予定日が近づいてくると、妊婦健診で「子宮口が柔らかくなってきたね」「まだ硬いからもう少し先かな」などと言われるかもしれません。子宮口の柔らかさ・硬さで出産までどれくらいかをどう予想しているのでしょうか。
そこで今回は、子宮口が柔らかい・硬いとはどんな状態で出産にどのような影響があるのか、子宮口を柔らかくする方法はあるのかなどをご説明します。
子宮口とは?柔らかいのはどんな状態?
子宮口とは子宮の出口のことをいい、お産のときに開いて赤ちゃんが出てくる通り道になる場所です。
子宮口には、赤ちゃんに近い「内子宮口」と、外界に近い「外子宮口」があります。
妊娠中は赤ちゃんが生まれてこないように硬く閉じていますが、出産が近づくにつれて産道となる子宮頸管が柔らかくなり、内子宮口、外子宮口の順番で開いていきます(※1)。
この状態を、「子宮口が柔らかくなっている」といいます。
臨月の子宮口が柔らかい・硬いで何がわかるの?
子宮口の柔らかさは分娩開始前から出産に向けて次のように変化していきます。
ただし、柔らかさを客観的に計測する方法はなく、医師や助産師の内診によって主観的に判断されます。
分娩開始前
子宮口は閉じていているか1〜2cmほど開いた状態で、少しずつ柔らかくなってきています(※1)。子宮の収縮はまだ弱いですが、おしるしなどの兆候がみられることもあります。
ここから分娩に向けて子宮口はどんどん柔らかくなっていきます。
分娩開始(第一期)
子宮口は3~4cmほど開いて、かなり柔らかくなります(※1)。陣痛は10分以内の間隔で規則的に起こります。
子宮口が7〜8cmまで開くと陣痛間隔が3分ほどになり、徐々に出産が近づいてきます。
分娩中(第二期)
子宮口は10cm開いて(子宮口全開大)、赤ちゃんが出てこられるように柔らかく広がった状態になります(※1)。陣痛は2分ほどの間隔になり、子宮の収縮が非常に強くなります。
臨月に入って子宮口が硬いままでも大丈夫?
子宮口が柔らかくなる時期には個人差があり、出産の数週間前から柔らかくなることもあれば、陣痛がくる数日前から、または陣痛がきてから一気に柔らかくなる場合など、人によって違います。
また、初産婦より経産婦の方が子宮口が柔らかく、開きやすいという特徴もあります。
そのため、臨月に入って「子宮口が硬い」と診断されても、出産予定日前であれば心配する必要はありませんよ。
予定日を過ぎても子宮口が硬いときは?
出産予定日を過ぎてしばらくしても子宮口が硬く、おしるしや前駆陣痛などの出産兆候もみられない場合は、妊婦健診を頻繁に行って、赤ちゃんの様子や子宮の状態を慎重にチェックします。
分娩を誘発したほうがいいと診断された場合は、医師が子宮口に指を入れて卵膜を刺激する「卵膜剥離」、子宮収縮薬の投与、小さなゴム球を子宮口に入れて膨らますバルーン挿入などを行って、子宮口を柔らかくして広げる対策をすることもあります(※1)。
自宅で子宮口を柔らかくする方法はあるの?
臨月に「子宮口が硬い」といわれたら、柔らかくする方法があれば試したいと思う妊婦さんも多いのではないでしょうか。
子宮口が柔らかくなる仕組みは医学的に解明されていないので、「これをすれば必ず子宮口が柔らかくなる」という明確な方法はありません。
ただし、臨月に適度な運動をすることで、股関節が柔らかくなったり子宮口が開きやすくなったりして、出産がスムーズに進みやすくなることはあります。
運動は気分転換にもなるので、かかりつけの医師に許可をもらったうえで、スクワットやウォーキングなど、無理のない範囲で行えるといいですね。
子宮口が硬いといわれても焦らないで
出産予定日が迫ってきているのに「子宮口が硬い」といわれると、焦りや不安を感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、子宮口が柔らかくなる時期は人それぞれです。妊婦健診で特に指摘されていなければ、ゆったりとした気持ちで自然に陣痛がくるのを待ちましょう。