妊娠中期の食事のポイントは?おすすめの栄養素や食べ物は?

監修専門家 管理栄養士・フードコーディネーター 中村 美穂
中村 美穂 東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。書籍、雑誌等への... 監修記事一覧へ

妊娠中期はお腹の大きさが少しずつ目立ってくる時期です。赤ちゃんの健やかな成長のためには、どのような食事内容にすればいいのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、妊娠中期の食事のポイントや、おすすめの食べ物・栄養素をご紹介します。

妊娠中期の食事のポイントは?

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妊娠中期に入って体調が落ち着いたら、適正な体重増加を目指しつつ、バランスの良い食事を心がけましょう。

食欲が増す時期なので、食べ過ぎには注意が必要です。妊娠中に過度に体重が増えると、妊娠糖尿病や出産時の難産などのリスクにつながります(※1)。

妊娠中の適切な体重増加量は、妊娠前のBMI値により判断できます。日本産婦人科学会によると、妊娠中の体重増加量の推奨値は以下の通りです(※2)。

妊婦 体重増加目安 2021年3月改定 BMI値

体重が急激に増えたり、過度に増えたりした場合は、医師に相談してくださいね。

妊娠中期に摂取したい栄養素は?

葉酸 栄養 野菜

以下に妊娠中期に特に意識して摂りたい栄養素をご紹介します(※3)。

カルシウム

カルシウムは、赤ちゃんの歯や骨の発達に必要な栄養素です。妊娠中だからといって、妊娠前よりもカルシウムを多く摂取する必要はありませんが、日常の食生活でカルシウムが不足しがちな人は意識的に摂取しましょう。

鉄分

妊娠中期を過ぎると、貧血に悩まされる人が増えるので、鉄分を摂取して妊娠中の貧血を予防しましょう。

厚生労働省によると、鉄は妊娠前に比べて、妊娠初期で+2.5mg、妊娠中期以降は+9.5mgを摂取することが推奨されています(※4)。

葉酸

妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸を積極的に摂取していたものの、妊娠中期になると意識しなくなってしまう妊婦さんも多いかもしれません。

ただし、葉酸を摂る量が少なくなると貧血になるおそれがあります。妊娠中期以降も妊娠前よりも+240μg摂取することが推奨されているので、しっかりと摂るようにしましょう。

食物繊維

妊娠中期の後半に入ると、お腹がどんどんせり出すので、便秘や腰痛、痔といったマイナートラブルに悩まされる妊婦さんも。

便秘を予防するためには、食物繊維を積極的に摂るようにしましょう。

妊娠中期におすすめの食べ物は?

離乳食リスト オレンジ

ここでは、妊娠中期の妊婦さんにおすすめの食材をご紹介します。

ほうれん草・小松菜

ほうれん草や小松菜は、妊娠中期に積極的に摂りたいカルシウムと鉄の含有量が多く、体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧予防に効果があるカリウムも含んでいます。カロテン、ビタミンC、食物繊維の含有量が多いのもポイントです。

鮭は良質なたんぱく質のほか、ビタミンが豊富な魚です。

カルシウムの吸収を助けるビタミンDが含まれているので、牛乳や豆腐、ヨーグルトなどカルシウムを多く含む食品と一緒に摂るのがおすすめです。

また、赤ちゃんの脳の形成に不可欠なDHAや、血液の流れをよくし高血圧の予防にも役立つEPAも多く含んでいます。塩分の取り過ぎを控えるために、できるだけ塩鮭ではなく生鮭を選ぶと良いですよ。

柑橘系フルーツ

グレープフルーツやオレンジといった柑橘系フルーツには、免疫力を高めるビタミンCがたっぷり詰まっています。

ビタミンCには鉄の吸収を助ける働きもあるので、鉄を多く含む食材と合わせたメニューにするのもおすすめです。

妊娠中期の食事を楽しもう

妊娠中期は体調が安定してきたので、ついつい食べすぎてしまったという声もよく聞きます。どんどん大きくなるお腹の赤ちゃんのためにも、栄養バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。

カロリーや脂肪分の過剰摂取には気をつけて、健康的なマタニティライフを送れるといいですね。

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