妊娠初期・超初期の喉の痛みの原因と対処法!風邪で喉が痛いときは?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠初期症状・妊娠超初期症状のあらわれ方は、人によってさまざまです。妊婦さんによっては、風邪のような症状が出ることもあり、「喉の奥に違和感がある」という人もいます。今回は、妊娠初期・超初期の妊婦さんに見られる喉の痛みや違和感の原因や対処法、風邪で喉が痛いときの対処法などをご説明します。

妊娠初期・超初期に見られる症状とは?

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受精卵が着床し妊娠が成立すると、「hCGホルモン」というホルモンの分泌が増えます。また、妊娠を継続するために、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンも増加します。

これらのホルモン分泌の影響で、妊娠5~6週頃から様々な体調変化、いわゆる「妊娠初期症状」があらわれ始めます。

また、受精卵が着床する前の妊娠0〜4週頃のことを妊娠超初期と呼びますが、この時点ですでに女性の体は妊娠を維持するために変化を始めているため、なかには妊娠超初期の段階で症状が出ることもあります。

しかし、妊娠初期・超初期に起きる体の変化は個人差があります。普段と体調がほとんど変わらず、妊娠したことに気づかない人も珍しくありません。

よく見られる妊娠初期・超初期の症状として、次のようなものがあります。

妊娠初期・超初期によく見られる症状

  • わずかな性器出血(着床出血)
  • 胸の張り、痛み
  • 吐き気やだるさ、眠気
  • 頭痛や腰痛、下腹部痛、胃痛
  • おりものの変化
  • 味覚や嗅覚の変化
  • 頻尿や便秘、下痢
  • 微熱や体のほてり、寒気
  • 肌荒れ
  • 情緒不安定

妊娠初期・超初期には喉の痛みが現れることがある?

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妊婦さんの体は、プロゲステロンの働きにより基礎体温が高い状態で維持されるため、前述のとおり妊娠初期・超初期に微熱や頭痛、だるさなど風邪のような症状が現れる人もいます。

なかには、「喉の奥に違和感がある」という人もいるようですが、一般的に喉の痛みは、ウイルスや細菌などに感染することによる炎症が原因です。そのため、妊娠の可能性がある人、もしくは妊娠が判明したばかりの人が少し喉の痛みを感じても、それは妊娠によるものではなく、風邪をひいていたり喉が乾燥していたりするだけかもしれません。

ただし、妊娠するとホルモンの作用により、様々な変化が体に現れることは確かです。もともと喉が弱い人は、妊娠して喉の粘膜がさらに敏感になることで、喉の奥がゴロゴロしているように感じる可能性もあります。

妊娠初期・超初期に喉の痛みがあるとき、うがい薬は使えるの?

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「うがい薬で喉の痛みや違和感をスッキリさせたい」という妊婦さんもいるかもしれませんね。一方で、妊娠初期・超初期に薬を使っても良いものかどうか、心配な人もいるのではないでしょうか。

たしかに、うがい薬のなかには、「ポビドンヨード」など胎児に悪影響を与える可能性がある成分を含むものもあります。しかし、飲みこむわけではないので、妊婦さんでもそれほど気にしすぎる必要はありません。

むしろ、妊娠中は免疫力が落ちていて、風邪をひきやすいので、手洗いとうがいを徹底することは大切です。うがい薬の使用について、どうしても不安な場合は、医師や薬剤師に確認してみてくださいね。

妊娠初期・超初期の喉の痛みで風邪薬を飲んでしまったけれど大丈夫?

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妊娠初期・超初期の時点では、まだ妊娠に気がついていない女性もいます。場合によっては、妊娠初期・超初期に「喉の痛みは風邪のひきはじめかも」と思い、市販の風邪薬を飲んでしまった、という女性もいるかもしれませんね。

日本産科婦人科学会のガイドラインによると、妊娠3週の終わり(妊娠成立直後)までの時期であれば、ごく一部の医薬品を除いて「胎児奇形を引き起こさない」とされています。

そのため、妊娠3週までは、市販の風邪薬を数回飲んだ程度であれば、赤ちゃんへの影響はないと考えられます。

しかし、妊娠4週以降は胎児に影響を与える可能性が否定できません(※1)。

いずれにせよ、妊娠がわかったら、服用した時期にか関わらず、使った薬の種類や時期、量を産婦人科の医師に伝えましょう。

妊娠初期・超初期の喉の痛みをやわらげる方法は?

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妊娠していないときであれば、気軽に風邪薬や咳止めを飲むこともできますが、妊娠中や妊娠の可能性があるときは、そうもいきませんよね。

そんなときは、昔ながらの民間療法で喉の痛みや違和感をやわらげてはいかがでしょうか。

レモンや大根のはちみつ漬けを食べる

喉の粘膜をあたため、痛みをやわらげてくれるはちみつと、栄養価の高いレモンや大根を組み合わせると、喉の痛みがやわらぎます。

輪切りのレモンや適度な大きさに切った大根を、はちみつにしばらく漬けておきます。レモンや大根は一晩漬けたら取り出しましょう。はちみつをお湯や紅茶で割ると飲みやすくなりますよ。

生姜を摂る

上で紹介したレモンのはちみつ漬けに、生姜のしぼり汁を加えたものも喉が痛いときにおすすめです。生姜には体を温めて血流、代謝を良くしたり、つわりをやわらげたりする作用もあるので、妊娠初期・超初期におすすめの食べ物の一つです。

ただし、摂りすぎるとかえって喉を刺激してしまうので、量はほどほどにしておいてくださいね。

乾燥やホコリから喉を守る

空気が乾燥していると、喉の痛みが悪化してしまうことがあります。加湿器などを使って、適度な湿度を保ちましょう。

また、鼻と喉の粘膜をホコリなどから守るために、マスクを着けて過ごすのもいいですね。こまめにうがいをして、水分補給も心がけてください。

妊娠初期・超初期の喉の痛みは焦らず治しましょう

呼吸 リラックス

妊娠すると、ホルモンの作用によって体に様々な変化が見られます。普段はほとんど風邪をひかない健康な女性でも、妊娠初期・超初期は風邪をひきやすくなったり、乾燥などちょっとしたことが原因で喉の痛みや違和感が現れるかもしれません。

妊娠している可能性があるか、すでに妊娠がわかっている女性は、自己判断で薬を飲んだりせず、医師に相談してください。今回の記事で紹介したような昔ながらの対処法も試してみてくださいね。

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