約9ヶ月にわたる妊娠期間中、友人や自分の誕生日、クリスマスといったイベントで、ケーキを食べる機会がありますよね。なにかと甘いものが欲しくなる妊娠中に食べるケーキは格別なもの。一方で、ケーキは糖分や脂肪分が多く、カロリーが高いので、妊娠中に食べてもいいのか気になってしまうことも。そこで今回は、妊婦はケーキを食べてもいいのか、妊娠中はどのくらい食べてもいいのか、ケーキを食べるときの注意点についてまとめました。
妊婦はケーキを食べてもいいの?妊娠初期は?
基本的には、妊娠中にケーキを食べても問題はありません。ただし、ケーキの種類によっては、生クリームやチョコレートといった糖分や脂肪分の高い材料が多く使われているため、くれぐれも食べ過ぎに気をつけましょう。
ケーキの種類によっては、アルコールを含んでいるものもあるので、注意が必要です。
妊娠初期は流産の可能性が高いため、「ケーキを食べても大丈夫かな」と心配になる人もいると思いますが、妊娠初期の流産の原因のほとんどは、胎児側の染色体異常です。
もちろん食べ過ぎはいけませんが、ケーキのような甘いものを食べたことで直接的に流産につながるわけではないので、心配し過ぎないようにしてくださいね。
妊娠中はケーキをどれくらいなら食べてもいい?
妊娠中は、赤ちゃんを育てるために栄養をしっかり摂る必要がありますが、なんでもたくさん食べてい良いというわけではありません。カロリーの摂りすぎには注意しましょう。
妊娠中は基本摂取カロリーのほかに、妊娠時期にあった付加量が定められています。厚生労働省によると、妊娠13週6日までの目安は+50kcal、14週0日〜27週6日までは+250kcal、28週0日〜は+450kcalです(※1)。
妊娠中にケーキを食べるときの目安は、ショートケーキの1切れ(約120g)まで。これだけでも約300~400kcalあるので、2切れ以上食べてしまうと1日のカロリー上限をオーバーしてしまう可能性があります(※2)。
ケーキを食べ過ぎてしまったら、当日や翌日はあっさりとしたメニューにしたり、調理方法を工夫して食事の脂質を減らしたりして調整できるといいですね。
妊婦はチーズケーキやブランデーケーキを食べてはいけないの?
1日の摂取カロリーや栄養バランスを考えながらケーキを食べることは問題ありませんが、種類によっては、妊娠中に食べるのを控えたほうがいいケーキもあります。
なかでもチーズケーキとブランデーケーキを食べるときは、下記の点に気をつけるようにしましょう。
チーズケーキ
妊娠中は、ナチュラルチーズを避けたほうがいいといわれています。「リステリア菌」に感染する恐れがあるからです。
リステリア菌は、ナチュラルチーズをはじめとした乳製品、生ハムやサーモンといった食肉・魚介類加工品を介して、感染する可能性があります。特に、免疫力が低下している妊婦は、感染しやすく重症化することも。
リステリア菌は、加熱によって死滅します。日本で製造されるナチュラルチーズは、加熱殺菌が義務付けられているため、食べても感染する可能性はほとんどありません。
気をつけなくてはいけないのは、輸入されたナチュラルチーズで作られたチーズケーキです。特に、レアチーズケーキやティラミス、ムースのように、加熱されていないものには注意が必要です。
妊娠中にレアチーズケーキを食べるときは、輸入されたナチュラルチーズが使われていないかどうか確認するようにしましょう。
ブランデーケーキ
ブランデーケーキをはじめ、ラム酒が入ったパウンドケーキやラムレーズン入りのケーキには、原料に洋酒が使われています。焼いたときにアルコール分が飛んでいるケーキであれば、妊娠中に食べても問題はありません。
焼いた後にケーキの表面に洋酒を塗っているものや、ゼリーの部分にお酒が含まれているものは、避けるに越したことはありませんが、アルコールは微量しか含まれていないので、食べた後に気づいたとしても、それほど心配する必要はありませんよ。
ただし、明らかにアルコール度数が高そうなケーキは、避けるようにしましょう。
妊娠中にケーキを食べるときのポイントは?
健康的な妊娠生活を送るために、妊娠中にケーキを食べるときは、いくつか気をつけたいポイントがあります。
食べ過ぎに注意
前述の通り、ケーキはお菓子のなかでも特に脂肪分が多く、カロリーが高いので食べ過ぎないようにしましょう。急激な体重増加や妊娠糖尿病につながりやすく、妊娠中のトラブルのリスクが高くなります(※3)。
妊娠中にケーキを食べるときは、フルーツを多く使っていてクリームが少ないものや、ムースやゼリーの部分が多いものを選ぶと、カロリーが低く抑えられておすすめですよ。
フレッシュなものを選ぶ
最近は、コンビニでも美味しいケーキが手に入るので、ついつい気軽に買ってしまいう妊婦さんも多いのでは。しかし、コンビニのケーキには、添加物や保存料が多く含まれています。
あまり気にする必要はありませんが、添加物を摂り過ぎないように、できればケーキ屋さんのフレッシュなケーキを選ぶようにしましょう。
手作りもおすすめ
妊娠中にケーキが食べたくなったら手作りしてみるのはいかがでしょうか。家庭で作るケーキなら、砂糖やクリームの量を調整したり、新鮮な材料を使ったりできるので、妊婦の体にあった健康的なケーキを作れますよ。妊娠中の気分転換にも、お菓子作りはおすすめです。
妊娠中も適度にケーキを食べてストレスを解消しよう
妊娠中は食べ物の制限や体調の変化などでストレスが溜まりやすくなるので、たまにはケーキを食べてリフレッシュしてください。適切な量のケーキを食べることには問題ありません。ただし、ナチュラルチーズやアルコールが含まれるケーキには注意しましょう。
ケーキは誕生日やクリスマスといった特別な日に食べるものなので、食べると幸せな気持ちになれますよね。その気持ちは、きっとお腹の赤ちゃんにも伝わるはずですよ。
ケーキに限らず、チョコレートやアイスクリームといった糖分や脂肪分が多い食べ物は、一度にたくさん食べ過ぎないことが大切です。食事とおやつをバランスよく食べて、健康的なマタニティライフを送れるといいですね。