妊婦さんや産後のママにとって、カフェインを含まない飲み物はうれしいですよね。その中の一つ、ラズベリーリーフティーには「陣痛をやわらげる・安産になる」効果がある、という噂を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?今回は、ラズベリーリーフティーの効果や効能、妊婦さん向けのおすすめの飲み方や注意点についてご説明します。
ラズベリーリーフティーとは?
ラズベリーリーフティーとは、バラ科のヨーロッパ木イチゴの葉を乾燥させて作ったハーブティーのことです。
ビタミンやミネラル、リン、タンニンなど、女性に嬉しい栄養素のほか、フラガリンという子宮や骨盤周りの筋肉の収縮を調整する働きをする成分が含まれていて、ヨーロッパなどでは「安産のハーブティー」「出産準備のお茶」として古くから親しまれています。
甘酸っぱいイメージのハーブティーですが、ラズベリーリーフティーはほのかに甘い香りが漂うだけで、味はほうじ茶のようにくせがなく、さっぱりしているのが特徴です。ノンカフェインなので、妊娠を望んでいる女性や、出産前の女性にも人気です。
ラズベリーリーフティーの効果とは?陣痛をやわらげるの?
ラズベリーリーフティーに含まれる成分には、次のような効果が期待できます。
分娩時間が短くなり、安産になる
ラズベリーリーフティーの効果として、最もよく知られているのが「安産になる」ということではないでしょうか。
お茶ではなく、錠剤を使って行われた研究によると、妊娠32週から分娩までの期間に1日2.4gのラズベリーリーフ錠を飲んだ妊婦さんは、飲まなかった妊婦さんと比べて、子宮口が全開になってから分娩までにかかる時間が平均で10分ほど短く、鉗子分娩になる割合が約10%低かったことが報告されています(※1)。
鉗子分娩とは、微弱陣痛などで赤ちゃんが長時間降りてこなかった場合に、トングのような器具で赤ちゃんの頭を挟み、引っ張り出す応急処置のことです。分娩時間が短く、鉗子分娩率が低いということは、ラズベリーリーフの成分には安産効果があるといえるかもしれません。
陣痛をやわらげる/産後の子宮回復を助ける
ラズベリーリーフティーの成分には、子宮や骨盤周辺の筋肉収縮を適度に調節する作用があります。そのため、陣痛をやわらげたり、出産するときの出血が軽減されたりする効果があるとされます。
また、妊娠で大きくなった子宮が収縮して元の大きさに戻る「子宮復古」を助け、産後の子宮回復を促してくれます。
質の良い母乳の分泌を促す
ラズベリーリーフティーには、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているので、産後も飲み続けることで質の良い母乳が出ることが期待されます。
ラズベリーリーフティーはいつから飲むのがいい?おすすめの飲み方は?
ラズベリーリーフティーを妊娠初期~中期に飲むと、子宮が収縮しすぎる恐れがあるので、妊娠8ヶ月が過ぎてから飲むのが無難でしょう。
ただし、妊娠後期であっても切迫早産の診断が出ている場合は、担当医に相談してから飲むようにしてください。出産までの適量は、1日2杯までが目安です。
ラズベリーリーフティーは、ホットでもアイスでも、どちらも美味しく飲むことができますが、妊娠中は体を冷やさない方が良いので、ホットで飲むのがおすすめです。ポットに葉を入れ3~5分ほど蒸して、十分に成分を抽出してから飲んでくださいね。
陣痛が来て、痛みをやわらげるために飲むのであれば、冷やしたラズベリーリーフティーで気分転換するのも良いかもしれません。ホットと同じように抽出して、粗熱を取った後に冷蔵庫で冷やしておけば、水筒などに移してすぐ産院へ持って行けますよ。
ラズベリーリーフティーを飲むときの注意点は?
繰り返しになりますが、ラズベリーリーフティーには子宮収縮作用があるので、妊娠初期から中期に飲むのは控えましょう。妊娠8ヶ月以降も、1日1〜2杯に留め、あまり飲みすぎないようにしてください。
また、茶葉を選ぶときは、できるだけオーガニックタイプを選ぶのがおすすめです。市販されているラズベリーリーフティーには多くの種類がありますが、パッケージに書いてある成分を見て、なるべく農薬や添加物を使用していないものを選びましょう。
ラズベリーリーフティーを飲んでいる最中や飲んだ後に、気分が悪くなったときは、かかりつけの産婦人科や病院に相談してください。
ラズベリーリーフティーは妊娠後期に楽しみましょう
妊娠中は、飲みものや食べものなど、何かと制限されることが多いですよね。なるべくカフェインを避けたい、でも美味しいものを飲みたい、というときの楽しみの一つに、ラズベリーハーブティーを飲んでリフレッシュするのも良いですね。
ラズベリーリーフティーは、妊娠中や産後のママだけに限らず、女性の体に良い影響を与えてくれるので、普段の生活に取り入れるのもおすすめですよ。