妊婦の足がつる!こむら返りが妊娠中に起こりやすい原因と対処法は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠前は足をつったことがほとんどなかった人でも、妊娠をきっかけに起きやすくなります。なぜ妊婦さんは足をつりやすいのでしょうか。

今回は妊娠中に足がつる原因と対策、予防法についてご紹介します。

妊婦の足がつる!妊娠後期に起きやすい原因は?

足 妊婦

「足がつる」状態は、筋肉が突然、意図せずに収縮することで起こります。主にふくらはぎにある「腓腹筋(ひふくきん)」で起こることから、「こむら(腓)返り」とも呼ばれています。

妊娠中は、体が冷えたときや体を動かしたとき、睡眠中などに起こりやすく、その原因は以下の2つが考えられます。

血行不良

妊娠中はどうしても運動不足になりやすいので、血行が悪くなりがちです。血行が悪くなると体が冷えて血管が収縮するので、足がつりやすくなります。

寝ているときなどは、大きくなった子宮が臓器を圧迫して血行が悪くなることで足をつることもあります。

ミネラルバランスの変化

血液中のカリウムやカルシウム、マグネシウムのミネラルバランスが崩れると、筋肉がけいれんしやすくなります。

妊娠中はママの体よりも赤ちゃんの方に優先的に栄養が送られるので、ミネラル不足になって足がつりやすい状態になります。

妊娠中に足がつるのを予防できる?

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「血行不良」や「ミネラル不足」を改善することが予防につながります。

適度な運動

妊娠中期〜後期でお腹が大きくなってくると運動するのも大変になってきますが、ウォーキングやストレッチなど軽めの運動を継続しましょう。運動不足解消になり、全身の血行をよくしてくれます。準備運動も忘れずに行ってくださいね。

また、運動中にお腹の張りを少しでも感じたら、すぐに中断して休憩しましょう。万が一に備えて、携帯電話や財布、母子手帳も身に着けておくと安心です。

食生活の工夫

カリウムやカルシウム、マグネシウムを多く含む食材をメニューに取り入れてしっかり補給すれば、足がつりにくい体になります。カルシウムは乳製品、魚、パセリなどに多く含まれ、マグネシウムは豆製品、あさり、佃煮に多く含まれます。これらは献立に組み込みやすい食材なので、様々なアレンジができますよ。

体の冷えも足がつりやすくなる要因なので、温かいスープや汁物も積極的に食べましょう。体を温めてくれる生姜や根菜類を取り入れるのもおすすめです。

適度な水分補給

脱水になるとミネラルバランスが崩れるため、足がつりやすくなります。体を動かすときは、ミネラルが入ったスポーツドリンクを準備するようにしましょう。

寝ている間も脱水になりやすいので、コップ1杯ほどの水を飲んでおくと予防になりますよ。

妊婦が足をつったときの対策は?

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こむら返りを起こしたときは腓腹筋が収縮している状態なので、反対に伸ばしてあげる必要があります。

腓腹筋を伸ばすには、つま先をつかみ、すねの方に引き上げてください。引き上げた状態を8~10秒ほどキープして元に戻すという作業を痛みがなくなるまで続けましょう。

お腹が大きくなってきたら自分でつま先をつかむのが難しくなってくるので、パートナーや家族に足の裏からつま先を押すようにして伸ばしてもらうのがいいですよ。

サポートしてくれる人がいないときは、タオルを足の裏にかけて伸ばしたり、壁に足の裏をくっつけて上半身を起こすようにして伸ばしたりする方法もあります。

こむら返りはいつ起こるかわからないので、どんなときでも対処できるように足の伸ばし方を練習しておきましょう。

足をつりにくくなるように対策しておこう

足がつったときの痛みは、なった人しかわからないつらさがありますよね。妊娠中はどうしてもつりやすくなるので、今回ご紹介したような予防法を実践してみてくださいね。

もし足がつってしまってもすぐ対処できるように、自分一人でも足を伸ばせるように練習しておくと安心ですよ。

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