【医師監修】9・10ヶ月健診の内容は?ひっかかるとどんな可能性がある?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

住んでいる自治体によっては、赤ちゃんが生後9〜10ヶ月頃になると9ヶ月健診や10ヶ月健診の案内が届くことがあります。何をするのかわからず不安になるママやパパもいるでしょう。そこで今回は、9ヶ月健診や10ヶ月健診とは何なのか、健診の内容、検査にひっかかると病気なのか、赤ちゃんの服装はどうしたらいいのかなどについてご説明します。

9・10ヶ月健診とは?

健診 日本人 赤ちゃん

9ヶ月健診、10ヶ月健診は、それぞれ生後9ヶ月と生後10ヶ月の赤ちゃんを対象に行なっている健康診査のことです。

9ヶ月健診や10ヶ月健診を実施している自治体は約8割で、すべての自治体で行われているわけではありません。これは、9ヶ月健診や10ヶ月健診を実施するかどうかが各自治体の判断に任されているからです。

一方、1歳6ヶ月児健診や3歳児健診は法律によって各自治体に実施することが義務付けられているため、すべての自治体で行われています(※1)。

健診の目的は?

9ヶ月健診や10ヶ月健診の目的は、主に赤ちゃんの健康状況や成長・発達を把握することです。

それ以外にも、育児で困っているママに対して、育児の支援を行なっている機関やサービス、人などを紹介したり、医師・歯科医師・保健師・管理栄養士などの各専門家から育児に関するアドバイスをもらう場としての役割も果たしています(※1)。

健診の実施場所は?

9ヶ月健診や10ヶ月健診は、集団で行う場合と個別で行う場合の2種類があり、それぞれ実施される場所が異なります。

集団で行う健診では、体育館や市役所など、一度にたくさんの赤ちゃんが受診できる大きな施設で行われることが多いようです。一方、個別で行う場合は、自治体が指定した病院などで行われます(※1)。

9・10ヶ月健診の内容は?

つかまり立ち 赤ちゃん 日本人

9ヶ月健診や10ヶ月健診では、赤ちゃんの身長や体重などを測るとともに、以下の確認を行うための検査も行います(※2)。

物のつかみ方の確認

ママの膝の上に抱かれている状態、あるいはつかまり立ちをしている状態など、赤ちゃんが泣かずに周囲に対して興味を示す状態で、親指と人差し指で物をつかませて、つかみ方を確認します。

赤ちゃんにつかませる物は、色のついた約3cmの立方体の積み木やパチンコ玉、ビー玉など様々です。

ハイハイの様子の確認

生後9ヶ月頃の赤ちゃんはお腹を床につけて手足を動かして移動する、いわゆる「ずりばい」をしますが、生後10ヶ月頃になると膝を床について移動する「ハイハイ」をするようになることが多いので、その様子を確認します。

つかまり立ちの様子の確認

生後10ヶ月ごろの赤ちゃんは、椅子やママにつかまらせるとしばらくの間立っていられたり、あるいは自分からつかまって立ち上がることができることが多いです。そこで健診では、赤ちゃんにつかまり立ちをさせたときの様子を確認します。

ホッピング反応の発達具合の確認

ホッピング反応とは、体が左右に倒れそうになったときに、バランスを取ったり体重を支えるために、倒れる方向へ足が出る反応のことです。生後9〜10ヶ月頃になると、この反応が赤ちゃんにもみられ始めるので、それを確認します。

パラシュート反応の発達具合の確認

パラシュート反応とは、赤ちゃんを抱っこした状態で前に落とそうとすると、両腕を伸ばし、手を開いて体を支えるような姿勢を取る反応のことです。生後9ヶ月頃には半数以上の赤ちゃんで、また生後10ヶ月頃には多くの赤ちゃんにこの反応がみられるため、その発達具合を確認します。

愛着の形成具合の確認

赤ちゃんとママの間に愛着が形成されているかを確認します。具体的には、ママがそばにいるときの遊び方や、ママがいなくなったときの様子、そして再びママが戻ってきたときの様子とその後の遊び方などから、どの程度愛着が形成されているのかを確認します。

9・10ヶ月健診でひっかかると病気なの?

赤ちゃん 日本人 泣く

9ヶ月健診や10ヶ月健診で検査にひっかかると、病気や発達の遅れを疑われたりすることがあります。以下はその一例です(※3)。

● 視覚異常
● 聴覚異常
● シャフリングベビー
● 精神面の発達の遅れ

これらが疑われる場合、発達を促すようなアドバイスをされたり、後日、病院などで専門医に診てもらうように勧められたりすることがあります。

ただし、9ヶ月健診や10ヶ月健診では「疑いがある」ということしかわからないことがほとんどです。赤ちゃんの成長には個人差があるため、ちょっとだけ他の赤ちゃんよりも成長が遅れているだけで、健診後に問題なく成長していくといった個性を見せる赤ちゃんもいます。

また、健診時に赤ちゃんが怖がっていたり、泣いていたりすると、正しく検査ができず、間違った結果が出てしまうことも考えられます。

9ヶ月健診や10ヶ月健診でひっかかったからといって、必ずしも赤ちゃんに異常があるわけではないので心配しすぎないでくださいね。

9・10ヶ月健診のときの服装は?

日本人 赤ちゃん 服

9ヶ月健診や10ヶ月健診のとき、赤ちゃんはどんな服装だといいのか悩みますよね。ロンパースがいいのか、それとも上下分かれた服の方がいいのだろうかと、悩んでしまうママは多いと思います。

9ヶ月健診や10ヶ月健診では、赤ちゃんの服を脱がせて診察するため、着替えがしやすい服装が基本です。それさえ押さえておけば、あとはロンパースでも上下分かれた服でもかまわないでしょう。

健診の会場にはすでにロンパースを卒業して上下分かれた服を着ている赤ちゃんもいれば、まだロンパースを着ている赤ちゃんもいます。しかし、赤ちゃんの成長には個人差があるので、どちらの方がいいということではありません。心配する必要はないですよ。

いざ服を脱がせるとなったときに慌てずにすむよう、普段着慣れている服の中から着替えがしやすいものを選んで着せてあげましょうね。

9・10ヶ月健診は積極的に受診しましょう

9ヶ月健診や10ヶ月健診では、様々な検査を通して、自分の赤ちゃんの成長具合を確認したり、実感したりできます。また、育児にまつわる日頃の悩みなどを専門家に相談できる貴重な場でもあるため、もし住んでいる自治体で9ヶ月健診や10ヶ月健診が行われていたら、積極的に受診しましょう。

「健診でひっかかってしまったらどうしよう…」と不安になってしまうママやパパもいるかもしれませんが、ひっかかったとしても必ずしも異常があるわけではありません。また、もし本当に異常があった場合は、早期発見と早期治療につながります。

赤ちゃんの健康と今後の成長のために、9ヶ月健診や10ヶ月健診をうまく活用したいですね。

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう