妊娠25週の胎児の体重は?お腹の大きさはどれくらい?

監修専門家 看護師、助産師 河井 恵美
河井 恵美 助産師の仕事が大好きで、助産師、看護師として25年以上この仕事をしています。 大学病院、市民病院、個人医院で、産婦人科、救急外来、皮膚科、小児科などの勤務経験があります。 青年海外協力隊でアフリカに赴... 監修記事一覧へ

妊娠25週が終わると、出産予定日まであと100日を切ります。赤ちゃんは外の世界に出る準備を進め、ママの体も出産に向けて変化していきます。比較的落ち着いている時期ではありますが、お腹のなかでは、赤ちゃんが急成長を続けていますよ。今回は妊娠25週の妊婦さんと赤ちゃんの状態や変化についてご紹介します。お腹の張りなどのトラブルについても確認しておきましょう。

妊娠25週の胎児の大きさは?

25週 エコー写真

妊娠25週の胎児の体重は、800g前後です。大きいと、1,000gを超えている子もいるかもしれません(※1)。体の皮膚にはまだシワが多く、半透明なので、毛細血管の色で赤っぽい色に見えています。

目が開閉できるようになり、光も感じられるようになりました。ママのお腹のなかは暗いので視覚を使う機会はほとんどありませんが、ママが外に出ると、太陽の光が赤ちゃんにも届いているかもしれませんね。

妊娠25週のお腹の大きさは?体重増加の目安は?

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妊娠25週は子宮底長が21~24cmほどで、お腹全体が大きくなっています(※1)。ただし、赤ちゃんの大きさや羊水量でもお腹の大きさは違ってくるので、他の妊婦さんと比較して気にする必要はありません。不安があれば妊婦健診のときに医師に相談してみましょう。

妊娠中期は赤ちゃんがどんどん成長する時期です。妊娠中は妊娠前に比べて必要なエネルギー摂取量が増加しますが、1日のカロリーは妊娠前に比べて+250kcalを目安にしましょう(※2)。

日本産婦人科学会は、妊娠中の体重増加量について以下を目安として定めています(※2)。

妊婦 体重増加目安 2021年3月改定 BMI値

体重がオーバー気味の人は、安定期のあいだ適度に体を動かすようにするといいですね。マタニティヨガやストレッチを行うと気持ちもリラックスできますし、マタニティスイミングやウォーキングで汗を流すと気分がすっきりします。自分にあう運動をみつけてください。

栄養バランスのよいメニューを心がけ、夜遅い時間に食べるのをやめるなど、食事内容や食生活を見直すことも大切です。

妊娠25週のマイナートラブルは?痔になりやすい?

聴診器 病院 ノート

妊娠25週は体調が安定している時期とはいえ、いろいろなマイナートラブルが続きます。お腹が大きくなったり、ホルモンバランスが変化したりするのが原因なので、根本的な解決は難しいですが、症状をやわらげられるような対処ができるといいですね。

妊娠中は、子宮が他の臓器を圧迫して腸のあたりがうっ血し、痔になる人が増えます。そのうえ、お腹が大きいのでトイレにいったときに腹圧がかかりやすく、悪化しやすくなります。

痔になってしまったら、恥ずかしがらずに早めに医師に相談してください。症状によって、妊婦さんでも使える薬を処方してもらえることもあります。

足がつりやすくなる

妊娠中期頃から悩まされるマイナートラブルのひとつが、「こむら返り」です。

これは妊娠週数が進んで徐々に骨盤が歪んでしまうことや、体内のミネラルバランスが崩れることなどが原因で起こります。骨盤が歪むと、骨盤や背中、腹筋などに負担がかかり、そこと間接的につながっている足やふくらはぎがつりやすくなるのです。

足がつったときは、足の指を甲の方へそらせると痛みが和らぎます。お腹が大きくなると自分で足の指をつかむのが難しくなってくるので、パートナーに伸ばしてもらったり、タオルを足の裏にかけて伸ばしたりと工夫しましょう。

