「妊娠初期は眠くてたまらなかったのに、妊娠後期に入ったら夜に全く眠れなくなってしまった」という妊婦さんは多くいます。眠れないことで体力を消耗し、ストレスを溜めてしまうのは避けたいですよね。
今回は、妊娠後期・臨月に眠れないときの原因と解消法をご紹介します。
妊娠後期・臨月に眠れない原因は?
妊娠後期は、さまざまな要因が働き、寝つきが悪くなる傾向にあります。一日中眠れないわけではなく、昼間はすごく眠いのに、夜になったら眠れなくなってしまう人が多いようです。
妊娠後期・臨月に眠れない原因としては、次のようなことが考えられます。
お腹が大きくなる
妊娠後期に入って時間が経つにつれて、お腹がどんどん大きくなります。その結果、寝返りが打ちづらくなり、寝つきも悪くなります。
さらに、妊娠後期以降は大きくなった子宮によって膀胱が圧迫されて頻尿になりやすくなるため、夜中に何度も目が覚めてしまうこともあります。
激しい胎動
妊娠後期になると赤ちゃんも大きくなるため、安定期に比べると激しい胎動を感じる機会が増えます。力も強くなるので、痛いと感じる人も。
激しい胎動で夜になかなか眠れなくなったり、目を覚ましてしまったりするのは珍しいことではありません。
妊娠後期に入ると赤ちゃんの頭が骨盤の中に固定されて大きな動きをとりにくくなるため、臨月に近づくにつれて胎動は減少するといわれています(※1, 2)。
ただし胎動の感じ方には個人差が大きく、ママが感じる胎動が減るとは限りません。また、胎動は出産するまで起こり続けるものなので、なかなか眠れないという日々が続く人もいます。
ストレス
出産予定日が近づいてくると、「無事に産めるかな?」「陣痛はどれくらい痛いのだろう?」と不安になり、ストレスを感じやすくなります。ベッドに入っても、出産のことや産後の生活をふと考えてしまうかもしれませんね。
ストレスを溜めていると、寝つきが悪くなり、不眠につながります。
ホルモンの変化
妊娠後期・臨月になると、眠りを抑制する作用のあるホルモンであるエストロゲンの分泌量が増え、不眠を引き起こしてしまうことがあります。出産が近づいている証なので、生理現象といえますね。
臨月の不眠解消法は?妊娠後期から対策しよう!
それでは、具体的に4つの不眠対策をご紹介します。順に試して、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
楽に感じる寝方を見つける
一般的に、妊娠後期・臨月の妊婦さんにおすすめの寝方は、シムスの体位です。
シムスの体位では、横向きに寝て、上になった方の足を軽く曲げます。この寝方が妊婦さんにとって楽だと感じやすい姿勢ですが、人によっては、シムスの体位が苦しいと感じることもあります。
また、安定期は楽だと感じていても、妊娠後期に入ってお腹が大きくなったら窮屈だと感じる人もいます。
そんなときは、まずは布団を抱き枕代わりにしていろいろな寝方を試してみましょう。足の置き場が安定して気持ちよく眠れることもあります。
また、既に抱き枕を使っているという人は少しサイズを大きくしたり、長くしたりすると寝苦しさを感じにくいポジションが見つかる場合があります。
自分が一番楽だと感じる姿勢を見つけてみてくださいね。
適度な運動をする
体が重いからといって、動くことを控えているとなかなか眠れないことも。運動をすることで、出産に備えて体力をつけられるだけでなく、体が疲れて自然と眠れるようになりますよ。
また、適度に体を動かすことによって、気持ちをリフレッシュさせることもできます。
ただし、妊娠8~9ヶ月頃に切迫早産と診断されている妊婦さんは無理をするのは禁物です。妊娠37週の正期産の時期に入るまでは安静にしておく必要があります。
医師の指示に従いながら、できる範囲で運動をしていきましょう。
好きなことをしてリラックスする
眠れないのなら、いっそのこと好きなことをして、リラックスしてみるのもいいですよ。本を読んでいるうちに、いつの間にか眠っていたということもあります。
ただし、スマホやテレビなどブルーライトを発する物は、脳を覚醒させる効果があるので、眠れないときはあまり見すぎないようにしてくださいね。
眠る1時間前からブルーライトに接しないようにすると、寝つきが良くなりやすくなりますよ。
マイペースに睡眠をとる
妊娠後期・臨月に眠れないのはしかたのないことだと考え、心の負担を取り除くことも大切です。間もなく出産だと思うと、不安な気持ちになるかもしれませんが、あまり思いつめないようにしましょう。
むしろ今は、お腹の赤ちゃんと穏やかに過ごせる時間だと、前向きに考えられるといいですね。
どうしても妊娠後期・臨月に眠れないときの対処法は?
昼夜が逆転した生活になると、「胎児の生活リズムに影響を与えるのでは」と心配になるかもしれませんが、医学的にはっきりと証明されているわけではないので、心配しすぎる必要はありません。
寝ないよりは昼寝でもいいので睡眠をとったほうが心の負担が軽くなり、体力もつきます。夜に眠れないときは、昼間の眠くなったときに思い切って昼寝するのも一つの不眠対策です。
夜に眠れなかったとしても、ベッドに横になっているだけでも、体の疲れがとれますよ。
妊娠後期・臨月に眠れないときこそ、ストレスをためない工夫を
妊娠後期に入って不眠になるのは、出産が近づいている証ともいえます。夜中に起きてしまったり、寝つきが悪かったりした日は、自分の好きなことをして、あまり思いつめないようにしましょう。
これから会える赤ちゃんのことを考えながら、一日一日を楽しんで過ごせるといいですね。