高温期3日目に普段の生理前とは違う体の変化を感じて、「ひょっとして妊娠したかも?」と思った人もあるかもしれません。特に妊活中は日々の体調変化に敏感なので、「高温期3日目に下腹部の痛みを感じた」「いつもより体がだるい」など、ちょっとしたことでも気になりますね。今回は高温期3日目に排卵することはあるのか、妊娠症状は現れるのか、体温が下がることはあるのかなど、体の状態がどのように変化するのかについてご説明します。
高温期3日目ってどんな状態?排卵のタイミングは?
高温期3日目とは、基礎体温が低温期から高温期に切り替わってから3日が経過した状態です。
排卵は、低温期から高温期に切り替わる数日間に起きていると考えられています(※1)。そのため妊活中の人のなかには基礎体温が上がって高温期に入ったタイミングで性交渉をもつようにしている人もいるかもしれません。
しかし、排卵された卵子が卵管内で生きていられる時間は8〜12時間ほどだと考えられているため、高温期に入ったタイミングの性行為では、妊娠する可能性が低い場合があります(※1)。
妊娠の確率を高めたいのであれば、高温期に入る数日前から毎日性交渉を行うのが良いでしょう。
そもそもなぜ高温期と低温期があるの?
基礎体温が高温期になるときは、卵巣のなかの黄体から分泌される「プロゲステロン」というホルモンの働きによって体温が上昇しています。
黄体はもともとは卵胞と呼ばれる組織で、排卵すると黄体へと変化します。黄体からのプロゲステロンが分泌されている間は高温期になりますが、排卵から14日ほどで分泌されなくなるため、その後また排卵を迎えるまでは低温期になります。
また、妊娠が成立した場合、黄体は妊娠黄体となり、プロゲステロンを分泌するため、妊娠が成立した場合も高温期が訪れます。
高温期3日目で着床して妊娠が成立することはある?
「妊娠」とは、受精卵が子宮内膜に着床した状態のことを指します。
精子と卵子が受精した後、受精卵は1週間ほどかけて卵管内を進み、子宮内にたどり着いて着床します(※2)。つまり、受精している場合の高温期3日目は、受精卵が着床に向けて卵管内を進んでいる途中だと考えられます。
妊娠が成立するのは早くても受精から約7日が過ぎて着床が起こってからなので、高温期3日目ではまだ妊娠するかどうかわかっていない状態といえます。
高温期3日目に体の変化は現れる?下腹部痛は妊娠兆候?
着床が成立すると、妊娠超初期症状と呼ばれる兆候が現れることがあります。これは着床によるホルモンバランスの変化によって起きる症状で、着床痛と呼ばれる下腹部痛や胸の張り、不正出血、頭痛などがあります。
妊活中の人は、高温期3日目に体調の変化が起きると「妊娠したのかも」とつい考えてしまうかもしれませんが、着床前に妊娠超初期症状が起きることはありません。
生理前に下腹部痛や胸の張り、不正出血や頭痛などの妊娠超初期症状と似たような症状が現れることもあるので、これらの症状が現れたとしても、高温期3日目の段階では早合点せずにもう少し様子を見ましょう。
高温期3日目に体温が下がるのは妊娠兆候ではない?
妊娠兆候の一つに「インプランテーションディップ」という現象があります。高温期の間に一時的に基礎体温がガクンと低下するもので、これは着床が起きたときの兆候だと考えられています。
ただし、インプランテーションディップが起こるのは高温期7~10日目頃なので、高温期3日目に基礎体温が低下したことをインプランテーションディップと考えるのは難しいでしょう。
高温期3日目に体温が下がった場合は、基礎体温の計測ミスの可能性があります。翌日から数日間、基礎体温を測って再び高温期に戻るのであれば問題ありません。
ただし、基礎体温が下がった状態がずっと続くときはプロゲステロンの分泌量が少なくなっていることも考えられるので、一度婦人科を受診しておくと安心です。
高温期3日目、妊娠の判断はまだできない
妊活中の人にとっては排卵後の1日1日の変化がとても気になるものです。ただ、高温期3日目の段階では、まだ妊娠は成立していません。
「こうすれば受精卵が着床する確率が上がる」という確実な方法はありませんが、着床前の時期に無理は禁物です。また、体の変化を気にするあまり、それがストレスになってしまうとかえって体によくありません。
妊娠超初期症状が現れるのは、基本的には排卵から1週間ほど過ぎてからであり、妊娠検査薬で妊娠したかどうかがわかるのは生理予定日から1週間後です。この時期はあまり神経質にならず、気長に経過を見守っていきましょう。