味や香りだけでなく、薬草としても使われることが多いハーブ。体のケアやリラックスの目的でハーブティーとして飲む人も増えてきましたよね。ハーブの種類によっては、妊活にもおすすめといわれているハーブティーがあるのをご存じですか?今回は、妊活にハーブティーは効果があるのか、不妊治療中に効果的なハーブティーをご紹介します。
そもそもハーブティーにはどんな効果があるの?
ハーブティーは、薬効のある植物(ハーブ)を乾燥させて、お湯で浸しながら成分を抽出して飲むものです。最近は嗜好品として飲まれることも多いですが、元々はハーブに含まれる薬効を重視した飲みもので、精神的な癒し効果や体の不調のケアするのにも効果があるといわれています。
ハーブティーに使われるハーブは、料理のスパイスとして使われるものもあれば、薬草として代替医療で活用するメディカルハーブなどもあります。
妊活に効果的なハーブティーとは?
妊活中のハーブティーは、心身の不調やトラブルをケアするために効果的といわれています。ハーブティーの種類によって効果が異なるので、目的にあわせて選ぶことが大切です。
妊活中は、ストレスや不眠、冷えやむくみ、婦人科系のトラブル、ホルモンバランスの乱れなどをケアする作用があるハーブティーを選ぶのがおすすめです。
ハーブティーは、医学的な効果というよりは、妊娠しやすい体作りのために飲むものなので、ハーブティーを飲んだからといって妊娠率が必ず上がるというものではありません。
また、妊活中には効果があっても、妊娠中に飲むと子宮収縮や子宮刺激を引き起こし母体や胎児に悪影響を与えるハーブもあります(※1)。妊娠がわかったら、妊活中に飲んでいたハーブティーを飲むのは一旦控えて、妊娠中に摂取しても安全なハーブティーを選ぶようにしましょう。
ハーブティーの専門店などでは、妊活用としてブレンドしたハーブティーも販売されています。以下に、妊活・不妊治療中に効果的が期待できるといわれるハーブティーをご紹介します。
抗酸化作用・新陳代謝の促進も効果的なハーブティーの例
ルイボス、ネトル、ハイビスカス、ローズヒップ、ローズ
効果
ネトルはビタミン、カルシウム、鉄分などを含みます(※2)。ローズヒップは、特にビタミンCを豊富に含み、さらに、カルシウムや亜鉛、クエン酸など女性が不足しがちな栄養素の摂取や美容効果が期待できます(※3)。
注意点
ネトルは子宮刺激作用があるといわれているため、妊娠がわかったら摂取するのは控えましょう(※2)。ローズヒップは、飲み過ぎるとビタミンの過剰摂取につながる恐れもあるので注意してくださいね。
婦人科系のトラブル・ホルモンバランス・PMSの緩和に効果的なハーブティーの例
ラズベリーリーフ、ヤロー、メリッサ(レモンバーム)、レディースマントル、ローズヒップ・ジャーマンカモマイル
効果
ラズベリーリーフは、別名「安産ティー」としても有名。フラグリンという成分が子宮筋の収縮を調整し、生理痛や月経前症候群に作用します。ヤローは生理周期を整え、レディースマントルは月経過多や子宮内膜症のケアにも効果的ですよ。
注意点
ラスベリーリーフは、子宮への作用があるのが特徴です。
ラズベリーリーフの錠剤を使用した調査によると、妊娠32週から分娩までの期間にラズベリーリーフ錠を1日2.4g飲んだ妊婦さんは、子宮口が全開になってから分娩までにかかる時間が、飲まなかった妊婦さんに比べて平均約10分短かったことが報告されています(※4)。
妊娠した可能性がある時期や妊娠初期は控えておくと安心です。
ストレスや不眠に効果的なハーブティーの例
メリッサ(レモンバーム)、ジャーマンカモマイル、パッション フラワー・オレンジピール・エルダーフラワー
効果
不安やイライラを緩和し、心身のバランスを穏やかにしてくれる効果が期待できます。特にパッションフラワーは精神を安定させる働きがあるといわれています(※5)。オレンジピールは、腸の働きを整えてくれる作用もあるので、お通じの悩みがある人は試してみてください。
注意点
パッションフラワーは、子宮を刺激する作用があるため、妊娠した可能性がある時期や妊娠初期は控えてください(※5)。
冷え・むくみ・滋養強壮に効果的なハーブティーの例
シャタバリ、エルダーフラワー、ペパーミント、リンデン、ジンジャー
効果
生殖機能を高める作用や、血行を促進させることで体を温める作用があります。ジンジャーは体だけでなく、胃腸も温めてくれる効果があるといわれているので、食欲がないときにもおすすめ。ペパーミントには胃腸を整える作用もあります(※6)。
注意点
シャタバリは特に滋養強壮作用のあるハーブなので、飲みすぎないようにしましょう。アスパラガス科の植物なので、アスパラガスにアレルギーがある人は注意してください。
妊活中におすすめ!ハーブティーのおいしい入れ方は?
ハーブティーは、葉が1回分ずつティーバッグに入っているものと、茶葉だけの状態で売られているものがあります。ティーバッグであれば紅茶と同じようにお湯を注ぐだけ。5分程蒸らして成分をしっかり抽出してから飲みましょう。
茶葉だけのタイプは、温めておいたティーポットに適量のハーブ(ドライハーブなら小さじ約1杯、フレッシュハーブなら大さじ山盛り1杯程度)を入れ、沸騰したお湯を注ぎ、蓋をして4分ほど待ちます。
木の皮や枝、種といった硬いハーブを使用する場合は、お湯を入れた後8~10分ほど待ちましょう。
事前にカップティーポットを温めておくと、冷めにくいですよ。夏場はコールドで飲むのもおすすめですが、妊活中は体を冷やさない方が良いので、できるだけホットで飲んでくださいね。
妊活・不妊治療中も好みのハーブティーを飲み続けることが大切
一口にハーブティーといっても、その種類によって味も効果も異なります。美味しくないと感じるものを飲んでいても、なかなか続かないので、まずは自分の好みにあったものを中心に飲み続けることが大切ですよ。
ハーブティーは、妊活・不妊治療に直接効くと言い切れるものではなく、あくまでも妊娠しやすい体作りをサポートしてくれるもの。義務感で飲むのではなく、心を体をリラックスさせるために美味しく飲めるといいですね。
※表示価格は、時期やサイトによって異なる場合があります。詳細は必ずリンク先のサイトにてご確認ください。
※1 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報 妊娠中のハーブ製品の自己判断による摂取に注意して下さい
※2 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報 セイヨウイラクサ、ネトル、ネットル
※3 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報 ローズヒップ
※4 NCBI 「Raspberry leaf in pregnancy: its safety and efficacy in labor.」