出産を終えたママは、まずは自分の体を回復させることが大切です。しかし、パパは仕事が忙しく両親や義両親にも頼れないというママは、家事・育児をほぼ自分一人で行わなければならず、体の回復は二の次になってしまうことも。ただでさえ、産後は慣れない生活で疲労や孤独を感じやすいので、心身ともに疲れきってしまうママは多くいます。今回は、そんな産後のママを助けてくれる「産後ケアセンター」についてご紹介します。
産後ケアはなぜ大切なの?
産後ケアとは、出産によって変化したママの体や心のケアをしながら、育児や家事をサポートすることです。
一昔前なら、同居している両親や義両親、または里帰り先の家族が育児や家事を手伝ってくれたので、産後のママは自分の体を癒すことができました。しかし、核家族化が進んだことにより、誰にも頼れず一人で不安を抱えながら赤ちゃんと二人きりの生活をしているママが増えています。
こういった産後の大変さや孤独感が積み重なって産後うつや育児ノイローゼを引き起こすこともあるため、産後ケアが重要となってくるのです。
産後ケアセンターとは?
「産後ケアセンター」とは、産後間もないママが赤ちゃんと一緒に過ごしながら、体や心を回復していくための宿泊施設です。
助産師や看護師、小児科医といった専門家が常駐しているので、ママの心身をサポートしてもらいながら、赤ちゃんのお世話や母乳育児について教えてもらうことができます。
産後ケアセンターは産後院と呼ばれることもあり、主に病院や助産院、クリニックに併設されています。産後ケアセンターとして独立した施設もあります。
産後ケアセンターで受けられるサービスは?
産後ケアセンターでは、助産師を中心として臨床心理士や看護師など専門のスタッフが、24時間体制でママと赤ちゃんのケアにあたります。
産後ケアセンターに入所すると、タイムスケジュールに沿って、ママと赤ちゃんの健康状態のチェック、授乳指導、沐浴指導などが行われます。滞在中は栄養バランスのとれた食事が提供され、ママは体の回復に努めることができます。
授乳がつらいときは赤ちゃんをあずけてゆっくり休むこともでき、骨盤ケア、ヨガ、アロママッサージなど母体の回復を促すプログラムが用意されているところもあります。
不安や疑問があれば助産師やスタッフにすぐに相談でき、同じ時期に出産したママと過ごすことで孤独を感じなくてすむのも産後ケアセンターの魅力です。
産後ケアセンターでの1日の過ごし方(例)
10:00 入所
11:00 ママの健康チェック
12:00 昼食
13:00 授乳指導
14:00 赤ちゃんの健康チェック
15:00 間食
16:00 沐浴指導
18:00 夕食
20:00 リラクゼーション
22:00 就寝
ママと赤ちゃんのペースにあわせて、夜中の授乳を進めていきます。パパや家族との面会時間が設けられている施設もあります。
産後ケアセンターを利用できるのはいつ?
産後ケアセンターを利用できる時期は、各施設によって異なります。出産後4ヶ月未満のママを対象としたところもあれば、産後10週未満のところ、また産後8週以内としているところもあります。
宿泊期間も、1泊2日から最大で2週間まで、4週間までなど、各施設ごとに決められています。
出産した病院や助産院に産後ケアセンターが併設されている場合は、出産して入院期間が終わったあと、そのまま利用できるところがほとんどです。
出産した病院や助産院に産後ケアセンターがない場合や、退院後しばらくしてから産後ケアセンターを利用する場合は、直接センターに連絡をとって入所する日を決めます。
産後2週間ほどは料理や洗濯といった家事もなかなかできないので、その期間に産後ケアセンターに宿泊するというママも多いようです。
産後ケアセンターの予約方法は?
ここ数年で産後ケアセンターに注目が集まっていることもあり、どの施設も人気が高く、利用するためには事前予約が必要なケースがほとんどです。妊娠8ヶ月頃から仮予約を受け付けているところも多いので、直接連絡をとって産後に入院ができるかどうか状況を把握しておきましょう。
仮予約をした場合は、出産後に再度連絡をして利用希望日を伝え、空きがあれば利用することができます。
予約方法は各施設で異なるため、ホームページやパンフレットでしっかりと確認をしておいてくださいね。
産後ケアセンターの利用料金は?
産後ケアセンターの利用は1泊2日で25,000円~30,000円が相場ですが、施設によって違います。
サポート内容やオプションによっても金額は変わるので、総額でいくらくらいになるのか事前に確認しておきましょう。上の子やパパが一緒に宿泊するときには別途料金が発生します。
また、市区町村によっては産後ケアセンターの費用を補助する制度があります。正規料金よりも格段に安く利用できることもあるので、住んでいる地域の役所で補助制度があるかどうか事前に確認しておくといいですね。
宿泊以外で産後ケアセンターを利用できる?
産後ケアセンターは基本的に宿泊施設ですが、日帰り利用ができるところもあります。日中に一人で過ごすのが不安だったり、食事を作るのが大変だったりするママにとって、9〜18時頃までのデイケアサービスを利用するだけでも大きなサポートとなります。
「夜はパパが帰ってきて赤ちゃんのケアをしてくれる」「費用を安く済ませたい」というママにもおすすめですよ。
産後ケアセンター以外のサービスは?
産後ケアセンター以外にも、産後ケアを受けられるサービスはいくつかあります。
「産後ヘルパー」は、自宅に産後サポートのヘルパーを派遣してもらうシステムです。産後ケアセンターよりも比較的自由度が高く、産褥期だけではなく、産後6ヶ月頃まで利用するママもいるようです。
サポートの内容や業者によって費用は異なりますが、1時間当たり1,500円~3,000円が相場です。地域によっては自治体が補助してくれることもあるので、事前に確認しておきましょう。
また、旅行会社などが行っている「産後レスパイト」と呼ばれる産後ケアもあります。赤ちゃんと一緒にホテルに宿泊し、助産師がママの心身のケアや赤ちゃんのお世話をしてくれます。
宿泊期間は1泊2日〜3泊4日といったように短いですが、ホテルでリラックスして心と体を休めることができますよ。
この他にも、専門の資格を持った「ドゥーラ」と呼ばれる女性が家庭に訪問してくれ、産後のママの家事や育児をサポートしてくれるサービスもあります。
産後ケアセンターの利用は妊娠中に検討を
産後ケアセンターをはじめ、産後に利用できるサービスは妊娠中から調べておくことが大切です。
パパが協力的な家庭でも、初めての育児を夫婦二人だけで行うことは大変なこと。1泊2日だけでもママと赤ちゃんが産後ケアセンターを利用することで、ママもパパもゆっくり体を休めることができますよ。
産後ケアセンターを上手に利用して、リラックスした気持ちで赤ちゃんとの生活をスタートできるといいですね。