床上げとは?産後1ヶ月の生活で注意すべきことは?

記事監修 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 続きを読む

「産後、床上げするまでの1ヶ月間はゆっくりしたほうがいい」と耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、そもそも「床上げ」にはどのような意味があるのでしょうか。また、床上げの期間はいつからいつまでで、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。今回は産後の床上げについて詳しくご説明します。

産後の床上げとは?期間はいつからいつまで?

女性 睡眠 笑顔

産後の床上げとは、出産の疲れから体が回復して、日常の生活に徐々に復帰することをいいます。そもそも、なぜ「床上げ(とこあげ)」と呼ばれているのでしょうか?

「床上げ」とは、産後、ママがいつでも休めるようにと敷いていた布団を、体調の回復とともに片付ける様子からきた言葉です。出産だけでなく、大きな病気を完治したときのお祝いの言葉としても使われます。

産後は、自分が思っている以上に体が疲れています。医学的にも、分娩の影響を受けた体が妊娠前の状態に戻るまで6~8週間かかるとしており、この期間を「産褥期」と呼びます(※1)。

床上げは、お産から大体3週間後を目安に考えましょう。3週間ほど経つと、悪露や会陰切開の傷口なども癒えてきます。

短い人でも3週間、長い人では2ヶ月ほど取るという人もいます。人それぞれ回復のスピードは異なるので、自分の体調とよく相談してください。

床上げ前の産後1ヶ月の生活で注意すべきことは?

付箋 OK NG どっち

床上げを迎える前の産後1ヶ月間は、どれくらい安静にしていたらいいのかと気になりますよね。また、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。

産後1ヶ月間の生活は、下記のような点に注意してください。

日常生活の注意点

産後1ヶ月の間は、授乳や赤ちゃんのお世話、自分の体のケアにできるだけ集中してください。安静にしすぎてずっと横になっていると、逆に回復が遅くなることもあるので、体調をみて、少しずつ活動範囲を広げていきましょう。適度に動くことで、血栓の予防にもなります。

また、産後すぐは子宮内の感染症などのリスクが高いため、湯船に浸かるのはやめ、シャワーだけですませるようにしてください。一般的に、1ヶ月健診で体に問題がなければ、湯船に浸かることができるようになります。

家事の注意点

体のことを考えて、産後2週間ほどは料理や掃除、洗濯などの家事は極力控えましょう。産後3週目に入ったら、体調が良い日をみつけて軽めの家事から始めてみてください。

両親の協力がなく、旦那さんしかいないときなどは、一人で行う家事をできるだけ減らしましょう。自分が使った食器を洗う、赤ちゃんの周りをちょっと片付けるなど、軽いものだけにしてください。大きな家事は、旦那さんが休みの日などに一緒にできるといいですね。

ちなみに、昔は「産後1ヶ月がすぎるまでは、水仕事をしてはいけない」といわれていましたが、これは、「水仕事」が井戸での水汲みや湯沸かしなど、今よりはるかに重労働だったためです。今では蛇口をひねればすぐ水やお湯が出るので、心配する必要はありませんよ。

外出の注意点

病院に行くなどで、車で外出する分にはかまいませんが、赤ちゃんは基本的に1ヶ月健診を終えるまで外出できないと思っておきましょう。ママも基本的には、産後1ヶ月間は外出を控えたほうがいいですね。

外出できるようになっても、いきなり長時間外出したり、人ごみに行ったりするのは控えましょう。食品や日用品の買い物は、自宅まで届けてくれるネットスーパーなどを活用するのがおすすめです。

また里帰り出産の場合は、1ヶ月検診で異常がなければ帰省先から自宅に戻ることができますが、新幹線や飛行機などでの長距離移動は、赤ちゃんやママに負担がかかりやすくなります。無理のない計画を立ててくださいね。

運動の注意点

産後は体型が大きく変わるので、妊娠前の状態に戻すために、産後ダイエットをすぐに始めたいと思う人もいるかもしれません。

しかし、産後1ヶ月の間に無理をしすぎると、体の回復が遅くなってしまいます。激しい運動は避け、体への負担がない「産褥体操」から始めてみましょう。

産後すぐから使える骨盤ベルトなどの矯正器具もあるので、体調の回復に合わせて使ってみるのもいいかもしれません。

夫婦生活の注意点

産後の体はすぐに夫婦生活を始められる状態ではないため、旦那さんにも体の状態を理解してもらってください。1ヶ月健診で異常がなく、悪露や会陰切開の痛みなどもなくなっているのが、一般的な再開の目安です。

また、「産後すぐなら避妊しなくてもいい」と考えがちですが、人によっては産後すぐに生理が再開することもあり、妊娠する可能性もあります。

子宮の回復には最低でも産後2ヶ月は必要ですし、帝王切開の場合は傷の回復に半年から1年ほどはかかります。産後すぐは、ママの体のためにもきちんと避妊するようにしましょう。

産後の床上げ後も不安定になりやすい?

女性 不安 悲しい 頭痛

床上げ後も、すぐに無理をするのは厳禁です。徐々に体を慣らしていくことを心がけてください。

ママは赤ちゃんのお世話に追われる生活です。旦那さんにも状況を説明し、自分のことは自分でやってもらうようにしたいですね。力仕事も、できるだけ旦那さんに任せましょう。

また、産後はホルモンバランスの乱れから、精神的に不安定になる時期です。産後3~10日の間には、30~50%の妊婦さんが、一過性の軽い抑うつ状態である「マタニティーブルーズ」を発症します(※2)。

ここで無理をして症状が重症化すると、強い抑うつ状態が続く「産後うつ病」になる可能性もあります。周囲への理解を求め、適度に肩の力を抜いて、育児や家事と向き合ってくださいね。

産後の床上げまでは無理をしない方法を考えよう

新生児 赤ちゃん

床上げを迎えるまでの約1ヶ月は、お産で疲れたママの体を回復させるために大切な期間です。

真面目で頑張り屋さんのママほど、つい無理をしてしまいがちですが、この時期は周囲の助けを借りて体を休ませることに集中してください。そして、少しずつ体を動かして日常生活に戻っていきましょう。

旦那さんや両親に協力をお願いできない場合は、「産後ケアセンター」を利用するのも一つの方法です。最近では、家事支援やホームヘルパーなど、産後の日常生活をサポートしてくれる様々なサービスがあるので、積極的に利用してください。

また、産後ダイエットを始めたいと思う人も多いと思いますが、床上げの時期は体調回復を優先しましょう。

免責事項

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう