妊婦はイソジンなどのうがい薬を使ってもいいの?胎児への影響は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

季節を問わず、風邪の予防に手洗い・うがいを心がけている人も多いですよね。特に妊娠中は体調を崩したくないので、うがいの効果を高めるためにうがい薬を使いたい人もいると思います。妊娠中は、お腹の赤ちゃんへの影響を考えて薬の使用を控えているママも多いと思いますが、イソジンなどの「うがい薬」は使っても問題ないのでしょうか?今回は、妊娠中にうがい薬を使ってもいいのかどうか、胎児への影響はあるのか、また、妊婦さんにおすすめのうがい方法もご紹介します。

妊娠中のうがいで風邪を予防できるの?

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妊娠中はホルモンバランスの変化で、細菌やウイルスから体を守るための免疫機能が低下します。妊娠前は健康だった人でも、妊娠をきっかけに風邪をひきやすくなります。

風邪をひいて食欲が落ちてしまったり、高熱が出て脱水症状になってしまったりすると、ママ自身がつらいだけでなくお腹の赤ちゃんへの影響も心配ですよね。

風邪を予防するための方法としてよく知られているのは、「手洗い・うがい・マスクの着用」だと思いますが、実はこれらのうち最も効果があるとされているのは、「手洗い」です(※1)。

日本では、子供の頃からうがいの大切さを教えられますが、実はうがいにどれくらいの風邪予防効果があるのかについては、はっきり証明されていません。

しかし、「うがいをするときに手洗いも必ずセットで行う」のであれば、風邪を予防する習慣として意味があるといえそうです。

妊婦はうがい薬のイソジンを使える?効果は?

妊娠前から、うがい薬のイソジンを使っていた人もいると思います。イソジンは殺菌効果が高いため、咳や喉の痛みが出たときの対症療法としても役立つ薬として広く知られています。

イソジンには、「ポビドンヨード」という成分が含まれています。ポビドンヨードはヨウ素の酸化作用を活かした成分で、殺菌・抗ウイルス作用が強いのが特徴です。

妊婦さんが長期間に渡ってポビドンヨードを摂取すると、お腹の赤ちゃんが「クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)」を発症する恐れがあるとされます(※2)。そのため、「妊娠中はイソジンを使わない方がいいのでは」と心配する人もいるようです。

しかし、イソジンはあくまでもうがいに使う薬であって、飲みこむわけではないので、胎児に影響が及ぶほど消化管に吸収される心配は少ないと考えられています(※3)。そのため、イソジンの添付文書にも特に注意書きはなく、妊娠中でも使うことができます(※4)。

その一方で、ポピドンヨードを使ったうがいは、「水うがい」と比べてインフルエンザや風邪の予防効果が低いのではないか、との研究報告もあります(※5)。

イソジンに頼りすぎず、外から帰ってきたときの手洗いを徹底することで風邪を予防しましょう。

妊娠中にイソジン以外のうがい薬を使いたいときは?

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市販されているうがい薬には、ポビドンヨードではなく「水溶性アズレン(アズレンスルホン酸ナトリウム)」が主成分のものもあります。

水溶性アズレンは、ポビドンヨードに比べるとやや殺菌効果は低いものの、口の中や喉の腫れを鎮めてくれる作用があるため、水に薄めてうがいすることで口の中がすっきりします。

もともと甲状腺が弱いと診断されている人や、ヨード系のうがい薬特有の匂いがあまり好きではない人、妊娠中は念のためイソジンを控えたいという人は、主成分に「水溶性アズレン」と書かれているうがい薬を試してみてはいかがでしょうか。

水溶性アズレンを使った市販のうがい薬には、「浅田飴AZうがい薬」(浅田飴)や「パブロンうがい薬AZ」(大正製薬)などがあり、どちらの商品の添付文書にも妊婦さんの使用に関する注意書きは特にありません(※6,7)。

なお、水溶性アズレンを使ったうがいについては、風邪予防の効果を証明できる研究データがないため、十分な効果があるかどうかはわかっていません。

風邪のひきはじめなどで、喉の腫れが少し気になるときに適度に使うと、症状の改善が期待できると考えられます。

妊婦さんがうがい薬を使うときの注意点は?

注意

妊娠中に限ったことではありませんが、うがい薬を使う場合には以下の注意点を守ってください。

1. 決められた使い方・量を必ず守る
2. 薬液を飲みこまないようにする
3. 口の中がただれているときは使わない
4. 使ったあとに声のかすれなどが現れたら使用を中止する
5. 1週間程度使い続けても効果が見られなければ医師に相談する

うがい薬には殺菌効果が期待できるものの、風邪予防にどのくらい効果があるかは明確にわかりません。むやみに使いすぎると、逆に喉を傷めてしまう恐れもあります。

うがい薬だけに頼るのではなく、外出をするときはできるだけマスクをつけ、家に帰ってきたときには必ず手洗いをすることで、風邪を予防しましょう。

妊娠中にうがい薬を使わず、風邪予防をするには?

うがい薬になるべく頼りたくない、という人は、口に入れてもより安全なものを使ったうがいの方法を試してみてもいいですね。

緑茶うがい

緑茶に含まれる「カテキン」には殺菌作用があります。ウーロン茶や麦茶では殺菌作用がないので緑茶を使ってくださいね。

最近では緑茶うがい用の茶葉も販売されています。40度くらいのぬるま湯で入れた緑茶でうがいするだけなので、お手軽ですよ。

うがいなら飲みこむことはないので、カフェインを心配しすぎる必要はありません。

紅茶うがい

紅茶にもカテキンが含まれており、殺菌効果が期待できます。

100mlの熱湯に紅茶のティーバッグを5分以上入れて、それを同じ量の水で割ってうがいに使ってください。

生理食塩水うがい

食塩水でのうがいは殺菌作用だけでなく、喉の炎症を抑える効果があります。風邪を引いて喉が痛いときにおすすめです。

コップ1杯のぬるま湯に、普段料理で使う塩を一つまみ入れるだけなので簡単です。

妊娠中はうがい薬よりも手洗いで風邪予防を

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普段ほとんど風邪をひかないという人も、妊娠すると体調が変化するので、風邪をひきやすくなることがあります。うがい薬をたくさん使うよりも、まずは手洗いを徹底することで風邪を予防しましょう。

また、栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠を摂り、適度な運動で健康的な生活を過ごすことが大切です。万全の体調で出産を迎えられるよう、体調には十分気をつけて妊娠生活を送ってくださいね。

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