赤ちゃんが無邪気に笑う姿はとても微笑ましいですが、笑顔を出す・出さないは個性も関係しています。あまり笑わないからといって心配しすぎる必要はありませんが、ママやパパが赤ちゃんを笑顔にするために促してあげることは、コミュニケーションをとるという意味でもおすすめですよ。今回は、よく笑う赤ちゃんに育てる方法や、笑う・笑わない性格などについてご説明します。
赤ちゃんがよく笑うのはいつから?

赤ちゃんは新生児期から笑うことがありますが、生後0~2ヶ月にみられるのは「生理的微笑(新生児微笑)」といって自己防衛手段としての本能的なもの。
周囲の様子や表情を読み取って、感情を表現するために笑うのは生後3ヶ月頃からで、これを「社会的微笑(あやし笑い)」といいます。赤ちゃんがよく笑うようになるのは、この社会的微笑が起きてからです。
社会的微笑は、身近な人と知らない人を赤ちゃんが区別しているサイン。視力が発達する時期でもあり、ママが笑うと笑い返すという真似によって促されます。早いと生後2ヶ月でみられますが、生後6ヶ月頃から始まる子もいて、個人差が大きいものです。
社会的微笑が始まると、赤ちゃんは「笑顔」を好意的な表情であると認識します。相手が信頼できる相手であることがわかると笑顔を出すようになり、人間関係を築く基礎となるコミュニケーション能力を身につけていきます。
よく笑う赤ちゃんに育てる6つの方法とは?

赤ちゃんにも個性があるので、笑うタイミングや笑顔を向ける対象は様々です。しかし、そもそも「笑う」ということの意味が分からなければ笑顔になることができませんよね。
感情表現の仕方がまだわからない赤ちゃんに対して、笑顔を見せる機会やきっかけを教えてあげることが、赤ちゃんの笑顔を促すことにもつながります。
以下の方法を参考に、実践してみましょう。
1. たくさん笑いかける
赤ちゃんの笑顔はママやパパの笑顔を真似するところからはじまります。特別な反応を示さない時期からでも、たくさん笑いかけてあげましょう。
2.コミュニケーションを積極的にとる
ママやパパが話しかけることで、赤ちゃんに「安心」「信頼」「心地良い」という好意的な感情が芽生え、自然と笑顔を出すきっかけになります。
また、声の真似をしようとすることで「喃語」を発するきっかけにも繋がります。赤ちゃんが発した喃語に対してママやパパが反応すると、「気持ちが伝わった」という喜びが芽生え、笑うきっかけにもなります。
3. 赤ちゃんの行動に反応する
自分の行動に対して反応が返ってくると、赤ちゃんは嬉しくて笑いかけながらママやパパの反応を楽しみに待つようになります。
音楽が流れているときに赤ちゃんが体を揺らすような仕草をしたら、「楽しいね」「嬉しいね」と笑顔で話しかけてみましょう。赤ちゃんのちょっとした行動にも気を配って反応してあげてくださいね。
4. スキンシップをとる
人と触れ合う機会が多いほど赤ちゃんの情緒が安定し、社会性が高まるといわれています。抱っこしたり、膝の上に乗せたりと、親子で触れ合うことが大切です。
スキンシップをとることで「オキシトシン」という安心感を得られるホルモンが分泌されます。5~10分ほどのスキンシップでも十分なので、マッサージをしたり、抱きしめたりと、スキンシップをとる機会を増やしてみましょう。
5. 刺激を与える
視覚だけでなく、聴覚、嗅覚、触覚といった、全身の感覚を使って赤ちゃんを刺激してあげましょう。この時期は、まだ「痛い」「かゆい」「くすぐったい」といった、刺激の判別がついていません。
うちわでパタパタあおぐ、「いないいないばぁ」であやす、足の裏をくすぐるなど、楽しい刺激をたくさん与え、笑顔を引き出してあげてくださいね。
6. 妊娠中にチョコレートを食べる
「妊娠中にチョコレートを食べると、たくさん笑う赤ちゃんが生まれる」という実験結果が、フィンランドのヘルシンキ大学から発表されています(※1)。
これは、チョコレートに含まれるフェニルエチルアミンという成分が気分を高揚させるホルモンを分泌し、赤ちゃんに影響を及ぼすためとされていますが、妊娠中に糖分を摂りすぎるのは良くないので、ほどほどにしましょう。
赤ちゃんがよく笑うのは性格?

赤ちゃんが笑ったり笑わなかったりするのは、赤ちゃん自身の性格も影響しています。ママやパパがたくさん話しかけたり、笑顔を向けていたりしても、必ず毎回笑顔を返すとは限らないので心配しすぎないようにしましょう。
赤ちゃんの時点で性格が完全に決まっているわけではないので、よく笑わないからといって落ち込まず、積極的に笑いかけてあげてくださいね。
赤ちゃんがあまり表情を出したり笑ったりしない、周囲の働きかけとは関係なく自分ひとりの世界のなかで笑うことが多い、目が合わない、スキンシップを極端に嫌がる、といった様子が見られる場合は、自閉症の可能性が高いといわれることがあるため、少しでもそのようなことが見られると心配になるかもしれません。
しかし、自閉症に関する行動については、一般的に3歳くらいまでは判断が難しいとされています。
1歳前後の赤ちゃんでは明確に判断することはできませんが、普段の生活の中で気になる行動があれば、乳児健診時に相談してみましょう。
赤ちゃんと一緒によく笑う日々を
赤ちゃんはママやパパの笑顔を見て、触れ合うだけで自分が受け入れられている存在だと感じることができます。特別なことをする必要はなく、笑いかけたり、話しかけたり、一緒に過ごす時間を楽しみながら笑顔を引き出してあげましょう。
あまり構ってあげられないからといって、テレビやスマホばかりに子守りをさせてしまうのは、おすすめできません。わずかな時間でも赤ちゃんと過ごす時間を確保し、数分であってもコミュニケーションをしっかりとりながら、赤ちゃんを笑顔へと導いてあげてくださいね。