また、妊娠中のこむら返りは、運動不足による血行不良によっても引き起こされやすくなります。軽めの運動を行い、血行を改善するのも予防策としておすすめです。

お腹の毛が濃くなる

妊娠すると、ホルモンバランスの変化で体毛が濃くなります。毛の濃さや濃くなる場所には個人差がありますが、お腹や足、腕、背中の毛が濃くなることが多いようです。

体毛が急に濃くなると気になるかもしれませんが、妊娠中は肌がデリケートな状態なので、カミソリや毛抜きなどでの処理は控えましょう。今だけの生理現象で、産後には徐々に薄くなっていきます。

妊娠25週は食べ物の工夫で便秘の改善を

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妊娠中期は、大きくなった子宮で腸が圧迫されることや、ホルモンバランスが変化することで、便秘が起こりやすい時期です。解消や予防のためにも、食生活に気をつけましょう。

たとえば「プルーン」には、食物繊維のほか、便通を良くするソルビトールが含まれています。りんごやみかんなどの果物も、食物繊維が豊富です。食べ物以外では、タンポポ茶や黒豆茶、ごぼう茶なども便秘解消に効果があるといわれています。

朝ごはんのヨーグルトにプルーンをいれてみる、食後のデザートをスイーツから果物にかえてみる、リラックスタイムにお茶を淹れるなど、普段の食事のなかに積極的に取り入れてみてください。

妊娠25週の歯周病は早産の原因になる?

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妊娠と歯の病気には何も関連性がないように思えますが、妊娠中に歯周病を患っている人は、低体重児や早産のリスクが約7倍になるという調査結果もあります(※3)。

妊娠中は、女性ホルモンの影響で歯周病の原因となる菌が増殖しやすい状態です。妊娠中期になっても油断せず、歯磨きやうがいなどをこまめに行い、歯周病を予防しましょう。

歯周病になってしまったら、軽度のうちに治療を行うことが大切です。産後は通院する暇もなくなってしまうので、妊娠中に治療が終わるようなスケジュールを組みましょう。

妊娠25週には母乳が出始める?

母乳 ミルク 哺乳瓶

妊娠25週頃から、透明や黄色のネバネバした液体がおっぱいから出る人がいます。これは母乳の元となる分泌液です。特に、安定期に入っておっぱいマッサージを始めていた人は出やすいかもしれません。

ママの体は、妊娠中期頃に母乳を分泌できる状態になりますが、ホルモンの働きで通常は分泌が止められています。この時期におっぱいが出たとしても、少し早く出てしまっただけなので、心配しないでくださいね。

分泌液をそのままにしておくと、乳頭が乾燥し、産後に「乳頭亀裂」を引き起こす原因になってしまいます。脱脂綿などでその都度ふき取り、乳頭を清潔に保つようにしましょう。また、きつい下着は乳腺の発達を妨げてしまうので、ゆったりとした下着や服を着用するようにしてください。

妊娠25週から産後の家計について話し合おう

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家族が増えるのは喜ばしいことですが、出費などの現実的な問題とも向き合う必要が出てきます。夫婦二人だけであれば、お金も時間も自由に使えたかもしれません。しかし、子供が生まれるとなると、出産費用はもちろん、その後の教育費などのために、貯蓄が必要にもなってきます。

赤ちゃんが生まれる前から何年も先のことを考えるのは現実味がないかもしれませんが、産後は育児で慌ただしくなり、夫婦でゆっくり話す時間も取りづらくなります。今のうちから、家計のことを夫婦でよく話し合っておきましょう。

妊娠25週のお腹の張りには注意して

安定期とされる期間もあと残りわずかで、「今のうちにやれることはやろう!」と活発に動きたくなるかもしれません。

しかし、無理が重なると体に負担がかかり、お腹が張ってしまうことがあります。お腹の張りは安静にしていれば治まるものがほとんどですが、ひどい場合は、切迫早産につながる可能性もあります。たとえ体調がよくても毎日無理に予定を入れず、家でゆっくり過ごす時間も確保しましょう。

どんなに元気でも妊娠中であることを忘れずに、ゆったりとしたペースですごせるといいですね。

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