赤ちゃんの体重が発育曲線からオーバーしていると、「太りすぎかな」と心配になるママ・パパもいるのではないでしょうか。赤ちゃんのうちに何か対策をしておいたほうがいいのか気になっているかもしれませんね。
そこで今回は赤ちゃんの肥満について、原因や太っているかどうかを知る方法、将来への影響などを紹介します。
赤ちゃんが太る原因は?
赤ちゃんや子どもが太る原因は、大きく2つに分けることができます。
カロリーオーバー
赤ちゃんや子どもが肥満になる多くの原因はカロリーオーバーによるものです。
以下のような理由で摂取カロリーが消費カロリーを上回っているために起こります(※1)。
● 食事やおやつの食べすぎ
● 高カロリーな食べ物ばかりを好む
● 運動不足
カロリーオーバーの場合は、体重が増えるのと同時に身長も伸びるのが特徴です(※1)。
病気
赤ちゃんや子どもの肥満は特定の病気によって引き起こされることもあります(※1)。
カロリーオーバーによる肥満に比べて発症する時期が早いことが多く、身長の伸びが止まることが主な特徴です(※1)。
赤ちゃんが肥満かどうか知る方法は?
赤ちゃんが肥満かどうかを知るために一般的に使われるのが、「身長体重曲線」です(※1)。
身長体重曲線を用いると、赤ちゃんの体重が標準体重を何%くらい上回っているか・下回っているか、「ふとりすぎ」「ややふとりすぎ」「ふとりぎみ」「ふつう」「やせ」「やせすぎ」のどこの区分に位置するかがわかります(※1)。
身長体重曲線で肥満かどうかを確認する方法
出典: www.jpeds.or.jp身長体重曲線は母子手帳をはじめ、保育園・幼稚園や学校の健康手帳などに記載されています。
縦軸に体重(kg)、横軸に身長(cm)が目盛ってあるので、赤ちゃんの体重・身長を測定したら軸のどこに位置するかチェックしましょう。
そこから体重は横に、身長は上に線を伸ばし、交差するところに点で印をつけて区分のどれにあたるか確認してみてください。
区分の「ふとりすぎ」「ややふとりすぎ」「ふとりぎみ」は、それぞれ重度肥満、中等度肥満、軽度肥満を意味するので、いずれかに該当したら赤ちゃんが肥満である、または肥満の傾向があることになります。
特に「ふとりすぎ」や「ややふとりすぎ」の場合は小児科で相談して、肥満の原因がカロリーオーバーか病気かを診断してもらうようにしましょう。
赤ちゃんの太りすぎは将来に影響するの?
赤ちゃんが太っている原因がカロリーオーバーの場合は、成長するにつれて肥満が解消していくことが多いです。
ただし幼児期や学童期になっても肥満が続く場合は、2型糖尿病や脂質異常症、高血圧などになりやすく、将来的に心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクが高くなります(※2)。
また、睡眠時無呼吸や脂肪肝といった合併症を伴ったり、膝や腰に負担がかかって悪影響を及ぼしたりすることもあります(※2)。
幼児期に肥満だった子どもの25%、思春期に肥満だった子どもの70〜80%が大人になっても肥満であることが知られています(※2)。そのため、幼児期や学童期に肥満である場合は、できるだけ早く治療をすることがすすめられます。
赤ちゃんの太りすぎの対策法は?
乳児健診や小児科で特に指摘されなければ、痩せるための治療などをする必要はないとされていますが、気になる場合は以下の対策を試してみるといいでしょう。
ミルク・母乳の量を適正にする
赤ちゃんが飲みたがるからといって、欲しがる分だけミルクをあげていると、摂取カロリーが多くなりすぎることがあります。
赤ちゃんの月齢や体重に対して1日に必要なミルクの量や回数を確認し、その分だけ飲ませてくださいね。
完全母乳育児の場合、離乳食が始まるまでは基本的に欲しがるときに与えて問題ありませんが、離乳食が始まったら食べた量に応じて飲ませる量を調整しましょう。
運動をさせる
赤ちゃんの成長にあわせて、ずりばいやハイハイ、伝い歩き、あんよなどを積極的にさせるのもおすすめです。
運動量が増えて、自然とカロリーを消費することができます。ただし、赤ちゃんがまだハイハイやあんよを始めていないのに痩せさせるためにと無理にさせるのはやめましょう。
赤ちゃんが太りすぎが心配なときは相談しよう
赤ちゃんの身長が伸びずに体重だけが急に増えている場合は、病気が原因の可能性もあるため、早めに小児科で診てもらいましょう。
カロリーオーバーが原因であっても赤ちゃんが太っていることに関して不安や疑問があれば、乳児健診で相談したり、お住まいの地域の保健センターや保健所で指導を受けたりしてみてくださいね。