妊娠17週にはお腹がだいぶ大きくなり、今まで以上に妊婦さんらしくなってきます。体調がよければ食事や運動も自由にでき、比較的安定する時期です。なかには初めて胎動のような動きを感じて、お腹に赤ちゃんがいることを改めて実感する人もいるかもしれません。今回は、妊娠17週の妊婦さんと赤ちゃんの変化についてご説明します。
妊娠17週のお腹の大きさは?体重や姿勢で気をつけることは?

妊娠17週の子宮は、赤ちゃんの頭くらいのサイズになりました。子宮底長は個人差がありますが、だいたい12~15cmの間くらいです(※1)。
体重は妊娠前と比べてまだほとんど増えてない人もいると思いますが、この時期は赤ちゃんがどんどん大きくなっているため、体重も自然と増えていきます。
日本産婦人科学会によると、妊娠中の体重増加目安は以下のとおりです(※2)

上記を参考に、急激な体重増加や過度に不足することがないよう、栄養バランスのとれた食事や適度な運動を意識しましょう。
また妊娠17週以降、お腹が大きくなるにつれて、お腹を支えるように背中を反らした不自然な姿勢になりがちです。この姿勢は腰に負担をかけやすく、この頃から腰痛に悩む人も増えてきます。
普段の姿勢に気をつけるのはもちろん、寝るときの姿勢を工夫したり、ストレッチをしたりして、腰痛の予防を心がけてくださいね。
妊娠17週に見られるトラブルは?お腹の張りが出る?

胎児の成長にともなって、子宮に送らなければならない血液の量が増加します。それにより、妊娠前は1分あたり約70回だった安静時の心拍数が、妊娠中は1分あたり80回前後まで増えます(※3)。何もしていなくても心臓に負担がかかっている状態なので、少しの動作で動悸が激しくなったり、息苦しくなったりすることがあります。
その上、妊娠17週頃からは、大きくなった子宮が横隔膜を圧迫することで、動悸や息切れを起こすこともある時期です。安定期に入り運動を始める妊婦さんも多いと思いますが、体を動かすときは無理をしすぎないようにしましょう。
また、妊娠17週頃からは、いわゆる「お腹の張り」を感じることがあるかもしれません。お腹の張りは子宮収縮が原因で、疲労やストレスが溜まったときに起こりやすくなります。
「お腹が張っているな」と感じたら、横になって休みましょう。特に問題がない場合、安静にしていれば張りは徐々に落ち着きます。安静にしていても張りがひかないときは、かかりつけの産婦人科を受診してください。
妊娠17週の胎児の大きさは?

妊娠17週の赤ちゃんは、大人の手の平に乗るくらいのサイズです。エコーで見たときに赤ちゃんが小さいと不安を感じるかもしれませんが、発育には個人差があるので、妊婦健診で医師から異常を指摘されなければ問題ありません。
赤ちゃんの骨格や体のパーツははっきりしてきているので、エコー検査ではその姿がよく見えてきます。手足に指紋ができるなど、体の細部も作られてくる頃です。
妊娠17週にはエコー検査で性別が判明するかも?

胎児の性別は、妊娠17~18週頃からわかるようになってきます。ただ、エコーで見たときに、赤ちゃんが足を組んでいたり、背中を向けていたりすると判別できないので、「妊娠17週に性別判定ができたらラッキー」くらいに考えておきましょう。
また、エコーでの性別判定は、結果が100%正しいわけではありません。性別がわかっても、生まれてくるまではどちらの可能性もあることを心にとめておいてください。
妊娠17週からは胎動を感じられる?

胎動を感じ始めるのは、初産婦で妊娠20週前後、経産婦で妊娠18週前後が一般的です(※3)。そのため妊娠17週になると、早い人は胎動を感じ始めるかもしれません。
胎動は、赤ちゃんが元気かどうかを知るバロメーターでもあります。胎動を感じられるようになったら、毎日感じるか、感じ方に変わりがないかなどに気を配りましょう。
胎動を一度感じるようになったのに急に感じなくなったら、赤ちゃんに何らかのトラブルが発生している可能性もあります。その場合、早めにかかりつけの産婦人科に相談してください。
胎動をまだ感じられなくても、妊娠17週頃の赤ちゃんは聴覚が発達してきているため、この頃から胎教を始めるのもおすすめです。
胎教は、赤ちゃんの脳を刺激するともいわれていますが、科学的根拠があるわけではありません。「教育」というよりも、赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しむ目的で行えるといいですね。
「音楽を聴く」「話かける」「絵本を読む」「お腹をなでる」など、ママが楽しみながらリラックスできる胎教を、いろいろと試してみましょう。声をかけながらお腹をさすってあげると、胎動として反応が返ってくることもあるかもしれませんよ。
ただし、お腹が張りやすい人がお腹をさすると余計に張ってしまうので、注意してくださいね。
妊娠17週には出生前診断を受けるか決めておこう

赤ちゃんの染色体異常や先天性の病気を調べる出生前診断には、羊水検査、母体血清マーカーテスト、NIPT(新型出生前診断)など様々な検査方法があります。
このうち、羊水検査は妊娠15週以降で受けられますが、結果が出るまでに2週間ほどかかるため、遅くとも妊娠19週の前半頃までに受けるのが望ましいとされています(※3)。
受けられる期間が迫ってきて焦るかもしれませんが、検査を受けるかどうか、受けるとしたら検査結果をどう受け止めるかなど、家族とよく話し合ってから決めましょう。
検査を受けるか決める前に、カウンセリングをしてくれる産婦人科もあるので、迷うときは専門家に相談しても良いかもしれません。家族みんなが納得できる決断ができるといいですね。
妊娠17週頃から赤ちゃんの名前も考え始めよう
性別が判明してくる妊娠17週頃から、赤ちゃんの名前を考える人も出てきます。夫婦で子供の名前を考えるのはとても幸せな時間です。2人で赤ちゃんのことを想像しながら、素敵な名前をつけてあげてくださいね。
名前を考えるようになると、今まで以上に赤ちゃんを想う気持ちが強くなってきますが、その分、出産や子育てに対する不安が増えてくるかもしれません。
妊娠中の精神的な安定をはかるためにも、体調が安定している今の時期から少しずつ、出産や産後の生活に向けた準備を始めましょう。赤ちゃんが生まれたあとの楽しい時間を想像しながら、不安を少しずつ解消していけるといいですね。