産褥期とは?産後の過ごし方は?外出はいつから?

記事監修 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 続きを読む

約10ヶ月かけて赤ちゃんを育んできたママの体は、出産したらすぐに妊娠前の状態に戻るわけではありません。産後の体が時間をかけて回復する期間を、医学的には「産褥期」と呼んでいて、この時期の過ごし方が回復度合いにも影響してきます。そこで今回は、産褥期とはどういうもので、いつからいつまでなのか、回復を早めるために産褥期をどう過ごせばいいのか、外出はいつからできるのかをご説明します。

産褥期とは?

リラックス

産褥期とは、産後6〜8週間の時期をいいます。出産でたくさんのエネルギーを使うので、どれだけお産がスムーズだったとしてもママの体は少なからずダメージを受けてしまいます。妊娠で変化した体が、妊娠する前の元の状態に戻るまでには時間がかかり、この「出産してから体が完全に回復するまで」の期間が産褥期です。

産後の過ごし方は?回復を早めるには?

食事

産褥期の過ごし方で、ママの体の回復スピードが左右されます。産後徐々に体が回復することを「産後の肥立ち」と呼びますが、この産後の肥立ちは産褥期の過ごし方で変わってきます。ここでは、産後の回復を早めるための過ごし方をご紹介します。

安静にする

産褥期の回復を早めるには、安静にするのが一番です。よほどのことがない限りは外出も控えて、体を動かしすぎないことです。この時期は悪露で出血が続き、貧血になりやすい時期なので、めまいや動悸を感じたときは無理をせず横になりましょう。

産褥体操をする

産後しばらくは運動できませんが、「産褥体操」であれば産後すぐから始められます。産褥体操は呼吸方法や寝ながらできる足の運動などで、体への負担が小さく、血行を良くすることで体の回復を早めてくれますよ。

家事は周りを頼る

里帰り出産なら、家事は家族に任せて、赤ちゃんのお世話と体力回復に集中しましょう。育児も一人で抱え込まず、家族に頼りながら全面的に協力してもらってください。

里帰り出産をしない人は旦那さんを頼り、食事の宅配サービスやネットショッピングといったサービスを活用して、極力「家事をしない」を心がけてください。

バランスのいい食事をする

栄養バランスの取れた食事も体力を回復する秘訣です。母乳育児をしているママは、赤ちゃんに栄養を取られるので、しっかりと食事を取らなければなりません。

特に鉄分やカルシウム、たんぱく質を積極的に摂取するのが産後の回復の要になるので、これらの栄養素を多く含んだ食べ物を上手に取り入れましょう。また、主食のご飯をしっかりと取るようにしてください。摂取するカロリーの半分を主食にすると、バランスのよい食事になります。

清潔にする

産後すぐは体力がなく免疫力も落ちているので、感染症や病気にかかりやすくなっています。感染症にかかるとそれだけ回復が遅れてしまうので、清潔にしておくことを心がけてください。特に出産時の会陰切開や帝王切開の傷口から細菌が入らないように注意してくださいね。

産褥パッドは4時間おきぐらいに交換し、トイレのときは清浄綿やウォシュレットを使用しましょう。また、帝王切開であればお風呂のときは傷口をこすらず、シャワーを当てて流すようにするとよいです。

産後の過ごし方の注意点は?

NG

産後の回復を早めるには、以下の注意事項を守ることも大切です。

無理をしない

妊娠期間中はお腹が大きくなって思い通りに動けずに歯がゆい思いをしたという人も多いと思います。そのため出産後に体が軽くなるとすぐに動き出してしまいがちですが、無理をしないように注意しましょう。

特に重いものを持ったり、過度に体を動かしたりするのは、回復を遅らせてしまいます。また、赤ちゃんが眠っている間に家事を頑張ってしまう人もいますが、できるだけ赤ちゃんと一緒にゆっくり休んで体力を温存してくださいね。

産後1ヶ月以内の入浴・性行為

お風呂で湯船に浸かるのも、性行為を行うのも、産後の1ヶ月検診を終えてからにしましょう。検診で問題がなければ再開してかまいませんが、もし回復が遅れているなどの問題があるときは、完治するまで控えてください。

特に産後1ヶ月以内は子宮口が閉じきっておらず、子宮全体へ細菌などの感染が広がる(上行感染)恐れがあるので、湯船に浸かるのは避けるようにしましょう。

産後の外出はいつから?

女性 公園

ママの産後1ヶ月検診のときに、赤ちゃんも生後1ヶ月検診があります。このときに一緒に初めて外出をするのが、ママの体力回復と新生児の健康を考えるとおすすめです。

産後の落ちた免疫力で外出すると風邪などの病気にかかりやすいので、しばらくは家でゆっくりすることを心がけましょう。買い出しが必要なときはできるだけ家族に頼るか、ネットショッピングを利用する方法もありますよ。

出かけるとしても、産後1週間は控えましょう。身の回りのことは産後2週間目から、家庭内の家事は3週目からスタートするのが目安です。産後1ヶ月以内は、買い物や家事を30分以内に留め、無理をしないようにしてくださいね。

産褥期に現れるトラブルには要注意!

注意

産褥期には、体のトラブルが起こることもよくあります。

そもそも、出産で胎児や胎盤がお腹から出たあとは、ホルモンバランスが急激に変化し、血液の量や必要な栄養量なども一気に変わります。

血液やホルモン分泌に関わる機能、子宮の大きさは4〜8週間かけて元に戻りますが、ほとんどの変化は数日から1週間ほどで完了するので、その変化に体がついていけずに様々なトラブルが起こるのです。

子宮の戻りが悪くて出血が続く「子宮復古不全」、血流が滞って血栓ができる「血栓性静脈炎」、母乳の出が滞って炎症を起こす「乳腺炎」が代表的なトラブルです。また、ホルモン分泌が乱れて精神が不安定になる「マタニティブルー(マタニティブルーズ)」や、育児不安や周囲のサポート不足による疲労が合わさって「産褥期精神病」に陥る場合もあります。

違和感があれば記録しておき、不安なときは1ヶ月検診を待たずに電話で産院へ相談するとよいですよ。

産褥期の過ごし方次第で産後の回復が早まる!

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産後すぐは、ママになった自覚から「赤ちゃんのために頑張ろう!」と肩に力が入ってしまうものですが、1人で抱え込まず、できるだけ落ち着いた気持ちで日々を過ごしてください。パパと一緒に家事と育児に向き合い、家族全員で協力していきましょう。

産褥期の過ごし方次第で回復も速くなり、その分しっかりとその後の育児とも向き合えるようになります。自分の体だけではなく、後々の赤ちゃんのためにもなるということを忘れないでくださいね。

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