生後9ヶ月になると、身長や体重などの身体的な発達はゆるやかになり、言語や精神面の発達が目立ってきます。
今回は、そんな生後9ヶ月の赤ちゃんの身長や体重に加え、授乳回数・睡眠時間・昼寝についてなど、特徴や育児のポイントについてご紹介します。
● 生後9ヶ月の赤ちゃんの特徴は?
● 生後9ヶ月の赤ちゃんをお世話するときのポイントは?
● 生後9ヶ月の赤ちゃんの離乳食の量やおすすめのレシピは?
● 生後9ヶ月の授乳回数やフォローアップミルクの使いどきは?
● 生後9ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間は?寝ないときはどうする?
● 生後9ヶ月の赤ちゃんとのおすすめの遊びは?
● 生後9ヶ月は健診の時期!どんなことをみるの?
生後9ヶ月の赤ちゃんの身長・体重は?
厚生労働省の成長曲線によると、生後9ヶ月の赤ちゃんの身長や体重は以下のとおりです(※1)。
生後9ヶ月の赤ちゃんの身長・体重
身長 | 体重 | |
男の子 | 67.4~76.2cm | 7.16~10.37kg |
女の子 | 65.5~74.5cm | 6.71~9.85kg |
成長曲線はあくまでも目安なので、曲線の枠内に入っているかどうかではなく、成長曲線の線に沿って身長・体重が増えているかどうかを確認するようにしましょう。
生後9ヶ月の赤ちゃんの特徴は?
生後9ヶ月頃の赤ちゃんの特徴は以下のとおりです(※2)。ただし、子どもの発達には個人差があるため、できなかったとしてもあせる必要はありません。その子なりの成長を見守ってくださいね。
赤ちゃんの主な特徴
● 容器に物を入れる、かぶせる、載せるなどの動きをする
● 物を布などで隠すと中身を確かめようとする
● クレヨンなどを使ってなぐり描きをする
● 物を打ち合わせたり、積んだりする
● ほめられると喜ぶ
● つかまり立ちができるようになる
● 両手で物を持ち、手渡す
生後9ヶ月の赤ちゃんをお世話するときのポイントは?
生後9ヶ月の赤ちゃんをお世話をするときのポイントは次のとおりです。
赤ちゃんの気持ちに応えてあげる
自分の意思を持ち始める時期なので、コミュニケーションを積極的に取り、赤ちゃんの言語能力の発達をサポートしてあげましょう。ママやパパの顔を見て喃語で何かを伝えてきたら、返事や相づちをうってあげてくださいね。
後追いがひどいときは、おんぶをして家事をしたり、離れるときに「すぐに戻るよ」と声をかけたりして、不安を取り除いてあげましょう。
歯が生えてきたら歯磨き開始
一般的には、生後9ヶ月は下の前歯が生えてくる頃です(※3)。
歯が生えたら、歯磨きの習慣づけを始めましょう。初めは赤ちゃんを膝に乗せて、口の中を観察したり、清潔な指で口の中を触ったりします。口を触られることに赤ちゃんが慣れてきたら、ガーゼや綿棒で拭くようにし、それにも慣れたら赤ちゃん用歯ブラシを使って磨きます。
歯が生える時期には個人差があるので、生えてないからといって心配する必要はありません。赤ちゃんの成長を見守ってあげましょう。
生後9ヶ月の赤ちゃんの離乳食の量やおすすめのレシピは?
生後9ヶ月になり、1日2回の離乳食が定着してきたら、3回食にしましょう。順調に離乳食が進んでいると、生後9ヶ月からは「離乳食後期」に入ります。
主食は5倍がゆから軟飯となり、歯ぐきでつぶせる熟したバナナくらいの固さのものを食べられるようになります(※4)。
食事の回数が増えることで、食べムラや遊び食べ、好き嫌いが出てきます。別の日はすんなり食べてくれるということもあるので、無理強いをせず食べられるものの量を増やしながらじっくり食事の練習をしていきましょう。
規則正しい食習慣を家族で作っていってくださいね。
この時期は体や脳の発達に必要な鉄分やカルシウムが不足しやすいので、レバー、鶏肉、豚肉、加熱した卵、赤身や白身の魚、ほうれん草などを意識して離乳食に取り入れるといいですね(※4,5)。
赤ちゃんは自分で食べたい欲求が強くなるので、パンや野菜をスティック状に切ったものや小さいおにぎりなど、手掴みできる食事やおやつを用意してあげましょう。
離乳食の1回あたりの目安量(※4)
● 5倍がゆ:90g〜、あるいは軟飯:80g
● 野菜・果物:30~40g
● たんぱく質(どれか1品):魚15g、肉15g、豆腐45g、卵(全卵)1/2個、乳製品80g
おすすめ離乳食レシピ
鉄分を摂るために、鶏レバーを使った離乳食がおすすめです。ただし、レバーに含まれるビタミンAは摂りすぎると体調不良を起こす可能性があります。3日に1回程度の頻度で与える場合、1回当たり10g程度にしておきましょう(※5,6)。
ほうれん草を茹でてみじん切りしたものに、レバーペーストを混ぜてかつお節を加えた「レバーとほうれん草のおかかあえ」は鉄分たっぷりなのでぜひ作ってみてくださいね。
生後9ヶ月の授乳回数やフォローアップミルクの使いどきは?
