妊娠16週!胎動はあるの?お腹や胎児の大きさは?

監修専門家 看護師、助産師 河井 恵美
河井 恵美 看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力... 監修記事一覧へ

妊娠16週は、妊娠5ヶ月の最初の週です。赤ちゃんもママの体も不安定とされる「妊娠初期」がようやく終わり、今週から「妊娠中期」、いわゆる「安定期」に入ります。妊娠16週以降は体調が安定し、流産のリスクもかなり低下します。妊娠中でもっとも活動しやすい時期ですが、自分の体や赤ちゃんはどんな状態か、注意すべきことはないのかなど気になることも多いですよね。今回は妊娠16週の妊婦さんと赤ちゃんの状態や、この頃にやっておきたいことについて詳しくご説明します。

妊娠16週のお腹の大きさは?つわりは落ち着く?

妊婦 お腹2

妊娠16週の子宮は、妊娠15週とそこまで変わらず、新生児の頭くらいの大きさです。外から見ても、お腹がふっくらしているのがわかるようになってきました。ウエストや腰回りにも脂肪がつき、胸も大きくなって、体全体がふっくらした印象になります。

妊娠前に着ていた服はきつく感じてくるので、無理に着ようとせず、ワンピースなどのゆったりした服や、マタニティウェアに切り替えましょう。

妊娠16週にはほとんどの人がつわりも治まり、自由に食事ができるようになります。基礎体温も下がり、熱っぽさやだるさなどの不調も和らぎますよ。

体調が良くなることで食欲が増しますが、妊娠中の負担を軽減するために体重増加量は意識しましょう。日本産婦人科学会は、妊娠中の体重増加量について以下の目安を提示しています(※1)。

妊婦 体重増加目安 2021年3月改定 BMI値

また、厚生労働省によると、妊娠14週0日〜27週6日までの摂取カロリーは、妊娠前に摂取していたカロリーの+250kcalほどが理想です(※1)。急激に増加しないよう、栄養バランスのとれた食事を心がけてくださいね。

妊娠16週にお腹が苦しいときの対処法は?

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妊娠16週にもなると、お腹が大きくなって、苦しく感じることが多いと思います。そんなときは、体の左側を下にして横たわる姿勢「シムスの体位」を取ってみましょう。お腹の苦しさが和らぐほか、血行もよくなりますよ。

横たわるときに抱き枕やクッションを抱くとよりリラックスできるので、自分に合うクッションを見つけるのもおすすめです。妊婦さん用に開発されたものや、産後に授乳クッションとして使えるものもありますよ。

これからますますお腹が大きくなり、寝苦しくなってくるので、今のうちに快適な寝方を見つけておくと安心です。

妊娠16週の胎児の大きさや胎動は?エコーで性別がわかる?

妊娠16週 エコー

妊娠16週が始まる前頃の赤ちゃんは身長16cmほどですが、妊娠19週の終わりには25cmほどまで大きくなります(※2)。4週間で約10cmも大きくなるため、妊娠16週の赤ちゃんも、お腹のなかでどんどん成長していますよ。

ただし、妊娠16週になると赤ちゃんの成長スピードにも個人差が出てきて、平均より大きい子も、小さい子もいます。妊婦健診の際に体の大きさについて特に指摘がなければ、過度に心配する必要はありません。

この頃から赤ちゃんは、「呼吸様運動」という呼吸の練習をはじめます。生まれるまで肺呼吸はできませんが、その準備のために、羊水を飲んで肺のなかでふくらませ、また吐き出しています。

お腹のなかの動きも活発になり、早ければ胎動を感じることもあるかもしれません。ただし胎動は20週前後に感じ始める人が多いので、まだ感じられなくても心配はいりません(※3)。

また、早くて妊娠17~18週頃にエコーで外性器の形が確認できることがあります(※2)。もう間もなく、赤ちゃんの性別がわかりますよ。

妊娠16週に入ったら妊娠報告を考えよう

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妊娠初期の間はママの体も赤ちゃんの状態も不安定なので、妊娠報告に慎重になっていた人も多いと思います。職場の上司や身近な人には伝えていても、親戚や友人には控えていたかもしれません。

妊娠16週に入ったら体調も落ち着いてくるので、周囲への報告を進めてはいかがでしょうか。妊娠中から報告したほうがいいのか、出産した後の報告でもいいのかを検討した上で、折を見て順番に報告してくださいね。

妊娠16週は「戌の日」の安産祈願を

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妊娠5ヶ月目には「戌の日」の安産祈願があります。

「戌の日」とは、犬のお産が軽いことにあやかった昔からの風習で、腹帯を巻いて神社に安産祈願のお参りをすることです。昔はママの実家から腹帯が送られることが多かったのですが、現在は自分で購入したり、神社で用意してもらったりするのが一般的です。

安産祈願をできる神社はたくさんありますが、「休日」「戌の日」「大安」の3つが重なる日はどの神社も大混雑します。予約が必要な神社もあるので、事前に確認しておきましょう。

ただし、必ずしも戌の日や妊娠5ヶ月目に安産祈願をしなければいけないわけではありません。体調がすぐれないときは無理をせず、ママの体調を最優先にしてお参りをしてくださいね。

妊娠16週以降の旅行はリスクも頭に入れて

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妊娠16~27週の妊娠中期には、体調の良い日が増えます。気持ちが落ち着き、元気に動ける時期です。妊娠後期に入るとお腹がかなり大きくなって、動くのも大変になるため、この間に旅行を計画するのも良いかもしれません。今のうちにパートナーとの時間を楽しみましょう。

ただし、体調が急変することもあるので無理は禁物です。今までの妊娠経過が順調だったとしても、何が起こるかわからないのが妊娠・出産。旅先でトラブルが起きたり、破水したりといったリスクがあるということは頭に入れたうえで、どうするか考えてくださいね。

体の状態は人それぞれ違うので、念のため事前に医師に確認し、旅行に行くとしても、ゆったりできる場所を選ぶことをおすすめします。

妊娠16週には里帰り出産先の分娩予約を検討しよう

病院 受付 カルテ

分娩予約の時期は産院によって異なりますが、妊娠20週までに行う必要があるところが多いようです。里帰り出産を考えている人は、早めに里帰り先の病院を探し、分娩予約をしておきましょう。

里帰り出産を行うときは、これまで通っていた病院に紹介状を書いてもらったり、分娩先の病院で改めて検査を行ったりする必要があります。どんな準備が必要か、一度洗い出しておきましょう。

今のうちに、パートナーと一度よく話し合っておくのも大切です。里帰り出産のメリットとデメリットを考えて、みんなが納得できる方法で出産できるといいですね。

妊娠16週の安定期でも無理は禁物

妊娠16週はお腹がふっくらとして、マタニティウェアを着用する妊婦さんも増えてくる時期です。周囲から妊娠していると気づかれることも多くなり、妊娠している実感が高まりますね。

ただ、安定期に入ると体が楽になってうれしい気持ちになり、ついつい無理をしてしまいがちです。これまでできなかった運動や外出ができるようになりますが、無理はしない程度に、うまく気持ちのリフレッシュをしていきましょう。

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