妊娠5ヶ月!妊婦さんと胎児の状態は?胎動を感じ始めるかも!

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠5ヶ月目からは、安定期に入ります。ほとんどの人がつわりもおさまり、体調の良い日が増えます。赤ちゃんは羊水の中で活発に動き回り、胎動を感じ始める人もいますよ。今回は妊娠5ヶ月目の妊婦さんのお腹や体重の変化、赤ちゃんの状態や胎動の感じ方などについてご説明します。

妊娠5ヶ月目はどんな時期?

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妊娠5ヶ月目は妊娠16~19週目の4週間にあたり、これから3ヶ月間を妊娠中期、いわゆる「安定期」と呼びます。

胎盤が完成して母体と赤ちゃんの状態が安定する時期です。体調が良くなるので、活発に動けるようになってきますよ。ただ、お腹がどんどん大きくなってくるので、体を動かすのが億劫になってくるかもしれません。

妊娠16週目

妊娠16週目頃の胎児は、皮膚に厚みが出て、体毛も生えてきます。皮膚の下には脂肪がついてきますよ。

聴覚も発達し、外の音が聞こえるように。妊娠16週目以降は、さらに積極的に話しかけてあげてくださいね。

妊娠17週目

赤ちゃんの成長に合わせて、妊娠17週目前後の子宮は、大人の頭ほどの大きさになっています。お腹がふくらんできて、背中を反らす姿勢になる人が多く、腰痛や便秘の症状に悩まされる人も増えてきます。

妊娠18週目

妊娠18週目には、胎児の頭の幅が約4cmになります(※1)。体の表面には細胞を保護するための体脂や、体脂を維持するための産毛ができます。

お腹が大きくなるだけではなく、体力を維持するために皮下脂肪を蓄えるようになるので、体重はさらに増加します。安定期に入り体調が安定している分、食事もおいしく感じられてつい食べ過ぎてしまいがちですが、適度な量を心がけてくださいね。

妊娠19週目

妊娠19週目の胎児は、身長約25cm、体重約250gです(※1)。新生児の半分くらいの身長になりました。活発に動くようになるので、胎動も頻繁に感じられるようになりますよ。

お腹がだいぶ前にせり出してきます。ホルモンの影響によってシミや黒ずみなどの色素沈着が起こりやすくなっているので、紫外線対策を忘れないでくださいね。

妊娠5ヶ月目は過度な体重増加に注意!お腹の大きさは?

女性 体重計 

妊娠5ヶ月目の終わりには、子宮の大きさが大人の頭くらいになります。妊娠前はニワトリの卵くらいの大きさだったことを考えるとびっくりしますね。

服を着ていても明らかに妊婦だとわかるような体型に。ウエストや腰のまわりだけではなく、乳腺が発達して乳房も大きくなり、体全体がふっくらしてきます。

妊娠5ヶ月の頃に必要なカロリー摂取量は、妊娠前の+250kcalが推奨されます(※2)。ご飯ならお茶碗1杯分ほどの量を増やした食事が適量です。

この時期はつわりが落ち着いてくることも多く、食欲が増してついお菓子や高カロリーのものを食べたくなることがあります。しかし妊娠中は脂肪を蓄えやすい体になっているので、必要以上に体重が増えることもあります。

過度な体重増加は妊娠中や出産時に影響を及ぼしやすいので、食事量や食事内容を見直し、適切な摂取カロリーと栄養バランスの取れた食事にしていきましょう。

妊娠5ヶ月目には戌の日のお祝いをしよう

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日本では、妊娠5ヶ月目に戌の日のお祝いをする習慣があります。日本独自の行事で、妊娠5ヶ月目の最初の「戌の日」に、妊婦さんが腹帯を巻いて安産祈願のお参りします。犬のお産は軽くすみ、一度にたくさんの子供を産むことにあやかった風習だといわれます。

昔は妻の実家から腹帯を贈られていましたが、最近は神社や産院で購入するのが一般的です。

安産祈願は神社や一部のお寺で行うことができますが、戌の日が週末や大安と重なるとどこも混雑して事前予約が必要な場合もあります。予定の調整も必要になるので、できるだけ早いタイミングで前もって調べておきましょう。

妊娠5ヶ月目頃はゆったりと旅行を楽しもう

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「妊娠中に旅行にでかけてもいいのかな?」と悩んでいる人もいると思います。妊娠中でも体調がよいときなら、無理のない計画を立てて旅行に行くことはできます。できれば、流産の可能性が低くなって、お腹も大きくなりすぎていない安定期の期間がおすすめです。

飛行機で遠出することもできますが、長時間同じ姿勢でいつづけるのは体への負担も大きいので、フライト時間が長くなりすぎない距離にとどめておいたほうが安心ですよ。

ただ、旅行にいく予定を立ててもママの体調が最優先なので、少しでも調子が悪いと思ったときは無理をしないこと。また妊娠中は少し環境が変化するだけでも体調を崩すこともあります。

リスクをしっかりと知ったうえで、体調管理に気をつけて、ゆったりした時間を過ごせるような計画を立ててくださいね。

また、妊娠高血圧症候群などの合併症や、切迫早産の傾向がある人には、旅行はおすすめできません。事前に医師に旅行について相談し、許可をもらってから出かけると安心ですね。

妊娠5ヶ月の胎児の大きさは?

