妊婦が風邪で発熱!妊娠中の影響や治し方、病院へ行く目安は?

記事監修 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 続きを読む

妊娠中は免疫力が低下しているため、体調を崩しやすくなります。手洗いやうがいで日頃から気を使っていても、風邪を引いてしまうことはあります。「風邪で発熱してつらい」「お腹の赤ちゃんは大丈夫?」と不安を感じている妊婦さんのために、今回は妊娠中の風邪について、発熱や咳による胎児への影響や治し方などをご説明します。

妊婦が風邪で発熱すると危険?妊娠初期は?

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風邪を引くと、体内に侵入したウイルスを追い出そうとして、咳や鼻水、くしゃみ、発熱などの諸症状が現れるのは妊娠中も同じです。

ただし、妊娠中は、熱の出方によっては体調へ影響があるかもしれないので、無理は禁物です。

37度前後の微熱なら、妊婦さんでもゆっくり体を休ませれば2~3日で治るので心配ありません。

しかし、高熱になると体がだるくなり、食欲も落ちて体力が低下するため、ママにとっても赤ちゃんにとっても、あまり良い状況とはいえません。

妊娠初期でつわりがひどい時期に重なると、食事を十分に摂れず寝込んでしまうこともあります。

基本的に、風邪だけでお腹の赤ちゃんに悪影響を与えることはありません。しかし、高熱が風邪以外の感染症によるものであれば、流産や早産につながる恐れもあるので、気になるときは受診しましょう。

妊婦が風邪…発熱や咳は胎児に影響する?

疑問 回答 Q&A 質問 答え

妊娠中に風邪を引いても、原因となるウイルスがお腹の赤ちゃんに感染することはないため、症状が軽度であれば特に影響はないと考えられます。

ただし、高熱が続く場合、妊婦さんの体力が落ちて重症化することがあったり、単なる風邪ではなく何らかの感染症にかかっていたりする可能性も考えられます。症状が悪化しているときは念のため病院を受診しましょう。

また、激しい咳が続くと腹圧がかかり、まれにお腹の張りにつながることもあります。切迫流産や切迫早産のリスクがあると医師から言われている妊婦さんは、なかなか咳が治まらないときは医師に相談しましょう。

妊婦の風邪の治し方は?脱水症状に注意

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妊娠中に風邪を引いてしまい、病院へ行く前にまずは自分で治したい…という人は、次の対処法を試してみてください。

安静にする

妊娠中に風邪を引いてしまったら、まずは安静にすることです。免疫力が低下しているので、無理に動いて体力を消耗すると風邪をこじらせてしまうかもしれません。

熱が出ていれば、頭や脇の下、首元などのリンパ節を氷枕などで冷やしながら、横になって休みましょう。

水分補給をする

発熱すると、汗をかいて脱水症状を起こしやすくなります。妊婦さんが脱水症状を起こすと、体がうまく機能しなくなり、赤ちゃんにとっても良くないので、こまめな水分補給を心がけてください。

特につわりがつらい妊娠初期は、風邪によってますます水分が摂りにくくなり、妊娠悪阻(おそ)になるリスクもあります。

食事がなかなかできなかったり、飲み物を口にするのも難しかったりするときは、氷を舐めるなどして少しずつ水分補給してくださいね。

民間療法を試す

できるだけ薬を使わずに風邪を治すためには、民間療法で自然治癒力をアップさせましょう。

風邪対策には生姜やレモンが効果的。生姜湯は体を芯から温めてくれますよ。喉が痛いときは、はちみつ大根などが良いといわれています。

妊娠中に風邪!病院の受診タイミングは?

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病院に行くと、ほかの患者さんに細菌やウイルスをうつしてしまったり、自分がもらってしまったりする可能性もあるので、妊婦健診は別として、妊娠中は気軽に通院しづらいですよね。

軽い風邪で病院を受診して、インフルエンザなどの感染症にかかってしまうと大変なので、微熱程度なら自宅で安静にして様子を見ましょう。

ただし、先述のような対処法を試しても症状が軽くならない場合や、38度を超える高熱が数日間続くとき、お腹の張りなど他の症状もあるときは、ウイルスが原因ではなく細菌性の肺炎やほかの病気である可能性もあるので、病院を受診することをおすすめします。

病院を受診するときは必ずマスクを着用し、帰宅したら手洗いとうがいをしましょう。特に風邪予防の効果が高いのは手洗いです(※1)。

妊娠中に風邪薬を飲んでも大丈夫?

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妊娠中であっても、薬の種類や飲む時期、量に気をつければ、風邪薬を飲むことはできます。

ただし、お腹の赤ちゃんへの影響を考えると、自己判断で市販薬などを使うのはおすすめできません。病院や薬局で相談したうえで、妊娠中でも比較的安全に飲める薬を出してもらいましょう。

また、葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬は、一般的に病院で処方される薬よりも母体と胎児への影響が少ないと考えられ、服用しやすい薬といえますが、妊婦さんは服用前に必ず医師や薬剤師に相談してください(※2)。

なお、典型的な風邪はウイルスによるものですが、まれに細菌性の風邪にかかった場合は、原因となる菌に合った抗菌薬で治療することになります。

妊婦は風邪の症状に似た感染症に注意

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「ただの風邪だろう」と思っていても、実は危険な感染症である可能性はゼロではないので、症状が長引くときやひどいときは早めに病院を受診してください。

劇症型A群溶連菌感染症

聞き慣れない病名かもしれませんが、「劇症型A群溶連菌感染症」は妊婦さんがかかる可能性がある重症の感染症で、発熱やのどの腫れ、腹痛など風邪に似た症状が出るため注意が必要です。

妊娠初期から、分娩後にもかかることがあり、まれに母体と胎児それぞれの命に関わることもあるので、注意が必要です(※3)。

トキソプラズマ症など

「トキソプラズマ症」や「サイトメガロウイルス感染症」、「伝染性紅斑(りんご病)」も、風邪のような症状が出ることがあり、症状が悪化すると胎盤を通じて赤ちゃんに感染する恐れがあります(※4)。

こうした母子感染による胎児への影響の大きさは、感染の程度や妊娠週数などによっても異なりますが、まれに胎児死亡や生まれたあとの障害リスクがあるため、早期治療が大切です。

妊娠中でも風邪を引かない体づくりをしよう

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妊娠するとホルモンバランスが大きく変わる影響で免疫力が下がり、風邪を引きやすいものですが、できるだけ元気でいられる体づくりをしておきたいですね。栄養バランスの取れた食事を摂る、十分な睡眠をとる、適度な運動をするなど、健康的な生活を心がけてください。

風邪を引いてしまったときは、水分補給を忘れずにゆっくり休みましょう。高熱などでつらいときやほかの症状もあるときは病院を受診し、妊婦さんでも安心して飲める薬を処方してもらってくださいね。

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