢するべきなのか、飲んでも良いのかどうかは、気になりますよね。そこで今回は、妊活中にアルコールやお酒が与える影響や、飲んでも良いのかについてご紹介します。「赤ちゃんを授かりたいな」と思っている人は、参考にしてみてくださいね。

妊娠しやすい体の状態とは?

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もともと女性の体には、妊娠・出産するための色々な機能が備わっています。しかし、生活習慣やストレスなどの影響で、その機能が低下すると、妊娠しにくい状態になってしまうことがあります。

女性が妊娠するためには、「排卵が定期的に行われていること」と、「受精卵を受け入れる子宮内膜が厚くなること」という2つのポイントがあります。簡単にいうと、「定期的に生理が来て、きちんと月経血が出る」という体の状態であれば、自然に妊娠できる確率が高いということです。

妊娠を望むのであれば、排卵障害や月経障害の要因をできるだけ取り除くことが重要だといえるでしょう。また、妊娠後もお腹の赤ちゃんが健康に育つよう、ライフスタイルに気をつけることが大切ですよ。

妊活中のお酒は妊娠しやすさに関係する?

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医学的には、妊活中にお酒を飲むことが妊娠のしやすさにどう影響するのか、まだ明確にはわかっていません。しかし、月経前症候群(PMS)を軽減するための一つの方法として、日本産科婦人科学会はアルコール摂取の制限を挙げています(※1)。

月経障害や排卵障害は、不妊につながる場合もあるので、PMSの自覚症状がある女性は特に、お酒を控えることが望ましいといえそうです。

また、米生殖医学会(American Society for Reproductive Medicine:ASRM)によると、「男性のアルコール摂取量が増えると、精子の濃度と運動性が低くなり、受精の確率も下がる」という研究結果もあります(※2)。

受精が成立しなければ、当然、妊娠することはできません。妊活中のカップルの場合は、女性だけでなく男性もアルコールの大量摂取は避けたほうが良いでしょう。

妊活中のお酒は赤ちゃんに影響するの?

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妊娠中の女性が飲酒すると、生まれてくる胎児に低体重や奇形などの「胎児性アルコール症候群」を引き起こすリスクがあります(※3)。妊娠初期だと気づかずに過度な飲酒を続けてしまうと、母体から血管と胎盤を通じてアルコールが赤ちゃんへと渡ってしまう恐れも。

そのため、妊娠が判明したら完全に禁酒するのはもちろんのこと、妊活を意識しはじめた時点で、飲酒は控えておくほうが無難です。

ただし、妊娠が判明する前の妊娠超初期にうっかり飲酒してしまったとしても、あまり自分を責めないでくださいね。気にしすぎるとストレスが溜まってしまうので、「気づかなかったときの飲酒は仕方がない」と気持ちを切り替え、それ以後飲酒しないように気をつけましょう。



妊活中にアルコールとうまく付き合うには?

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「妊活中も飲酒を控えた方がベター」とはいえ、普段からお酒が好きな人にとっては、急にやめるのは難しいですよね。そこで、次のような方法で上手にアルコールを付き合ってみてはいかがでしょうか。

リセットの日はお酒を楽しむ

妊活中の女性は、生理が来ると気分が落ち込むこともありますよね。そこで、また前向きな気持ちで妊活に取り組むために、「リセットの日だけは、少しお酒を飲んでリラックスしよう」と自分なりにOKを出してあげるのもいいかもしれません。

しかし、先述のとおり、大量の飲酒は排卵障害や月経障害につながることもあるので、アルコールの摂取量はほどほどにしましょう。

ノンアルコール飲料を選ぶ

最近では、ノンアルコールのビールやカクテルの種類も豊富になってきました。普段お酒を飲む人は、あえてノンアルコール飲料を選ぶ機会が少ないと思うので、妊活を機に美味しいノンアルコール飲料を探してみるのもおすすめです。

ただし、なかには1%未満のアルコールを含んでいる商品もあるので、気になる人は成分を確認してから飲むようにしましょう。

お酒の代わりに葉酸を含んだドリンクを飲む

一日の終わりに、お酒を飲みながら一息つくのが日課、という人もいるかもしれません。妊活に取り組みはじめたら、代わりに葉酸が多く含まれる飲み物を飲む習慣をつけてみてはいかがでしょうか。例えば、いちごジュースやキウイジュースは葉酸だけでなくビタミンも豊富なのでおすすめです。

妊娠初期に充分な量の葉酸を摂取することで、赤ちゃんが神経管閉鎖障害を発症するリスクを低下させることができます(※4)。妊婦さんだけでなく、妊娠を望んでいる女性も積極的に摂取するべき栄養素として覚えておいてくださいね。

妊活中はお酒を控えた方がベターかも

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お酒が大好きな人にとっては、まだ妊娠もしていない時点で飲酒をやめる、というのはつらいかもしれません。しかし、卵巣や子宮の機能を整えるという意味でも、妊娠初期の胎児への悪影響を極力なくすという意味でも、妊活中のアルコール摂取は控えるほうが良さそうです。

女性だけが我慢するのは精神的につらくなることもあるので、パートナーと二人三脚で取り組むのがおすすめです。

なお、妊娠しやすい体の状態を作るためには、断酒だけでなく、バランスの良い食事や冷えの改善などトータルで生活環境・生活習慣を整えることが重要です。お酒以外の気分転換方法を探しながら、なるべくストレスのない妊活ライフを送れるといいですね。

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