赤ちゃんのチョコレートはいつから?アレルギー反応は出るの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

ママやパパが美味しそうにチョコレートを食べているのを見て、赤ちゃんが興味を示すこともありますよね。それでは、赤ちゃんにはいつから食べさせていいのでしょうか。

そこで今回は、赤ちゃんにチョコレートはいつから与えていいのか、注意点などもあわせてご説明します。

赤ちゃんはチョコレートをいつから食べていい?

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離乳食期が終わると、赤ちゃんはさらにいろいろな食べ物に興味が出てきます。ママやパパも、そんな赤ちゃんに新しい食べ物を与えてみたいと思いますよね。チョコレートもそのひとつではないでしょうか。

一般的に、間食に「おやつとしての楽しみ」の要素が重要になるのは3歳以降といわれています。

チョコレートは何歳から食べていいという明確な基準はありませんが、肥満や虫歯など、子どもに与える影響も大きいので、できれば3歳を過ぎてから与えたほうがいいでしょう。

赤ちゃんにチョコレートがダメな理由は?

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チョコレートは嗜好品なので、どうしても食べなければいけない食品ではありません。赤ちゃんにチョコレートをあまりおすすめできないのは、以下のような理由もあります。

味覚形成に影響を及ぼす

最低限の味付けしかされていない離乳食期が終わった直後に味が濃い食べ物を与えてしまうと、赤ちゃんには刺激が強すぎてしまいます。大人にとってもかなり甘いと感じるチョコレートですから、赤ちゃんにとっては、なおさらですよね。

このような刺激の強い味を覚えてしまうと、食事を食べなくなり食生活が乱れてしまう可能性があります。

依存性が強い

まだ自制心が備わってない赤ちゃんは、同じ遊びをずっと繰り返したり、同じ食べ物ばかりを好んで食べたりしますよね。

特にチョコレートは赤ちゃんが口にするほかの食べ物より格段に甘く、チョコレートに多く含まれる砂糖にも依存性があります。味を覚えてしまうとチョコレートばかりを欲しがってしまう可能性があります。

覚醒効果がある

チョコレートの原材料であるカカオにはテオブロミンという成分が含まれています。これはカフェインに近い作用を引き起こすため、赤ちゃんが夜に眠れないなどの睡眠障害を起こしかねません(※1)。

虫歯になる

赤ちゃんの乳歯は、永久歯と比べて虫歯になりやすいです。甘いチョコレートはしっかりと歯磨きをしなければ、虫歯の原因になってしまうことがあります。

肥満になる

チョコレートは脂質や糖分が多く含まれており、カロリーが高いです。食べすぎると肥満につながってしまいます。

トランス脂肪酸が含まれている

チョコレートには、トランス脂肪酸が含まれていることもあります。トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを増やしHDL(善玉)コレステロールを減らすことで心疾患のリスクを高めるといわれています(※2)。

赤ちゃんがチョコレートアレルギーになることもあるの?

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アレルギーと言えば、卵や牛乳、小麦などをよく耳にすると思いますが、どんな食品でもアレルギーを発症する可能性があります。

特にチョコレートの主成分であるカカオもアレルギーの原因物質であると考えられており、かゆみや湿疹を引き起こすこともあります(※1)。

乳成分が含まれているチョコレートは、牛乳アレルギーがある赤ちゃんは食べることができません。またナッツ入りチョコレートはナッツでアレルギー反応が出る場合もあります。

食物アレルギーになると、蕁麻疹、湿疹、喘鳴(呼吸するときにヒューヒューと音がすること)などの呼吸困難や嘔吐などが引き起こされ、なかにはアナフィラキシーショックを起こす場合もあります(※3)。

チョコレートを食べてアレルギーになってしまう人の割合はそれほど高くありませんが、どんなアレルギーがあるかわからない赤ちゃんには注意が必要となります。

初めて食べさせるときは、かかりつけの医療機関をすぐに受診できる曜日の午前中に、ごく少量から食べさせるようにしてくださいね。

赤ちゃんがチョコレートを誤飲してしまったら?

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ちょっと目を離した隙に、赤ちゃんがテーブルの上に置かれていたチョコレートを口に入れてしまった…という場合は、チョコレートを口に入れたばかりであれば取り出してあげてください。

すでに口の中で溶けていたり、飲み込んでしまっていたりしても、アレルギー反応が出なければ、病院に連れていく必要はありません。

アレルギー反応が出るには少し時間がかかることもあるので、初めてチョコレートを食べてしまったときは、そのあとの赤ちゃんの様子を慎重に見るようにしてくださいね。

チョコレートの代わりになるものはある?

ココア

チョコレートの代用品として一般的なのは、ココアパウダーです。ココアパウダーであれば、離乳食の味に変化をつけるために使用しているママも多いようです。

また、最近ではチョコレートに変わる代用品として「キャロブ」という食品が注目されています。粉末状にしたキャロブパウダーを使うとチョコレート風味に仕上げることができます。

このキャロブパウダーを固形化したものを、チョコチップの代用として使用することも。脂質も少なく、食べやすいですよ。ただし、キャロブ自体にアレルギー反応を起こす可能性もありますあります。

初めて与えるときは、ごく少量からにしてください。アレルギー症状や心配ごとに備えて、かかりつけの医療機関をすぐに受診できる曜日の午前中に与えましょう

ただし、消化器官が未熟な赤ちゃんや子どもは一度に多くの食べ物を摂取できないため、おやつを食べることで次の食事に影響してしまうことも。離乳食に取り入れて楽しむと良いですね。

赤ちゃんの間はチョコレートを我慢しよう

赤ちゃんの間にチョコレートを食べさせることは、おすすめできません。栄養の観点からもチョコレートを与える必要もありませんよ。

ただし、チョコレートにはリラックス効果や、集中力を高める効果などメリットもあります。3歳以降は、量や頻度を決めて、親子で楽しく味わえるといいですね。

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