胎児の成長曲線とは?お腹の赤ちゃんはどう発育していくの?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠が進むと、自分の体の変化に戸惑いを感じ、不安になることもあるかと思います。そんなときに、お腹の中の赤ちゃんがどんなふうに成長しているのかが分かれば、赤ちゃんのために頑張ろうと前向きな気持ちになれるかもしれません。今回は胎児のおおまかな成長が分かる胎児発育曲線と、妊娠3~10ヶ月までの胎児の成長過程をご紹介します。

胎児発育曲線とは?

胎児

胎児発育曲線とは、正常に生まれた赤ちゃんたちの妊娠中のデータをもとに作られた、胎児の発育状態を確認するための曲線です。胎児発育曲線が示す上下2本の線の間に胎児の推定体重が入っているかどうかで、正常に発育しているかどうかのおおまかな判断ができます。

厚生労働省が平成24年に発表した胎児発育曲線によると、妊娠36週目であれば、およそ1,900~3,100gが胎児の正常な体重であるということが分かります(※1)。ただし、これはあくまで目安であり、胎児が順調に発育しているかはかかりつけの医師に確認するようにしましょう。

胎児発育曲線は母子手帳にも記載されているので、気になるときにぜひチェックしてみてください。それでは、胎児が具体的にどのように成長していくのかを、妊娠3~10ヶ月まで月ごとに見ていきましょう。

妊娠3ヶ月目(8~11週)の胎児の成長は?

3 数字

妊娠3ヶ月目(8~11週)は、器官形成期と呼ばれる時期です。心臓や呼吸器、消化器など、体の器官がどんどん作られ、お腹の赤ちゃんは「胎芽」から「胎児」と呼ばれるようになります。胴体や手足が発達して、2頭身から3頭身になり始めます。

また、赤ちゃんが母体から栄養と酸素を受け取るため、胎盤が作られていきます。

胎児の大きさ(妊娠11週末/※2)

身長:約9cm
体重:約20g

胎児の発育の目安(※3)

・まぶたの形成が急速に進み、上下がくっついている
・鼻板が存在し、鼻孔は閉鎖している
・エコーで見たときに、まれに動いているようにみえる

妊娠4ヶ月目(12~15週)の胎児の成長は?

数字 4 四

妊娠4ヶ月目(12~15週)では胎盤がほぼ完成し、ママの体と胎児がへその緒でしっかりとつながれ、母体からたくさんの栄養や酸素をもらいます。

骨や筋肉が急速に発達し、妊婦健診でさまざまな動きを見てとることができます。この時期に生殖器が作られるので、もうすぐ男女の違いがわかるようになりますよ。

胎児の大きさ(妊娠15週末/※2)

身長:約16cm
体重:約100g

胎児の発育の目安(※3)

・頭が起き上がり、髪の毛が見え始める
・口の奥の部分はまだ閉鎖されている
・生殖器の区別ができるが、まだエコーでは判別できない

妊娠5ヶ月目(16~19週)の胎児の成長は?

数字 5 五

妊娠5ヶ月目(16~19週) は、3ヶ月間ある安定期の1ヶ月目です。安定期では胎盤が完成し、つわりが治まって体調が安定する人が多くなります。

胎児は子宮の中で活発に動き回るようになります。

胎児の大きさ(妊娠19週末/※2)

身長:約25cm
体重:約250g

胎児の発育の目安(※3)

・羊水を飲んでは出して、呼吸の練習をする
・全身に産毛が生え始める
・胎脂が現れる
・手足に指紋ができ始める
・皮下脂肪がつき始める
・聴覚が発達する
・腎臓で作られた尿が羊水に排出されるようになる

妊娠6ヶ月(20~23週)の胎児の成長は?

数字 6 六

妊娠6ヶ月(20~23週) になると、赤ちゃんの骨格や筋肉が発達して、胎動を感じることがあります。赤ちゃんが活発に動き回って、逆子の状態になることも。ただし、胎児が大きくなっていくと、自然と頭が下向きになっていくことが多いので、妊娠後期に入る頃には逆子が治っている場合もあります。

この時期では赤ちゃんの体が大きくなり、エコー検査のモニター画面に赤ちゃんの全体像が入りきらなくなります。

胎児の大きさ(妊娠23週末/※2)

身長:約30cm
体重:約650g

胎児の発育の目安(※3)

・聴覚がほぼ完成し、ママの声や心音が聞こえるようになる
・目を開くようになる
・五感が発達して、光や音に反応するようになる
・皮膚はしわができ始める
・皮下脂肪の形成により皮膚が黄色っぽくなる
・まつげがはっきりしてくる
・鼻孔が開く
・手の指に爪ができ始める

妊娠7ヶ月目(24~27週)の胎児の成長は?