妊娠17週 エコー写真
妊娠5ヶ月目の終わりには、胎児の身長は約25cm、体重は約250gに成長します(※1)。全身に産毛が生えることで赤ちゃんを羊水の刺激から守り、皮下脂肪を蓄えて体温を保てるようになりますよ。

頭と体のバランスが整い、3頭身になるので、人間らしい姿に一段と近づいてきました。手足の指には指紋が作られ、髪の毛や眉毛なども生えてきます。聴覚も発達するので、ママの声に耳を澄ませているかもしれませんね。

生殖器はでき上がっているので、エコー検査では性別が判明することもあります。ただ、赤ちゃんが逆を向いていたり、足を組んでいたりすると確認ができないので、「判明したらラッキー」くらいの気持ちで、赤ちゃんの成長を見守ってあげましょう。

妊娠5ヶ月目に胎動を感じる!?

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妊娠3ヶ月目頃から赤ちゃんはお腹の中で手足を動かしたり、体をぐるりと回転させたりして活発に動き回っていましたが、まだ小さかったので胎動には現れませんでした。

それが妊娠5ヶ月目の後半になると、赤ちゃんも大きくなり、体が子宮壁に当たって胎動となって現れるようになります。経産婦だと妊娠18週目頃から感じる人もいますが、初産の人は妊娠20週目前後で感じることが多いようです(※3)。

胎動を感じ始めるのが遅くても、医師から特別な指導を受けていなければ、あまり心配しないでくださいね。お腹のあたりに「うにょうにょ」「ポコポコ」といった動きを感じたら胎動かもしれません。まだ感じていない人は楽しみに待っていてくださいね。

胎動を感じ始めたら、ポコッと感じたところを軽く叩き返す「キックゲーム」をしてみましょう。ママが叩いたところを赤ちゃんはキックして返してくれるかもしれません。ママが叩いた回数と同じ数だけ蹴ってくれることもありますよ。

お腹を優しくなでたり、話しかけたりしながら、お腹の赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんでくださいね。

妊娠5ヶ月の腹痛やお腹の張り、出血に要注意!

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妊娠5ヶ月目に入れば、胎盤が完成したことで流産する確率はかなり低くなります。しかし、流産をする可能性がゼロになるわけではありません。

後期流産を起こさないためには、引き続き体調管理に努めましょう。特に腹痛やお腹の張り、出血が現れたときには切迫流産を疑って早めに病院を受診してください。胎児側に異常がなくても「常位胎盤早期剥離」のように胎盤が子宮からはがれてしまうこともあります。

こうした母体側で起こる疾患は、喫煙をしない、過剰に体を動かしすぎない、お腹をぶつけないなど、日々の生活の心がけで予防できることもあります。安定期に入ったとはいえ何が起こるかわからないということを忘れずに過ごしましょう。

妊娠5ヶ月目には出生前診断を受けるか判断する時期

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出生前診断とは、胎児に奇形や病気、染色体異常がないかどうかを調べる検査の総称です。NIPT(新型出生前診断)、羊水検査、母体血清マーカーテストなど大きく分けて5種類の検査があります。

出生前診断を受ける場合、妊娠15~19週前半頃までに行うことが望ましいとされています(※3)。そのため、妊娠5ヶ月目の前半で検討しておかなければなりません。

検査は任意で保険適用外のため、高額な費用がかかるものもあります。また、診断の結果をどう受け止めるのかはとても慎重な判断を要します。

自分一人ではなく、家族みんなの問題でもあるので、医師とも相談しながら判断してください。

妊娠5ヶ月目には里帰り先の病院も検討しよう

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分娩の予約時期は産院によって異なりますが、妊娠20週までにするように案内しているところが多くあります。里帰り出産を希望する人は、妊娠5ヶ月目の間には里帰り先の病院を探して、分娩予約をするとよいでしょう。

里帰り出産をするのか、するなら病院をどこにするのか、今のうちから旦那さんともよく話し合いましょう。いざ里帰りするとなれば、分娩予約後にはいろいろな準備が必要になります。産後にどれだけ滞在するのか、赤ちゃん用品はどうするのかなどをよく検討しましょう。

昔住んでいたとはいえ、知らないことも多いと思いますので、事前に情報収集をしてうまく段取りすることが大切です。しっかりと準備をして、みんなが納得できる形での出産を迎えてくださいね。

妊娠5ヶ月目は安定期でも無理は禁物

安定期に入って体が楽になると、外出や運動ができるようになります。体重をコントロールするためにも、ウォーキングなどの軽めの運動を始めるのがおすすめですよ。マタニティヨガやマタニティスイミングなどができるようになるので、楽しみながらできる運動を見つけてくださいね。

調子が良いとつい無理をしがちですが、お腹が大きくなると体にも負担がかります。適度な運動にとどめておき、運動後には十分に体を休めて、無理のないように過ごしましょう。

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