出産のために一時的に実家に帰る「里帰り出産」を選択する人もいれば、そうでない人もいますよね。里帰り出産をしない場合、出産前から出産後の慌ただしい時期をパートナーと二人で乗り越える必要があるため、不安に感じることもあるかもしれません。
今回は、里帰り出産をしない妊婦さんに向けて、産前・出産・産後を乗り切る工夫や心得をご紹介します。
里帰り出産しない人は多いの?
里帰り出産は日本ならではの習慣で、昔は妊婦さんの多くが里帰り出産をしていました。
現在は以前と比べると、里帰りをせず自宅で産前・産後を過ごす人が増えてきたといわれています。
里帰り出産をしない理由は、実家の両親に頼れない、パートナーが育休を取る、上の子の生活を優先したい、など各家庭によってさまざまです。また、実家に頼ることはできるけど、あえて里帰りせず、パートナーと二人だけで育児をすることを選ぶ人たちもいます。
里帰り出産をするか・しないか、どちらがいいといった決まりはないので、パートナーや家族とよく話し合ってから決めるといいでしょう。
里帰り出産しないメリットは?
里帰り出産しないメリットとして、一般的に以下のようなことが考えられます。
● 妊婦健診のときから通い慣れている病院で出産ができる
● 出産時にパートナーが立ち会いやすい
● パートナーと一緒に育児をスタートできる
● 親から育児について干渉されにくい
● 産後に必要な手続きがしやすい
● 産後間もない時期から友人や知人が赤ちゃんに会いに来ることができる など
里帰り出産しないとどんなことが大変?
一方で、里帰り出産をしない場合、一般的に以下のようなことが大変と感じる人が多いようです。
● パートナー以外に、いざというときに頼れる身内が近場にいないことがある
● 破水や陣痛が起きたときにパートナーが不在だと、一人で病院へ行かなくてはいけない
● 出産後、育児や家事をパートナーとしか分担できないため、ゆっくり休めないことがある
● パートナーが仕事に行っている間などは、一人で育児をしなくてはいけない など
里帰り出産しない場合に心得ておきたいことは?
里帰り出産しないと決めたら、以下のポイントについてパートナーとよく話し合っておきましょう。
お産が始まったときのこと
パートナーが家にいないときに陣痛や破水が起きた場合、基本的には妊婦さん一人で病院へ向かうことになります。
交通手段を考えておき、荷物は必要最低限のものを入れたバッグと後からパートナーが持っていくバッグで分けておくなど準備をしておきましょう。
いざ陣痛や破水が起きると焦ってしまうものなので、どういった手順や手段で病院やパートナーに連絡を取るのかも決めておくと安心です。
入院中と産後の家事のこと
分担していた家事について、入院中や産後はどうするのか具体的にパートナーと相談しておきましょう。
産後しばらくは体の回復が最優先になります。家事はできるだけパートナーに任せるか、家事代行サービスなどを利用するなどして、しっかりと体を休ませられるようにしてくださいね。
パートナーが育休をいつとるのかなど仕事の状況を含めて、出産後の家事をどうするか話し合っておくと安心ですよ。
里帰り出産しないとき食事はどうする?
里帰り出産をしない場合、特に気がかりなのは毎日の食事の準備ではないでしょうか。
パートナーが料理が得意だったり、日常的に食事の準備をしていたりする問題はありませんが、そうでない場合はどうしたらいいのか心配になるかもしれません。
出産直前はお腹がかなり大きくなるので台所に立つのは大変です。さらに出産後しばらくは、体が回復しないなかで育児に追われるので、食事をゆっくりと準備する余裕はほとんどないでしょう。
産前・産後は栄養バランスに気をつけたい時期ではありますが、以下のような工夫をしてできるだけ無理しないようにしてくださいね。
● デリバリーや宅配弁当などのサービスを利用する
● 冷凍食品やレトルト食品を活用する
● パートナーに仕事帰りに惣菜を買ってきてもらう。
また、産後約1ヶ月間は基本的に外出ができないので、買い物はパートナーにまとめ買いしてきてもらうか、ネットスーパーや宅配サービスで注文するのがおすすめですよ。
里帰り出産しない妊婦さんやママにおすすめのサービスは?
里帰り出産をしない場合、パートナーと協力することが大切ですが、二人だけで乗り切るのは難しいこともあります。
妊婦さんや産後ママ向けの支援やサービスはたくさんあるので、上手に活用しましょう。
以下に、里帰り出産をしない妊婦さん・ママにおすすめのサービスをご紹介するので参考にしてくださいね。
陣痛タクシー
妊婦さん向けのタクシーサービス「陣痛タクシー」は、事前に出産予定日や自宅の住所、出産する病院を登録しておけば、陣痛や破水が来たときに電話1本ですぐにタクシーが迎えに来て病院まで送ってくれるサービスです。
実施するタクシー会社が増えてきていて、病院までスムーズに送ってもらうことができるので、パートナーがいないときに陣痛や破水が起きても安心ですね。
24時間365日受付可能で、車内で破水しても大丈夫なように防水シートが完備されたタクシーもありますよ。
産後ドゥーラ
産後ドゥーラとは、産後のママに寄り添ってサポートをしてくれる人のことです。
海外では助産師とは別の職業として確立されていて、日本でも注目されるようになってきました。専門の資格を持ったドゥーラが自宅に来て、育児や家事、心のケアといったサポートをしてくれます。
産後、体をしっかり休めなくてはいけない時期に、特におすすめのサービスですよ。
産後ケアセンター
産後ケアセンターは、産後間もないママが赤ちゃんと一緒に過ごしながら、体や心を休めて回復させるための宿泊施設です。
助産師や看護師、小児科医、臨床心理士といった専門家が常駐していて、24時間体制でママと赤ちゃんのケアにあたります。
宿泊期間は、1泊2日から最大で2〜4週間までと、各施設ごとに決められています。
出産した病院や助産院に産後ケアセンターが併設されている場合は、出産して入院期間が終わったあとそのまま利用できるところがほとんどです。
不安や疑問があれば助産師やスタッフにすぐに相談でき、同時期に出産したママたちと過ごすことで孤独を感じなくてすむのも産後ケアセンターの魅力といえます。
お住まいの自治体によっては補助金が出ることもあるので、事前に確認してみてくださいね。
家事代行やファミリーサポート
住んでいる市区町村によっては、産前・産後のママ向けに家事代行やファミリーサポートのサービスを行っているところもあります。
ベテランのヘルパーが自宅に来て、家事や赤ちゃんのお世話をしてくれるので、ママはその間に体を休めることができます。妊娠中は出産に対する不安や育児の疑問などを相談できるのも心強いですね。
2〜3回までは無料でサービスを受けられることもあるので、まずはお住まいの自治体に確認してみましょう。
里帰り出産しないときは、まわりに頼ろう
里帰り出産をしない場合、産前から産後までたくさんのことをパートナーと二人だけででやらなくてはなりません。
里帰りしないことで不安があるときは、今回ご紹介したようなサービスを利用したり、先輩ママや知人に情報を聞いたりして、できるだけまわりにも頼るようにしましょう。パートナーと協力しながら新しい家族を迎え入れる準備をし、楽しく育児をしていけるといいですね。