数字 7 七

妊娠7ヶ月目(24~27週) になると、脳が急成長し、子宮の中でも元気に動き回ります。また、肺が完成に近づきます。また、肺が完成に近づきます。

この時期は大きくなった子宮が周りの臓器を圧迫し、便秘や頻尿、むくみといった症状が現れやすくなります。

胎児の大きさ(妊娠27週末/※2)

身長:約35cm
体重:約1,000g

胎児の発育の目安(※3)

・皮膚が赤く、しわが多い
・目を開閉できるようになる
・外耳道が開通する
・足の指に爪ができ始める
・体の形成に必要な器官がほぼ全部できあがる
・前頭葉が大きくなり、五感が発達する
・筋肉が発達し、手を握ったり、体を伸縮させたりする動きを見せるようになる

妊娠8ヶ月(28~31週)の胎児の成長は?

数字 8 八

妊娠8ヶ月(28~31週) になると、安定期が終わり、出産のためのさまざまな変化が母体に現れます。

一方、胎児は外の世界で生きていくために必要な機能が、この時期にほとんど完成していきます。見た目も新生児とほぼ変わらない状態に。また、五感も敏感になり、外の世界からの刺激をより感じるようになります。

胎児の大きさ(妊娠31週末/※2)

身長:約40cm
体重:約1,500g

胎児の発育の目安(※3)

・皮下脂肪が付いてきて皮膚のしわが少なくなる
・手の爪が指の先端まで伸びる
・骨格や臓器はほぼ完成する

妊娠9ヶ月(32~35週)の胎児の成長は?

数字 9 九

妊娠9ヶ月(32~35週)になると、発育の最終段階に入り、胃腸が機能し始めます。また、皮下脂肪が増えて丸みを帯び、しわしわだった肌に少しずつ張りが出てふっくらしてきます。

子宮の中で胎児が下に降りてくるので、マイナートラブルの種類が変わることも。胃がすっきりする代わりに、頻尿になったり、恥骨が痛くなったり。また、血液量も増えることで貧血やむくみが起きやすくなります。症状に個人差はありますが、体調変化に注意が必要な時期です。

胎児の大きさ(妊娠35週末/※2)

身長:約45cm
体重:約2,000g

胎児の発育の目安(※3)

・皮膚の赤みが消え始める
・しわが伸び、体や手足が丸みを帯び始める
・産毛が少なくなっていく
・生まれてから呼吸ができるように肺が成熟する
・顔の筋肉を細かく動かせるようになり、表情が豊かに見えるようになる
・20~30分のサイクルで寝たり起きたりを繰り返す

妊娠10ヶ月(36~39週)の胎児の成長は?

数字 10 十

妊娠10ヶ月(36~39週)は臨月と呼ばれます。胎児の内臓や器官が完成しており、いつ生まれてもいい状態になっています。胎児は骨盤に頭を固定し、あごを胸につけ、ひざをお腹に引き寄せた状態でお腹の中にいます。

体が大きくなることで子宮内が自由に動けるスペースが少なくなり、胎動が少しずつ弱くなって回数が減ることも。この時期になると、おしるしや破水といった出産兆候が現れる可能性があるので、できるだけ早めに入院の準備をしておきましょう。

胎児の大きさ(妊娠39週末/※2)

身長:約50cm
体重:約3,000g

胎児の発育の目安(※3)

・女の子の場合、大陰唇が小陰唇を覆う
・手の爪が指の先を超えるほど伸びる
・産毛は背中と上腕部だけになる
・出産後の呼吸のために、肺サーファクタントが盛んに生産される
・出産後の体温保持のために、脂肪がしっかり蓄えられる
・背中を丸めて手足を折り曲げた状態になる

胎児の成長曲線はあくまで参考程度に

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妊娠中に「胎児が正常に成長しているかどうか」が気になるのは当たり前のことです。そして、お腹の赤ちゃんの推定体重が胎児成長曲線の基準値にあてはまらないと、心配な気持ちになるかもしれません。

しかし、胎児の成長には個人差があり、胎児の成長曲線通りに体重が増えないからといって、必ず問題があるというわけではありません。不安なことがあるときは、かかりつけの医師と相談し、赤ちゃんの成長を温かく見守っていってくださいね。

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