生後9ヶ月頃になると、食後の授乳が次第に減っていきます。授乳回数に決まりはありませんが、母乳の場合は授乳のリズムに沿って赤ちゃんが欲するままに与えます。ミルクの場合は離乳食後以外に1日2回程度与えましょう(※4)。
離乳食を食べる量が少ない・食べムラがあるなどでどうしても栄養不足が気になるときには、医師に相談した上で必要に応じてフォローアップミルクを使ってみてくださいね。母乳育児で哺乳瓶になれていない場合は、コップやマグで飲ませる練習をするのもいいですよ。
できる限り、離乳食を3回まで進める工夫をしながら、フォローアップミルクはあくまで「補助」として飲ませてあげましょう。
生後9ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間は?寝ないときはどうする?
生後9ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間は、1日13時間程度が目安です。夜泣きや夜中の授乳はありますが、睡眠の7〜8割を夜に取るようになり、朝までまとまって寝る日が少しずつ増えてきますよ(※7)。
昼寝を1日に1~2回、午前と午後にする赤ちゃんが多くなりますが、午後の昼寝が夕方に差しかかると睡眠サイクルが狂ってしまい、夜寝ない原因になってしまうので避けるようにしましょう。
理想は午前に30分程度、午後に2時間程度の昼寝、お風呂は夕方に入り、遅くても20~21時くらいには寝かしつけるような生活リズムです。一緒に暮らす家族が赤ちゃんに寄り添うように生活習慣を整えていきたいですね。
夜泣きがみられることもありますが、生活リズムをしっかりと身につけることが重要です。
夜中に赤ちゃんが寝ない日が続くときは、室内の温度や服装などを見直してみてください。日中に遠出したり、知らない人に多く会った日は、興奮して眠れないこともあります。
少しの間、添い寝や抱っこをして、リラックスさせてあげるのも効果的ですよ。
生後9ヶ月の赤ちゃんとのおすすめの遊びは?
日中はなるべく赤ちゃんと遊び、活動させましょう。なめる、たたく、握るなどが中心だった遊びに加え、赤ちゃんに話しかけながら、言葉やコミュニケーション力の発達を促してあげると良いですね。
「バイバイ」「パチパチ」など大人のしぐさを真似することや、「だっだっだ」「まんまん」など、色んな声を発するようになります。赤ちゃんが好きそうな絵本を読んであげるのもおすすめです。
生後9ヶ月は健診の時期!どんなことをみるの?
生後9ヶ月健診では、身体計測などの一般的な診察と精神・運動の発達状態をみます。精神面の発達は、周囲へ関心を示しているか、視線が合うかなどを中心にチェックします(※8)。
この時期の運動発達にはかなり個人差があります。問診もあるので、育児に対する不安や悩みがあれば相談するようにしてくださいね。
9ヶ月健診の主な内容
● お座り・ハイハイができるか
● つかまり立ちができるか
● 股関節脱臼
● 手指の発達
● 聴覚・斜視
● 皮膚や血液の病気のチェック
● 人見知りをするか
生後9ヶ月の赤ちゃんは成長ペースも個人差が大きいもの
生後9ヶ月頃になると、「まだハイハイしない」「乳歯がまだ1本しか生えていない」など、他の子と比べたときの成長が気になり、健診で相談するママ・パパが多いといわれています。
しかし、ハイハイをしないでいきなり歩き出す赤ちゃんもいたり、歯の生える順番が異なったりと、成長度合いはさまざまで個人差があります。乳幼児健診時に問題を指摘されなければ、その後も健康的に育つことがほとんど。
あまり気にせず、ゆったりとした気持ちで成長を見守り、どうしても不安に感じるときは育児相談などに行ってみてもいいかもしれませんね。